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26 それぞれの後悔

 この作品を読んでくださった方、また「ブックマーク」や「いいね」「評価」ををしてくださった方、本当にありがとうございます。

 ちょっと前まで「あーん、パクッ」をしていたと思えない程殺伐としておりますが、あともう少し、シリアスにお付き合い下さい。


 あと、サブタイトルに数字を付けてみました。

 あまり関係ないかな?少しでも読みやすくなればと思います。

 グレイはその光景に目を疑った。

 護るべきはずの国王が、床に血を流して倒れている。

「陛下!ご無事ですか!?」

 慌てて駆け寄るが、エドワードの意識はない。

 首に指を添えると、脈動が感じられる。

 あまりの緊張に、喉が詰まるような気がした。

 この近くで爆発が起こったのだろうか。

 失態だ。国王に怪我をさせるなど、護衛としてあり得ない。

 もちろん、第一騎士団のものは近くに待機させていたし、王妃の指示通りにディーンを護ることも、自分の大事な仕事だ。

 しかし、魔石を見つけた時にもっと適切な対処があったのではないかと悔やまれる。

 魔石という魔力に関わるものを見つけてしまったことで、グレイはウィリアムの能力を当てにしてしまったのだ。一番にエドワードやギャレットに知らせていれば、結果は違ったかもしれない。

 周囲は爆発の白煙に包まれ、混沌としている。

 グレイは会場の外に控えていて駆けつけて来た第一騎士団の者たちに、他の王族を保護し、別宮に連れていくように指示を出した。

「マリオン、お前はシャウジャミアンの使節団を避難させろ。そして、十名きっちり避難させたら私に報告してくれ。ガイル、お前には一旦この場の処理を任せる」

 マリオンとガイルはすぐに行動に移る。

 優秀な騎士たちにより、王妃と共にいたレオンとサーシャ、そしてディーンが保護され、王族の専用の扉から助け出された。傷を負っている者もいたが、命に別状はい。

(ウィリアムが保護魔法をかけていたのに、なぜここまで・・・・)

「フレディ殿下も参りましょう!」

 騎士の一人が必死に声をかけるが、フレディは聞こえないのか、微動だにしない。

「僕のせいだ・・・僕が、あの人のことを信じたせいで・・・・」

 呆然と呟くフレディ。

 グレイは、気を失っているエドワードを背負い、運ぼうと立ち上がる。

「陛下は私が連れていく!他の者は避難誘導に専念し、ガイルの指示に従え」

「はっ」

「フレディ殿下」

「グレイ・・・」

 フレディは、頼りない声で尋ねた。

「父上は・・・大丈夫なのか?」

「・・・わかりません、とにかく医者に見せなければ。今は一刻を争うのです」

「僕を庇ったんだ」

「殿下・・・・・」

「こんな・・・・僕みたいな馬鹿を庇うから・・・・・っ」

 フレディの目から堪えきれなくなったように涙が溢れる。

「・・・父上を助けて・・・・・っ」

 グレイの腕を掴むその指は、白く震えていた。

 フレディのその腕を掴み、グレイは無言のままに頷き、広間をあとにした。

(あとは頼んだぞ、ウィリアム)

 浮かび上がる無数の魔法陣に願いを託しながら、グレイは別宮へ向かった。




「大丈夫ですか!?」

 声をかけてくれた騎士に、ユリアはマグリッドのことを知らせ、連れていってくれるように頼んだ。

 ユリアがその場を離れてすぐに、意識を失ったらしく、鍛え抜かれた騎士でも、意識のない大人の男性を背負うのは一苦労のようだった。

 ジュリアーヌとセドリックの姿は見えない。

 無事に避難していることを願う。

 (きっと大丈夫)

 自分に言い聞かせる。

 いつの間にか、空中に無数の魔法陣が浮かび上がっていた。

「ウィリアム・・・・・!」

 ここに、ウィリアムがいる。

 白煙が収まらない中、ユリアはその姿を探した。

 やがて、魔法陣の効果で爆発によって被害を受けた建物が、あっという間に修復されていく奇跡のような瞬間を、広間に残っていた多くの者が目にした。

 ユリアは側面扉の近くにいた魔法使いを見つける。

 そして直後、その背後に呆然とした、表情のないテディを見つけた。

(テディ・・・・・?)

 ユリアはテディの異常を感じ、駆け寄ろうとした。

 その時、

「おのれ、ウィリアム=ザッハーク!」

 一人の男がウィリアムを怒鳴り付ける。

 その目は興奮に血走っていた。

「今こそ私の力を証明しよう」

 男は魔方陣を作り出す。

 それは、とても危険なもののように思えた。

「ウィリアム・・・・・!」

 ユリアは駆け寄り、背後からその男の背中におもいきり体当たりした。

 男はよろめいて前に倒れる。

 魔法陣は未完成のまま消滅した。

「こ、のぉ・・・・・くそがぁっ!」

 男は振り返り様にユリアの頬を打った。

「ユリア様!」

 ウィリアムが叫ぶ。

 ユリアは頬を打たれた衝撃で、床に倒れた。

 途端、ウィリアムはざわり、と背筋が凍るような力を感じた。




  


 


 

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