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プロローグ

 昔々のお話です。

 いつかの時代の、どこかの国。

 

 あるところに、とても力の強い女の子がいました。

 掴むものみなぼっきり折れ、ちょっと手をつけば分厚い板も粉砕。暴れ牛だって軽々持ち上げることができます。

 気立は優しくおとなしい子でしたが、いかんせん力が強すぎる。可愛い一人娘です。最初はどうにか力を抑えようとした両親も、彼女が7歳になった年にこれは手に負えぬと諦めて、少女を置いてすたこら村を出ていってしまいました。


 かわいそうな小さな子。愛すべき家族も、得られるはずの愛もありません。

 人と違う自分を責め、同じようにできないことを嘆きました。

 しかし天与の資質は残酷です。あまりに頑丈なせいか、悲しみに暮れ家族で住んでいた家の裏にある崖から飛び降りても、なんと擦り傷一つつかなかったのです。自分の心臓に剣を突き立ててみる勇気もない。そんな状況でもお腹は空く。生とはなんて憎らしいのでしょう。

 彼女の力を畏れつつも同情した近所の家々の雑用を手伝いながら、それでも健気に細々と生活していく術を身につけていきました。

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