第16章
かっさんちのゲームセンターから出てくるとき。
美絵子ちゃんに見られたくないなぁと思ったことがあった。
そのときだったか、バス停のあたりを見たら、黄色い帽子をかぶった、小学1年生の女の子たちが帰ってくるのが見えたからだ。
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当時、美絵子ちゃんもぼくと同じそろばん塾に入ってくればいいなぁって思った。
そうすれば、塾内や敷地でも仲良く遊べたのになぁ・・・。
でも、いがじ(= 五十嵐まさかずくん)の方がまっけん同様、ぼくよりギャグの王様だったから、美絵子ちゃん、ゲラゲラ笑ってそっちになびかないか心配になってたかもな。
いがじ・・・「たかり魔」だった。
下級生の斎藤みつおあたりに、おごるともなんとも言われてないのに、「なに? おごってくれる?? ・・・キミはなんてえらいんだ!!」とか調子のいいこといって、ついでに強引におせじも言って、ポテトチップとか横取りしてた。
・・・ジャイアンかよ(笑)。
いがじとは、まぼろしの「ラーメンスナック」の話で盛り上がったっけなぁ・・・。
味に独特のコクがあって・・・「超・激うま」だった商品なのに、すぐに市場から消えちゃった、それはザンネンな名作だったんさ・・・。
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小4のとき。
たぶん、そうじの時間にさぼってしかられたときだったと思う。
ぼくが嫌いだった、いじわるな担任の若い女先生の「小島」が、みんなの前で問い詰めた。
「なんで栗原くんは、毎日毎日、低学年の方へ行ってるの?」って。
返事に困ったぼくは、まさか美絵子ちゃんに会いに行ってるからですとはいえなかったから、
「廊下に落ちてるピンとか、クリップとか探してるんです。」なんてウソをついた。
そしたら、まっけん(= 松本けんいちくん)が、
「うそだ! 1年生のところに行ってんだ。」とチクった。
いいじゃねえか、行ったってよぉ。
のちに、廊下のどこかでまっけんに会ったとき、野郎、こんなこと言いやがった。
「ほら、お前が探してるピンが落ちてるぞ。」
うるせえ。
あんときは、優しいぼくも、ヤツをぶん殴りそうになったものだ。
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美絵子ちゃんと初めて遊ぶようになったときは、こんなふうだったと記憶している。
さくらの木と、小さい鉄棒のあたりは、低学年の児童でごちゃごちゃしていた。
その中に、ぼくは入っていった。
そこでなんとなしに、美絵子ちゃんと遊ぶようになったんだと思う。
正確な日付けはわからないが・・・その日は、よく晴れていた。




