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勇者なんてやめて旅をすることにした  作者: じゅじゅ
1 勇者なんてやめた編
7/58

『移動』

水源を元に戻した日の夜遅くに、俺とウィクは次の行先やこれからどうするかについて宿で話していた。

お互い、さっき風呂にも入り終わってパジャマも着終わってもうすぐ寝る。そんなときにウィクがきりだしてきた。


「さおきくん、これからどうする?」


「まずどっか市街地に行こうと思う。一応収入源を手に入れるか、住処を手に入れないとだめだからね。」


「両方必要じゃない?」


「俺たちはこれからのことを何も決めてないからなぁ。とりあえず住処はおいといて、収入源は必要じゃない?」


「それじゃっ、冒険者ギルドに行こう!」


?ああ、冒険者ギルドってあの、冒険者がお金稼ぎに使うところか。まあ異世界だし有って当然か。


「ちょっとこの近くの町探すからウィクは先に寝といていいよ。」


「おやすみ〜」


「おやすみ。」


ウィクはふとんに入った。疲れたのかわからないがすぐに眠りに落ちた。


「さてと、」


俺は地図を置いてあったバックの中からだし、机の上に広げた。


現在、俺たちのいるところは正五角形のように並んでいる山の一番下の山と右の山の山の境目にあたるところにいるらしい。

つまり、この世界の最南端にいると思っていいだろう。そこから、大きな町を見つければいい。

都会にはどこにもお店があるように大きな町にも絶対冒険者ギルドがあるはずだ。


そんなこんなで、この近くの大きな町を探した。


案外すぐに見つかった。ここから外側に出てさらにもうちょっと南進んだところにある港町、【ヤムリエ】だ。都市面積から見て小さい町ではない。さすがにあるだろう。


「俺も寝るか。」


俺もふとんに入った。隣にはウィクが無防備でスヤスヤと気持ちよさそうに寝ている。この女神、絶対に思春期という言葉を知った方がいい。俺はウィクに興味なんぞないが他の男だったらどうなっていたことか。

にしても、この生活、いつまで続くんだろうか?仲間とか増えたらベットが3つとか4つとかある部屋をとかとらなきゃいけなくなるんだろうか?近い未来、そんな日が来るのだろうか?


そんなことを頭の隅で考えながら、俺も次第に眠りに落ちていった。


ー翌日ー

「んん…」


起きた。昨日みたいにまた誤解されるのかと思いきや、ウィクの方が俺よりも先に起きていた。


「さおきくん、おはようー」


「おはようー」


お互いにあまり起きているとは思えないあいさつ。おそらくウィクもさっき起きたばかりで眠いのだろう。


「どこに行くか決めた?」


「ああ、ここのヤムリエっていう町。」


俺は地図を指しながら言った。


「商業が盛んな町だね。港町だから船の貿易も多く行われている!」


なんかいつもと違って冷静だな。これもアドバンテージのおかげだろう。でも、やはりこれからはウィクの存在は不可欠だな。でないと、これからも行く町がどんなところかもわからない。


「さおきくんが初めて私の大切さを痛感している…」


「それは言わなくてもいいでしょ…」


こうして、俺たちはいつも通り朝食を食べ、部屋の片付けをした。ついに勇者としての活動が始まるのか。

ちょっとだけ緊張してきたな。そうだ!こういうときは、深呼吸。息を吸って…


「ーーーぁ」


「さおきくん?どうかした?」


「なんでもない。ちょっと深呼吸をしただけだ。」


俺たちは部屋を出て、受付に行ってお金を支払う。あれ?待てよ?お金なんてあるのか?一度も考えたことがなかったが俺たちは金なんて持ってるのか?


急いでバックをあさる。すると、小さな袋があった。中には金貨が入っている。


「よかった〜」


「やっぱり、お金ないんじゃないかって焦ってたんだ。」


「!?」


まあこのバックのなかのあさり様でわかるだろう。最初はなかがきれいに整理されていたバックも、さっきのでバラバラになってしまった。


受付に着く。


「金貨4枚か銀貨40枚になります。」


俺は袋から金貨を4枚出した。


「ちょうどですね。またのお越しをお待ちしております。」


「「ありがとうございました。」」


宿を出た。晴れていて気持ちいい。これなら無事にヤムリエに着けるだろう。


「ねえ、さおきくん。南の方向に進めばいいんだよね?」


ウィクがなにやら不安そうな顔をしている。なにか足りないものでもあったのか?


「そうだけど、何かあった?」


「ううん。ただ、方角がどっちが南でどっちが北かとかがわからなくて。」


…たしかに!本当だ!方角がわからない。方位磁針でもあれば…


「私、村役場に行って方位がわかるものがあるかきいてくるね。」


ちょうどいい。ここを離れる前にもう一度行っておきたい場所があったからな。


「ああ。俺はちょっと森の方に行ってくるよ。」


「なにしにいくの?」


「ただの散歩。」


「あんまり森の中に入らないでね。探すの大変だから。」


「わかった。」


そして俺は森に、ウィクは村役場へと向かった。


俺の行き先は一昨日おとといイノシシを倒した場所。もう一度あのイノシシの山を見てみようと思っていた。


すぐに着いた。倒したイノシシたちのいくつもの山になって積み上げられている。


「ふんふん…へーー」


人の声がする。誰かいるのか?


「ん?」「あ。」


目があった。


「これはどうも。」「どうも。」


あいさつしてきた。なぜか笑っている。気持ち悪い…


「誰ですか?なぜこんなところに?」


俺が話を切りだした。


「私は名乗るほどのものでは…ん?これは…」


急に顔がこわばった。俺の方を見てきた。


「いえ、名乗りましょう。私はルアンというものです。今度わたしたちの邪魔をしたら容赦はしないという忠告をしておきます。さおきさん。」


???このルアンって人、俺のこと知ってるんだ?


「おい、まだ終わってないのかー?」


もう一人、こっちにきた。剣を持っている。


「ああ、今アクシデントが発生してね。私たちの今回の任務を邪魔した子が今来たんだ。」


「ほぉ〜。こいつか。」


だからなんなんだよ、こいつら。いきなり任務とか邪魔したとか俺が村のためにイノシシ倒しただけでなにが間違っていたってんだよ!


「俺はレオンだ。おまえが本当にこいつらを全部殺したのか?」


イノシシの山を指しながらレオンがきいてくる。


「ああ、俺が全部殺した。」


「なあルアン、こいつここで始末していい?」


即座に戦闘態勢に構える。いきなり始末とか言われてもこっちはなにがなんだかわからないっての!


「いいえ、ダメです。モンスターの記憶からおもしろいものがあります。それに、私は先程今度邪魔したら容赦しないと忠告しておきました。」


「わぁったよ。」


なぜか頭を掻いている。まさかの不完全燃焼ってやつ?


「それでは、またいつか会うときがあれは本気でりにかかりますので覚悟しておいてください。 」


魔法陣が出てきた。おそらくこれは転移魔法…

消えた。にしてもなんだったんだ?レオンにルアンって。それと、任務ってなんだ?


「はぁ…」


ため息をこぼして、俺はその場から去った。


村に戻ると、ちょうどウィクが村役場から戻ってきていた。


「どうだった?」


「方位磁針1つもらってきた。村長さんがなにもお礼ができてないからせめてものお礼にって。」


いい人だ。また機会があればもう一度ここに来よう。


「それじゃ、出発だな。」


昨日と同じように足元に小さな竜巻を作り、空を飛ぶ。


ヤムリエに向かう道の途中で思ったことがある。スピードが遅い!走った方が速い気がしてきた。


「なあ、これ遅くない?」


「速くしたければ、体をちょっと前に傾けてみて。」


言われたように体を前にちょっと傾けた。すると…


「おぉ〜これ!これ!これくらいがちょうどいい!」


このくらいのが欲しかったんだよ〜

でも、この場合ウィクはどうなるんだ?おいてけぼりになるんじゃないか?


「あれ?さおきくん、どうしたの?こんなところで。」


「待ってたの。あまり速くするとついて来れないかと思って。」


「あ、ありがとう…」


そう言ってウィクは顔を俯かせてしまった。


「大丈夫?ちょっと休憩する?」


「大丈夫。でも、立つのがつらいっていうか…」


そういうことか。まあ確かに俺も疲れてきたところだったからなぁ。


「一回降りよう。それでなんかいいものないか探してみる。」


「ごめんね。私のせいで…」


「大丈夫。」


俺たちは森の中に降りて、休憩した。


「じゃあちょっといいものないか探してくるね。」


「あんまり奥に行かないでよー」


「りょーかい。」


森の中をちょっと散策した。あたりには落ち葉や木の枝が落ちておりすごく歩きづらい。

でも、要は座れるようなものを用意すればいいんだ。


「やるか…」


ここで一番手短に用意できるのが木。

木を切ってそれをうまく切って座れるあまり大きくない大きさにする。


「はぁーーーーーーーーーーーーッッ!」


氷の剣は脆いことが判明しているため、風の を作った。


ーーーーーーーーーーーーッッ!


「やーー!」


俺はそんなに大きくない木を1本切った。


ーーーーーーーーーーーーッッッ!


木が倒れる。その木をさらに、半分!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!


その半分をさらに半分!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッ!


「よしっ!こんなもんだろ!」


完成した木を2つ持って帰った。


「さおきくん、これは?」


ウィクが普通に地面に座っている。服が汚れないのか?


「服汚れない?大丈夫?」


「それだったらちょーっとだけいいホテルに行って泊まれば洗濯できるから問題なし!」


ちょーっとだけいいホテルって…いつか金欠になりそうで心配だな。


「で、これは、ここからヤムリエに着くまでに立つのは厳しそうだから座る用の木。そんなに大きくないでしょ?」


「でも、これってこの木が飛べることが条件じゃない?」


…………。よくよく考えたら木が飛べないと飛べないじゃん!俺ってバカか!


うわぁぁぁと頭を抱えていたさおきにウィクが歩み寄る。


「ほんとに、バカなんだから。そんなさおきくんにこのウィク様が救済してあげる!」


そう言ってウィクがなにかを始めた。

さおきが切ってきた木の下に魔法陣が出現する。ウィクの両手にも同じ魔法陣があった。


なにも起きなかった。


「はい!終わり!」


「なにかしたの?」


「そのままだよ?あの2つの木を飛べるようにしたの。もちろん1回限りの使い捨てね。」


なにも起きなかったがどうやらあの木に魔法をかけたらしい。


実際に飛べるかどうか調べるため、俺はその木に座ってみた。座ると座り心地はともかく、木の下の方に俺たちの飛び方のような小さな竜巻はなく、自然と浮いていた。


「おぉ〜すげーな!」


飛べた。木を跨いで座ることができないが、いい乗り物にはなりそうだ。ウィクもそれに乗って上がってきた。


「仕切り直して、再び出発!」


俺たちは森での休憩を終え、出発した。


「風が気持ちいいね〜。」


「そうだな〜。」


さっきのスピードを出していたときとはまた違う感じがする。座っているせいか、風が気持ちいい。


こうして、俺たちは無事、ヤムリエに到着した。



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