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12 精霊王リオネル

 この作品を読んでくださった方、また「ブックマーク」「いいね」をしてくださった方、ありがとうございます。誤字報告も参考にさせていただいております。確認が甘々で申し訳ありません。本当に助かります。

 システムを使いこなせていないような気もしますが、頑張っています!

 自分が生み出したキャラクターではございますが、ウィリアムが大好きです。

 フォンターク王国には精霊がいる。

 幼い頃から、絵本を通して子ども達に精霊について読み聞かせ、吟遊詩人は物語を音楽に乗せて歌う。年に一回行われる精霊祭りの期間には、劇場で公演をするのが恒例であり、精霊伝説はいつも人々の身近にあった。

 その姿は天使のように美しいが、戦いの場においては大きな獅子に変化し、周囲を圧倒する。

 美しく気高いフォンタークの守り神。多くの国民は大精霊リオネルを信仰し、敬愛している。

 伝説の通り、王家や四大侯爵家には時折、精霊の加護を受け、特別な力をもつ者が誕生する。だからこそ、国民は王家をも敬い、従うのだ。

 そして、カイゼン王家は、その国民の想いに恥じぬよう、フォンタークを豊かな国にしようと尽力してきたのである。

 



「よーしよしよし、いい子ですねー。毛並みもいいし、健康体です。お利口さんですねー」

 ウィリアムは抱きつくようにしてブラッシングで毛並みを整え、その身体に異常がないかを確かめていた。

 獅子は気持ちよさそうにゴロゴロと音を鳴らし、ゴロンと転がってウィリアムに腹を見せる。その腹をモフモフと撫でると、気持ちよさそうに脱力してみせた。

 ウィリアムと獣化したテディとの関係は、まるで飼い主とペットだ。獅子になったテディがウィリアムにここまで懐くには、それは涙ぐましい努力を要したという。

「あー、癒されるなあ・・・」

 モフモフを堪能し終わると、ウィリアムは懐からふわふわの塊を取り出した。

「ふふふ」

 これは以前ブラッシングしたときに獅子から抜けた毛で作った毛玉である。

 獅子のテディはこれで遊ぶのが大好きだ。

 テディの目が獲物を見つけたようにギラリと光る。

 ウィリアムは毛玉を勢いよく転がした。

「そーれ」 

 ウィリアムの身体より大きな獅子が、風を切るように走り回りながら、毛玉を転がして遊び始める。その迫力は、普通の人間なら気を失ってもおかしくない程だ。壁にぶつかったり、床にひっくり返ったり、どったんばったんと、とにかく激しい。

(やっぱり建物を保護する魔法陣と音を遮断する魔法陣は必須だなー)

 うんうん、と頷きながら大きな獅子を見守る。

 人間もそうだが、自身の力をコントロールするためには、定期的なストレス発散が大事なのだ。そう、決して可愛いから遊んでいるわけではない。

 誰も見ていないのに、ウィリアムは言い訳のように考えた。

 しばらくするとテディは気が済んだのか、毛玉を咥えてウィリアムの所へやってきた。ヨダレまみれのそれを、ウィリアムはそのまま懐にいれた。・・・と言うのも、ウィリアムの懐は亜空間につながっていて、小さなアイテムボックスのようになっている。

 だから本当は保護魔法をかけなくても、封筒にはしわ一つできなかったのだ。しかしウィリアムはこの亜空間を作り出す魔法を他の人に公表していない。

 ただでさえ足りない精霊の加護について考える時間を、他の魔法のことに割きたくないからだ。ウィリアムは国がひっくり返るほどの魔法陣をいくつも開発していたが、煩わしいから黙って、こっそり自分だけ使っていた。

 テディは大人しくなり、部屋の中央に丸まって座る。

 もういいよ、の合図だ。

「じゃあ、最新の魔法陣を試してみましょうか」

 ウィリアムも自身の研究が実際に成功するかどうかドキドキしながら、集中しようと感覚を研ぎ澄ませていく。

 部屋に充満するウィリアムの魔力、次々に描き出される魔法陣。

 ウィリアムはその光景を美しいと思う。

 テディの姿が発光し、広がっていく。

 獅子に戻る時の光とは違い、穏やかな橙色の光だ。

 ウィリアムの視界が光一色になり、そして急速に収まる。

 その中心には・・・。

「・・・せ・・・、成功だー!!!」

 ウィリアムは嬉しさのあまり叫んだ。しかし、

「あ・・・・・」

 頭からピョーンと耳が出る。時間差でボンッと尻尾も。

 ウィリアムはまだ可能性を信じ、新たな魔法陣をかぶせて展開させた。

「収まってよー」

 動物的特徴に訴えかける。

 しかし、願いは届かない。

 光が消え、そこに残ったのは、耳と尻尾をつけた4歳のテディだった。

「あれれぇ?」


 


 



 




 



 

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