『歓喜と絶望の入り混じる夜』『夢①』
2本立てになっております。タイトルの順番通りになってますのでよろしくお願いします。
『歓喜と絶望の入り混じる夜』
俺たちは村に戻った。俺はすぐに病室に降ろされ、医者に容体を診られた。
「体が硬くなってるだけですね。ほぐせばすぐに治りますので。」
「ありがとうございます。」「ありがとうございます。」
「それじゃ、今からやっちゃっていいですか?」
え?今から?別に…
「やったらすぐに眠れることを約束しますね!」
はい!?なんで!?
「いいですけど…」
「じゃあやっちゃいますね。」
「それじゃあさおきくん、おやすみなさーい!」
なんか永遠にバーイバーイって言われてる気分がするのは気のせいか。
また誰か3人来た。
「「「よろしくお願いします。」」」
「は、はい。」
グググーー!
痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛ぇー!
「ちょっと我慢してくださいね〜」
いや無理無理無理!
こうして俺は痛みを伴いながら、眠りに落ちていった。
*
さおきが硬さをほぐしているころ、ウィクは村の祭りに参加していた。
「ほんとに呑気なものね。私たちがいなかったらどうなっていたことか。」
そう言ってウィクは小さくため息をこぼした。事実、イノシシの量は村人は知らない。いや、知らない方がいい。あの量はほんとにやばいから。
「おもちはいかがですか〜?」「うちのも美味しいよ〜」
「はぁ〜」
またため息。無理もない。なにせ、おもち屋しか出てないのだから。
「最初は何軒か食べ比べしてたんだけどな〜。美味しいけど、同じ味しかしないものだから。」
多くの人々が楽しんでいる一方で、悩みを抱えているの人も多くいた。その理由は…
「ああ、もうおしまいだぁー!」「最近はただでさえ、水の量が少ないのに…」
そう、水だ。さおきが氷の魔法を作る際に消費した10万L。それはこの村の田んぼの全ての水に値する。
「これも解決しなきゃだし。また大変になりそうね。」
そう言ってウィクは再びため息を漏らしつつ、宿に戻ったのだった。
『夢』
さおきは眠りについていた。そうして、彼は深い夢を見ることとなる。
ー夢の中ー
その世界はとても暗く、そして赤い。止むことなく嵐が吹き続けており、1分が1年と感じてしまう。
そこは暑そうに見えて寒暖などの季節がはっきりしておらず、暑い日は高くて500度に達し、寒い日はマイナス60度にまで下がる。
ここは…どこだ。俺は確か、イノシシ討伐を終えて体をほぐされていたはず…
「おいネメシス、浮かれすぎだ。手柄を挙げたのはお前じゃないんだぞ。」
「いいじゃない。あれはあたしが共闘して勝てたんだからね!あたしがいなかったらあんたたち今頃木っ端微塵よ!」
目の前で黒い人なのか?わからない。でも、会話している。
「団長、何か言ってやったらどうですか?どう見ても浮かれすぎですよ。」
誰かが話しかけて来た。団長?俺が?
「団長!」
「あ、ああ。」
「もう、働きすぎてボーッとしてたんですか?たまには休んでください。」
「いや、こんな大戦中に休めるわけないだろ。で、ネメシスに何か言ってやればいいのだな。」
く、口が勝手に動いている。つまり俺はその団長とやらの中にいるのか。で、あっちではしゃいでいるのがネメシスというやつか。
というか、大戦ってなんなんだ。いまいち情報が掴めない。
「五大魔神の皆様、悪魔王がお呼びでございます。」
「わかった。」「わかりましたー!」「了解。」
それぞれがそれぞれの返事をする。ん?でも、五大魔神って言ってるけど、なんで3人なんだ?
「アルロン様は現在戦闘中なので、後ほど誰かが伝えてもらえればとのことです。」
だんだんわかってきたぞ。今は戦争中で、アルロンというもう一人もやつもこの四大魔神の1員でこれから俺たちは魔神王のところへいくというわけか。
しかも、5人目はどこにいるんだ?よくわからん。
俺は、どういう状況になっているのかを掴みつつ、流れに沿って進んだ。
*
「我が尊き同士よ。よくぞ来た。おぬしたちに話しがある。後でアルロンにも伝えて欲しい。」
「「「承知しました。」」」
こいつが悪魔王か。デカイな。それとバリバリのおっさんということ以外なにも思わない。
「それで、話しというのはだな。我らは天使たちと組んで大戦を行うこととなった。何か異論はあるか?お前たちにも聞いておこうと思ってな。」
悪魔と天使が組むのか。正反対なイメージが大きいけど…
「異論はありません。我ら悪魔族はこれまで長年、天使族と貿易など、仲良くやってきたと思います。我々としても異論はありません。」
「ふむ。他になにかあるものはとことん言うとよい。」
「じゃあ、言わせていただきますが、一部の天使は俺たちと組んでやることを好まない奴らがいると思う。それについて王はどうお考えでしょうか。」
もう一人のやつが言った。やはりそういうのあるよなぁ。
王の顔色が変わった。やはりそこは気にしていたのだろう。
「そこは我も気にしているのだ。天使も我らと組むのにそこを気にしていてな、そこはお互い気をつけようという話しになっている。」
「それなら。」
「他には?」
「私からは異論はありません。」
ネメシスだっけ?異論なしか。まあこの王、気迫がすごいからな。
「それでは、最後にお主らにこれをやる。おそらくこれが王としての最初で最後の褒美だろう。活躍しているのにあまり用意できなくてすまない。」
「王もお忙しいのは我々も承知です。こうして王からもらえるというだけで我々もうれしいものでございます。」
おぉ〜。この団長、話すのがうまいな。
「では、これを。」
なんかすごい光が出てきてる。すごい量の魔力が体内流れてきている。
「これで終わりだ。」
「王よ、今なにを我らに…」
また口が勝手に動いた。慣れねぇな。でも、気にもなるな。ただすごい量の魔力が流れてきただけだった。
「今お主らにかけたのは転生のいざないだ。」
「転生…!」
転生のいざない!?こういうのは大抵天使がやるもんじゃ…
「王よ、どこでそんな魔法を?」
ネメシスだ。あまり戦闘に向いてなさそうだし、魔法系か?
「条件として天使族長にもらったんだ。まあ、4人分だが…」
4人分?つまりもう一人は死…んだ、のか?
「これでお主らは一度死んでも他のモンスターや人間や天使など、いろんな動物に記憶を持って、宿ることができる。」
「王よ、つまり我らは今、命をもう一つ得たと捉えてもよろしいのでしょうか?」
「ああ。そのままそういう意味だ。これから忙しくなるだろうが、我ら悪魔の平和のために尽力してくれ。」
いや、転生の意味くらい知っとけよ。今おまえらはこれ以上にないくらいに豪華な褒美を得たのだからな。
「「「ははぁ!我ら五大魔神!全力で悪魔の平和を守ります!」」」
「頼んだぞ。」
今見ているものはだいたいわかったが、大戦って相手は誰なんだ?まだわからないことが…
パチッ。ギギギーーー!
なんだ!?この世界に、ヒビ!?まさか、この世界は、この世界はーーー!
こうして、俺は目覚めた。意味もわからない変な“夢”をみて。




