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勇者なんてやめて旅をすることにした  作者: じゅじゅ
4 森にあった屋敷編
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4エピローグ『思い出はスケッチブックに』

「はぁ…なんとか着いたね〜」


すっかり日が沈んでいたせいで、暗い夜道を進むような空をほうきで飛びながら帰る。


暗くて懐中電灯もあまり役に立たなかったため随分時間がかかってしまった。


「先にお風呂入ってきますね〜」


「じゃあ私は荷物まとめとくね〜、って言ってもあんまりないけど」


各々、自分の事をしているが、俺はなにもしていない。ベットの傍らに座っていた。


「さおきくんもボォーっとしてないで、早くご飯食べに行くよ。有希さんは途中で合流するって言ってたから」


「お、おう」


俺はそのまま動かなかった。だが、足元に誰かのスケッチブックが落ちていたため、それを拾う。無意識に、それを広げていた。


なにも描かれていない真っ白なページ。俺は最後のページからめくっていることに気づくと、それをひっくり返して、再びページをめくる。


俺は、自分でも目を見開いてしまうほどの衝撃的なものを見てしまった。


「え?」


思わず呟いてしまった。そこに描いてあったのは俺と有希、だろうか。それでなんと俺が有希にキスしかけている。俺はすぐに有希が俺を探っていたのを告げたあとに俺がやり返したときだとわかった。


「どうしたの?ってそれは見ちゃダメー!」


リアが急いで俺からスケッチブックを取ろうとしたが、俺は腕を上に上げるだけでそれを軽々と回避。


「見た?」


「なんでこんなの描いんだよ」


俺はいつのまにか半笑いになっていた。


「いや、これは、その、」


「あー!それ、私とリエちゃんの力作ー!さおきくん、見たの!?」


俺がなかなか行かないせいで、ウィクが部屋に戻ってきた。


(いや、2人の力作なんかい!)


「二人とも、どうしたんですか?ってなんですかこれー!?」


風呂上がりで、バスタオルを巻いた有希が俺が持っているスケッチブックを見るや否や、すぐに破ろうとした。


それをリアが魔法で有希の手から奪い、それを俺がさらにリアから奪い取る。奪い合いが勃発していた。


その中に最終的にウィクが割って入ってきて、


「これは私が大切に持っておくから!有希さんも着替えて、ご飯食べに行くよ!」


ウィクが自分の亜空間にそのスケッチブックごと封印した。


「へいへい…」


俺たちは、結局先にご飯を食べに行くことはなく、有希が着替え終わってから食べに行ったのだった。


               △▼△▼△▼△

「はぁ〜。うまかったぁ〜」


そう呟きながら、ドアを開ける。


「随分遅い時間に食べてしまいましたね〜」


「そうか?俺はちょうどよかったけど」


有希の言っていることは間違ってはない。今は9時くらいだ。俺たちが食べ始めたのがだいたい8時40分くらいだ。


まあ、俺の腹があまり空いてなかったということもあるのだが…


しばらくして、


「今日はいろいろあったなぁ〜」


そう呟いて、ベットにダイブ。俺に続くかのように、有希、ウィク、リアが順番にダイブ。


「はぁ〜。このまま寝てしまいそうですね〜。まだ9時なのに…」


「まあ、いいじゃないか?もう向こう(現世)じゃないから」


「ですね〜。寝ますか」


「いいか?電気消すぞー?」


3人の了承を得たことを確認すると、俺は電気を消した。

目を閉じると、すぐに眠りに落ちてしまった。


            △▼△▼△▼△


「ん…」


目が覚める。あっという間に朝になっていた。左側にはいつも通り、リアがいる。だが、今日はもう一方にも温かい感触があった。


「まさか…」


振り向かない。なぜか振り向いてはいけないと身体中が信号を出していた。ウィクなのか、はたまた有希なのか。


頭をフル回転させて、どちらなのかを推測する。すると、昨日の有希の言葉を思い出した。


『今晩、楽しみにしておいてください…』


「……さおきぃ?」


目を手で擦りながら、リアが顔を寄せてくる。


「あ、おはよう…」


「んん〜おはよぉございますぅ…」


聞き覚えのある声が後ろからした。間違いない。


「有希、なんでおまえまで俺のベットの中にいるんだ?」


俺は体を有希の方に向けると同時にジト目を向ける。


「両手に花ってやつね」


ウィクも起きていたらしく、イスに座って俺たちの方を見ながら歯みがきをしていた。


「頼むから出てくれ…狭すぎる」


「なんで私に出ろって言うんですかぁ…」


俺が有希を押し出そうとすると、有希が逆にふとんにしがみつく。


「はぁ…有希、おまえもこれから毎日俺のベットに潜りこむつもりじゃないだろうな…」


「それは、先輩次第ですね!」


「俺なにか悪いことでもしたの!?」


「いいえ?先輩はなにもしてないですよ?」


「まあご自由にとしか言えないな…俺がなにか言っても有希はあきらめるつもりないだろ」


「ですね!」


眠気を飛ばしてくれるような笑みを浮かべる有希。俺はそれを地味にスルーしつつ、ベットから降りる。


その後、


「先輩は悪いことしましたよ。私をどうしようもないくらいに恋させたんですから…」


その有希の声は非常に小さく、隣に座っていても聞こえないくらいだろう。

そして、隠していたスケッチブックをベットの下から取り出す。


このスケッチブックに、有希が思い出して描いたノルナとナルナおよびさおきたちの絵があること、その次のページに摘んだ花の花びらが一枚ずつ貼られていることを誰も知らないのだった。


次から新章行きます!

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