蛇足 『一方、そのころの各地は…』
さおきやアミリエたちがカレーを食べていたころ、世界も時間も止まることなくと動いていた。
ーキラドにてー
さおきが会ったルアンとレオンはさおきが倒したイノシシの記憶を元に研究を進めていた。
「相変わらず物騒な部屋だなぁ。」
俺、レオンは今エルドラド王国の王都の地下にいる。なぜか王都の地下に研究室を構えられるなんて、キラドも随分デカイ組織だよなぁ。
キラドとは、なにを目的に結成されたのかはわからない謎の組織である。その目的は幹部以上のものしか知らないらしい。そして、その5人の幹部の一人が今俺の目の前にいるルアンである。
「まあボスも太っ腹ってことだね。おかげで僕は研究室を手に入れられて満足だけどね。」
ルアンが右手に持った試験管を振りながらいう。あいつはいわば研究員のトップという感じだ。この組織は主に研究員と戦闘員に分けられている。俺は戦闘員で、幹部とはいかないがそこそこの地位をもらっている。
そんな戦闘員と研究員幹部がなぜこうやって一緒にいるかというと、俺たちは一緒にこの組織に助けられたから。俺たちは昔、スラム街にそこら中にいる捨て子だった。そんな中ボスが俺たちを救ってくれたからだ。
俺たちは2人でなんとか毎日飯が食えたらいいという生活をしていた。物を盗むのは当たり前になっていて、俺たちはそうしないと生き延びることすらできなかった。
そんな中、ボスに会った。ボスは俺たちを拾ってくれて親のように俺たちにやさしく接してくれた。飯を食わせてくれるだけでなく、学校など、教育も受けさせてくれた。だから俺たちはボスにこの返しきれない恩を返すためにこうして働いている。
「にしても、おまえはちょっとは部屋の整理をしろって。」
ルアンの部屋はひどく散らかっている。あいつが言うには全部研究道具らしいが、正直、全部研究道具とは思えない。
なんか変なおもちゃみたいな取っ手のついた剣まで転がっている。触ってみるとひどい。プラナチックでできている。これを実戦で使ったら即死だ。
「それには触らないで。それは魔力を宿した剣だったんだ。」
「で?捨てていいだろ?」
「ダメだ!それはあと少しで観察100日目になるんだ。5日後に捨てたければ捨てればいい。ただ5日後まで待ってもらいたい。」
ルアンが急に罵声を上げた。いやそこまでやる必要ねぇだろ。100日って。まあそんなこんなであいつの部屋は散らかっているし掃除もできない。
だがその分、あいつがボスに提出したレポートは毎回必ず1発で審査を通る。こんな風だがあいつは一応すごいのだ。そして今、あいつがなにを研究しているのかというと、
「いや〜、参ったなぁ。どうしてもわからない。この世に自分で魔法を作れる人が存在するなんてね〜」
そう。あの時の"さおき"とかいう少年だ。どうやらモンスターの記憶を解析したところ、魔法を作れるとかいうことが出てきたらしい。
今まで人の手で新たな魔法を作ることは不可能どころか妖精などの上位モンスターでもできないため、この世界にいるあらゆる生物ができないとされていた。だがもしあの"さおき"とかいうやつが本当に魔法を作れるとしたら大発見では済まされない発見となる。
多くの人が文明の発展が起きると予想しているが俺は違う。俺はもしそんなやつがいたらこの世界は壊れてしまう。つまり、秩序を乱してしまうのだ。そんなやつは迅速に排除すべきだと考える。まあこいつは絶対に研究心がさらに大きくなり、人体実験とかガンガンやりそうだ。
まあでもあくまでも記憶であるため、その研究はうまくいってない。俺にとってはいいことだけどな。任務が増えることだけはごめんだ。
「ねえレオンくん。この"さおき"って子。観察してみない?」
急にとんでもないことを言い出しやがる。ストーカーじゃねぇか。犯罪だぞ。
「ダメだろ。おまえ、ストーカーになりたいのか?」
「いや、僕が実際にあの子たちの後ろについて行くわけじゃない。」
「じゃあどうするんだよ。」
「前に言いましたよ。この組織は、幹部が5人いると。今まであなたには僕を含め、2人しか話してませんでしたよね。3、4、5人目の幹部を話しましょう。3人目は、冒険者ギルド潜入員幹部。その名は…」
このあと、俺はこの組織の持つ権力の大きさとしていることのとんでもなさに気づかされるのだった。
ー西の魔王領にてー
やあ。いや、はじめましてというべきかな?僕は【憤怒の魔王】エレボスだ。まあその名の通り魔王だよ。なんで僕が【憤怒】とかいう称号みたいなのがついているのかというと、昔に大事をやらかしたからなんだ。内容?ああ、僕は闇属性に秀でていてね、それで一人の闇属性に秀でている人間が僕に喧嘩を売ってきたから、返り討ちにその人間の住む国を滅ぼしてしまったってわけ。
僕の他にも魔王がいるんだ。【強欲の魔王】トート、【色欲の魔王】イシュタル、【暴食の魔王】エア、【嫉妬の魔王】エンリル、【怠惰の魔王】カーリー、【傲慢の魔王】ユーピテルだね。まあ7人もいるからそう簡単に覚えられないと思うけど、覚える必要ないから。
みんな僕と同じようにいらない称号がついてる。まあみんななんかやばいことをやってしまったんだよ。僕もだけど。
そんな僕らは毎月1回、集まるんだ。することといっても雑談とかだね。みんなそれぞれの国を持っているけど、みんな仲良くやってるし、貿易もしてるからなにも問題ないんだよね。
「来たか。」
まあそんなわけなんだけど、今日は何百年ぶりかも知らないけど真面目な話になるらしいんだ。しかも、エンリルからの。まあなにが起きても、僕らはみんなこの世界で最強と言っても過言ではないほどの強さだからね。
「ちぃーーーっす!」
「久しぶり。」
みんなが入って行く。もうすぐ始まるから今回はここまで。またいつか、ね。
ーおまけー
俺たちはカレーを食べ終え、風呂などにもきちんと入って俺は再びベットへ。ウィクが皿洗いを終え、何やら2人で女子会でもするらしいから寝てろと言われたから寝た。
ー翌日ー
「………」「…」
「……?」
なんか変な感覚だ。まるでなにかがあたっているような…
俺は眠かったがなんとか目を開けた。目の前には…
「!?」
目の前には長い銀髪とその小さな唇を持ち合わせている、そう。アミリエがいた。その思わず見惚れて触ってしまうようなかわいらしい寝顔をこちらに向けて寝ている。ここが勝負時だと俺は本能的に察する。なぜアミリエが俺のベットに入っているのかは別として、ここで俺がもし何か物音をたてた瞬間にウィクだけでなく、アミリエからにも最初から印象が悪くなってしまう!
「……」
なんとかまだ寝ている。だがこの寝顔がかわいすぎる!封印されているときはよく見えなかったがこうして間近でみるとすごいかわいい!ああ、どうしても触ってみたい!見た目から感じるプニプニしてそう感がすごい!
俺はなんとか自分の欲を理性で抑える。頭が今にも爆発してしまいそうだ。
「……んん…………さおき?」
アミリエが起きてしまった!どうする!どうする!
「むーやっぱりあったか〜い。」
また急に抱きついてきた。これは夢なのか?夢なのか?
「なあ、なんでまた抱きついてくるんだ?ついてきていいって昨日…」
「今までずっとあの箱にいた。でも、あの箱は温度調節バッチリだったのに夜は寒かった。だから温もりを求めてさおきのベットに入った。さおき、あったかい。」
まだ外が暗かったので、俺たちは続けて寝た。その間、アミリエがずっと俺のベットで寝た。
朝、ウィクに勘違いされませんように。




