表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者なんてやめて旅をすることにした  作者: じゅじゅ
5 さおき、半魔になった編
44/58

『最後の手段』

『お姉ちゃん!?』


『ええ。アミリエ、一言一句聞き漏らさないように。今私が憑依している体の主導権は実はまださおき?って人にあるの。でも、肝心のその人がまだ覚醒した状態だから、私が体の主導権を握れないってわけなの』


『じゃあ、さおきを覚醒状態から昏睡状態にすればいいと思うけど…』


『それができるならとっくにしてるわよ!』


怒鳴るように、言うネメシス。

そのさおきとアミリエの戦いを見ていた者からはすごく異様な光景を見せられていた。


「あの、なんですか?この戦い。剣を握っている腕が全く見えないのですが……透明化するスキルか何かを使ったのですか?」


さっきから千里眼でずっとアミリエとさおきの戦いを見ている有希が溜息を吐きながら言った。それをアルドラが溜息をついて返す。


「もっと目を凝らさんか。妾は驚きに今でも倒れてしまいそうじゃ。こんなに剣術がうまい人は、久しぶりに見たのじゃ」


有希が目を凝らす。すると、見えたのはーー


「えぇーー!!なんですか!?2人ともすごい速度で攻撃してますよ!腕壊れないんですか!?」


遠くから見ると、ただ腕が消えているように見えるが、さおきとアミリエは目にも止まらぬ速さで戦っていた。


「だんだんその衝撃が強くなってきてるわね……この結界も、長持ちはしなさそうよ。まったく、またさおきくんになにがあったことやら…」


「先輩になにかあったんですか?」


「そうよ。さおきくんが急に口から血吐いちゃって、それでリエちゃんがすぐに戻って防御体制を取れって。だから急いで戻ってきたの。まさか、こうなるとは思ってなかったけど」


近くの結界のヒビが入ったところを修復しながら、ウィクが溜息を吐く。


「先輩、大丈夫なんですかね…」


「それは、有希さんが一番わかってるんじゃない?」


有希は、ウィクが千里眼のことを言っているのだとわかり、再びさおきたちの戦況を見守った。


              △▼△▼△▼△


「もうっ…」


愚痴るアミリエ。そろそろこのさおきの暴走状態と対峙して結構な時間が経つ。

お互い、ずっと剣術一筋でやりあっていたため体力が非常に消耗していた。


さおきの中にいる自分の姉こと、ネメシスの言い訳は、


『今、なんとか記憶操作とかで覚醒状態を解こうとはしてるけど、すごく難しいの!箱の隅にはまったビー玉をビー玉だけで取り出すような感じ!』


意味のわからない比喩をつけられて、全く理解できなかったアミリエ。そもそも、彼女の集中力の半分以上が目の前のことにあったため、あまりネメシスの言ったことが頭に入っていなかった。


『あぁー!もう、急がないと、外でアミリエが頑張ってるし…』


そう呟きながら、さおきの記憶を読むネメシス。だが、今の問題解決につながるような記憶は一つもなかった。それでも、ネメシスは奥深くに黒い扉で閉まっている記憶を見つけた。


『これで最後ね…』


その扉に手をかけた瞬間、弾き出されてしまった。


『この記憶を絶対に覗くんじゃねぇ。俺は、捨てたんだ……もう…』


『うそ!?記憶の扉に抵抗能力はないはずなのに!』


今まで、読んできた数十万の悪魔も含めた記憶の中でも、抵抗されることは一切なかった。


『ありえない!どうして!』


何度も手をかけるも、試した回数だけ弾かれてしまう。そして、ついにその抵抗能力を怒らせてしまったのか、


『わずらわしい。どっか行け』


急に強い風が吹き荒れ、ネメシスが一瞬で飛ばされてしまった。と同時にさおきの体にも変化が起きる。


「う、うわぁぁーーーーーーー!!」


急に発狂しだしたさおきから再び距離を取る。さっきと比べて、ネメシスの魔力が増えたのに、さおきの意識が回復しつつある状態にアミリエは違和感を覚える。


(おかしい。普通なら、どんな種族の者にも絶対に持つ魔力の種類は一つのはず。なのに、なんでさおきの魔力はお姉ちゃんの魔力の濃度が高くなって…)


考えている暇もなく、また黒い竜巻がさおきを包みこむ。


(まさか…)


アミリエの頭に浮かんだのは今起こるうるさおきの体の状態で最悪の場合。それは、さおきが魔神化することだった。


実際に、さおきはそもそも闇属性の魔法の素質が高いこともあり、ネメシスとも魂が結合している。だからやろうと思えばネメシスの力を借りてさおきが魔神化できるのだ。でも、おかしい点がある。


(お姉ちゃんが了承を出すはずがない…)


憑依するには、憑依する体の主に許可を取るもしくは、その人に意識がない状態の2つが条件だ。魔神化するのも逆に同じ。だからおかしいのだ。


さっきまでネメシスは大至急でさおきの覚醒状態を解こうとしていたのに、ここにきてさらにさおきの言うことに従うはずがない。

だとしたら残るはもう一つの可能性なのだが正直なところ、アミリエはさおきにネメシスを意識がない状態まで追い込むなど無理だと思っている。だから、さおきがここで魔神化できる理由がわからないのだ。


「ーーっ!」


竜巻から繰り出される無数の獄炎の刃。それは全方位に放たれていた。


咄嗟に魔剣を使って防御するアミリエ。ここでさらに魔神化されると自分の負けが

確定すると言っても過言ではない。


「なんで…」


魔神化。悪魔族(デーモン)の上位種、またはある一定の強さである者しかできない悪魔族(デーモン)しか使えないスキルである。

それは、単純に自分のステータス値を倍増させる。一見弱そうに聞こえるがその単純が非常に強い。しかも、闇属性の魔法を強化させるスキルだ。


だが、さおきの場合は異例の中の異例だった。


(今、さおきとお姉ちゃんの魂が結合してるからお姉ちゃんの強さとさおきの強さの倍を足したのがこれから魔神化して得られる強さだから…)


計算してみるも、自分より上回っているため諦める。


「どうしよ…」


言わば、今のさおきの状態はなにもかもを破壊する暴走マシーンのような状態だ。


『お姉ちゃん!いる?いるなら返事してー!』


ずっと呼びかけているが、なかなか返事がない。やはりなんらかのトラブルがあったとみてよさそうだ。


「一か八か、やってみるしかない…」


竜巻が消えると同時に、アミリエがさおきに飛び込む。


精神侵入インベージョン


完全に投稿するのを忘れていたおバカです(18:00に出す予定でしたw)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ