『いきなりイノシシ討伐やらされることになった』
()はさおきがさおきの中にいるやつに話しかけている時と、さおきの心の声を表すときに使っております。ややこしいかもしれませんが、よろしくお願いします。
転生は、成功したのか?変な感じだった。まるで、他人の体に入り込んだような感じだった。
「さ…くん、さおきくん、さおきくん!」
目が覚めた。目の前には…
「さおきくん!よかった!起きたんだね!」
ウィクがいた。そんなことより頭が痛い。ひどい頭痛だ。
「あ、・・・ああ」
「大丈夫?」
大丈夫じゃない!痛くて死にそう。
「はい、これ飲んで!」
ゴクリ。
なんか変なもん飲まされた。
「ごほっ…がはっ!」
「それを速く吐き出して!速く!」
「ペッペ!」
なんかもう、薬かどうかわかんないようなものが出てきた。
「一体俺になにの飲ませたの!?」
しかも、やばいくらいに苦いし。
「鎮痛剤?まあ、正確にいうと異世界転生時にしょうじる、さおきくんでいうと死にそうなくらいのやばい頭痛を一瞬で抑える薬だね。」
「なんでこんなに苦いのさ!ていうかウィクは大丈夫なの?」
「私?私は大丈夫だよ。だって薬飲んだし。」
「飲んだの?」
「実際には飲んでないよ。さおきくんみたいに吐き出した。」
「もし飲んでたら?」
「転生ボーナス消滅してるところ。」
え?転生ボーナス消えるの?なんでそんな危ない薬が鎮痛剤になってるわけ!?まあ、それは置いとこう。
「まあいいや。ここってどこ?」
場所がわからないとダメだからな。
「えっとねー、どっかの小さい村。」
「もうちょい具体的に!」
「わかりません!」
「わかんないんかい!」
こりゃやばいな。場所がわからないとこれからどこに行くかわからないし。よし!じゃあ…
「ウィク、聞き込みをしよう。村なんだから、人はいるよね!」
「うん!さっき歩いてる人みたし。」
「ところでさ、今俺たちがいる場所って…」
「宿屋!」
「ありがとう。」
初めての異世界に俺は期待を膨らませて外に出た。でも、
「田んぼじゃん!」
そう、あたり1面田んぼだった。
「そうだねー」
「どうしたん?」
「いやー、こういうの実際に見たに初めてで…」
「とりあえず、あそこに見えるあの建物に行くよ!」
「うん…」
俺たちはその建物に向かった。その建物は村役場だった。
「勇者様、いかがいたしましたでしょうか?」
「すいません、ここってどこですか?」
受付の人が教えてくれた。どうやら、この世界は人間の住むところと、西の果てまで行けば魔王領があるらしい。
その魔王領は、止むことなく嵐が吹き続いており、行けば帰って来れないとのことだ。
ちなみに、今俺たちがいる人間の住むところは山が5つあってそれが正五角形の形をして並んでいるそうだ。
だから皆、山に囲まれた部分には住まず、山の外側に都市があるらしい。
「ありがとうございました。」「ありがとうございました。」
「あの、勇者様…」
「はい?」
「一つ、村のお願いを聞いていただけないでしょうか?」
お願い?まあ村全体からだし、聞くだけ聞いてみるか。
「なんですか?」
「実は、最近村によく大角イノシシと小角イノシシが出没する様になりまして、それで我々でも討伐はしているのですが、数が増えてきて我々の手には負えない状態にまでなってしまったのです。」
ふーん。そういうことか。つまり、俺たちに…
「そのモンスターたちを討伐して欲しい、ということですか?」
「はい。その通りでございます。」
手に負えないほどだから相当だな。時間もかかりそうだし…
「すいません、ちょっと…」
その瞬間だった。ウィクが急に割って入ってきたのは。
「やります!やります!」
おい!今俺なんて言おうとしたかだいたいわかってて言ったよな!
「せっかくあれがあるんだから試さないとダメでしょ!」
まあ、たしかに間違ってはいない。しょうがない。討伐してやるか。
「えっと…」
受付の人が困っていた。
「あ、やります。」
「ありがとうございます!」
「で、そのイノシシを討伐すればいいんですね?」
「はい。」
まあ結構単純だし、やってやるか。
「それでは。」
「お気をつけて。」
でもなー、どうするか。現在の所持品は剣が1本とちょっと軽く動きやすい服を着ているだけ。
ウィクも動きやすい服を着ているだけ。
「なあ、どうする?」
「スキル作って、ドーンってやってバーンってやってイノシシたちをぶっ飛ばせばいいんだよ!」
「じゃあスキル作ろっか。」
にしても、どうするんだ?使い方とか知らないし。
『おまかせください。』
(ん?誰?)
『もともとあなたの今の体に宿っていたものです。』
(じゃあ、精霊とか?妖精?)
『まあそういうものです。』
(あのスキルを扱える?)
『問題ありません。今のここ状況だと、水の魔法と氷の魔法を作れます。氷の魔法を作ることを推奨します。』
(じゃあ頼むわ)
『それでは、代償にここの田んぼの水100000Lを消費します。』
えっと…0が1、2、3…って10万Lもの水使うの!?
『それくらい使わないと永久に維持することができません。』
(でも…10万Lってこの田んぼのどのくらい?)
『田んぼ全部の水になります。』
全部!
(その被害っていうか、村人の受ける被害ってどのくらい?)
『そこは考慮しておりません。』
(いや考えろよ!)
『それを考えたらスキルなんてなにも作れません。』
(じゃあやっちゃえー!)
『了解しました。』
その瞬間、田んぼの水が一気に音もたてずに消えた。田んぼに最初からなかったかのように。
*
『完了しました。』
(で、えっと、使い方は?)
『自分で念じたものをそのまま具現化して攻撃や防御をすることができます。』
おぉ〜使えそうだね。
『あと、もう一つ魔力を消費してテレポートを作ることを推奨します。』
(なんで?)
『後にイノシシを討伐するために森のなかに入ることが予想されます。その時に迷ったら帰って来れないのでテレポートを使えばよろしいのではないかと。』
(そうだなぁ。まず魔力について教えてくれ。)
『そこからですか。わかりました。』
(今ちょっと俺見下されたよね!)
『気のせいです。そんなことより、魔力について解説します。』
(よろしく〜)
『魔力とは、パワーの源であり、それがなくなれば人やモンスターなど、誰でも死に至ります。』
(使い切ったら終わりじゃん!)
『ご安心ください。あなたとウィク様は使い切らないようにメーターをギリギリのところで封鎖しております。なので、魔力を使い切ることが原因で死ぬことはありません。』
(助かる〜。ところで、メーターって魔力を溜めるところ?)
『すこしは勘がいいようですね。その通りです。人によって魔力の量は違います。』
「さ…くん!、さおきくん!」
「ん?ああ、どうした?」
なんか急に別世界から元に戻った感じで変な感じがする。
「なんか田んぼの水が急に全部なくなっちゃったんだよ!」
なんだそんな話か。
「その水なら俺が魔法作るために使ったぞ。」
「え?規模大き過ぎない?」
「それじゃないと魔法を使い続けるのは無理だからって言われて全部使った。」
まあ確かに10万Lだっけ?あれだけの水が一瞬で何事もなく消えたらそりゃあ驚くか。
「もうちょっと待っててくれ。もうすぐ魔法が完成するから。」
「わかったー」
(で、さっきの続きを頼む。確か、魔力の量は人によって違うってとかまでやったはず!)
『記憶力もいいようですね。でも、あなたたちは余程のことがなければ魔力に困らないじゃないですか。』
ウィクがいるからな。あいつ、魔力が無限なんだっけ。なんでこいつが知ってるんだ?
(なんでウィクの魔力の量がやばいって知ってんの?)
『それは、ウィク様から溢れんばかりの魔力が漂ってくるからですよ。最初に感じたときはやばかったけど今はあなたの2倍しか出せないようにしてあるのでご安心ください。』
(いい仕事するじゃん!)
『ありがとうございます。ちなみにですが、あれをもし封鎖してなかったら、耐性のない人間及びモンスターは死に至る可能性があるありますのでご注意下さい。』
(なんで死ぬのさ?)
『それはウィク様の最初の魔力の量が溢れてすぎて次第に圧力に感じてくるからです。それを耐性のない人間及びモンスターは受けたら死ぬと言っているのです。』
(わかった。じゃあさ、魔力を分け与えるスキルとかはないの?)
『どうして?』
(あいつ、魔力の量がやばいから俺の魔力が少なくなったら分けてもらおうかと。)
『ふむ…』
(まさか、そういうスキルないの?)
『存在しないですね。ですが、あなたには魔法創作があるじゃないですか。』
(つまり、それで新しいスキルを作ればいいと。)
『ええ。作れますよ。大量の魔力を消耗しますが。』
(いい。頼む。)
『了解しました。』
「さおきくん、まだー?」
「悪りぃ、もうちょっと待ってくれ。」
「もーっ!本当にあとちょっとだからね!」
「はいはい。」
*
『完了しました。魔力を3000消費しました。』
(えっと、俺のメーターの容量は?)
『4000です。しかも死ななようにしてるため、3500です。なのであなたは今500しか魔力が残っていません。』
ん?なんか体が…重い…
俺はその重さに耐えきれず、そこに座ってしまった。
「さおきくん、どうしたの?」
ウィクが来た。
「魔法作るのに魔力を消耗しちゃって…」
『付与スキルを使用し、ウィク様に付与スキルを付与してください。付与スキルは、スキル1個につき300もの魔力を消費します。』
(急に割って入ってこないでくれる!ビックリするんだけど!)
『この状態で速くしないとイノシシ討伐できませんよ。まあ私がやるわけでもないので知ったことではないのですが。』
(はいはい。そろそろ黙ってもらっていいですか。)
『それでは。』
「そうだ、ウィク、これやるよ。」
俺はウィクに付与スキルをあげた。これはあくまでも付与なので俺の付与スキルのコピーをあげたと言った方が正しいか。
「なんか来たー!」
「それは付与スキル。それを使って俺に魔力を分けてくれ。問題ないだろ。」
こいつ、魔力が無限だからな。
「えっと、こうして、こうかな?」
光が俺に流れてくる。
『魔力上昇中、魔力上昇中』
(だから突然来ないでくれる!ビックリするんだけど!)
『知らせなきゃいけないことを知らせたまでです。』
たしかに…
『もうこれ以上入りません!』
「ウィク、もういいぞ。」
「止めるね〜」
魔力の大切さがよくわかった気がする。この気持ちはウィクにはわかるまい。
「よし!これも一応やるよ。」
「ん?」
俺は氷の魔法もウィクにあげた。
「おぉ〜また来た〜」
「使い方は念じたものを具現化して攻撃とか防御をする。以上!」
「あら簡単。」
そう、簡単なのだ。つまり、氷系ならなんでもいけるってことだ。
「そんじゃ、行くか!」
「レッツゴー!」
こいつ、英語もいけるのか。
こうして、俺たちはイノシシ討伐に向かったのだった。




