少女の世界に色彩を
初投稿です。
小説などの知識はゼロで書いたので、よくわからない作品になっています。
趣味の範囲でかいていますが、
もし、この作品を目に止めて頂けた方がいましたら。
アドバイスなどを書いていただけると嬉しいです。
とあるマンションの一室。短い間だったが、彼と過ごした思い出の部屋。
嬉しいことも、楽しいこともあった。時には、ムカついてしまったり、少し悲しくなってしまうこともあった、そんな部屋。
今は、辺り一面、真っ赤な花びらで覆われている。
彼と初めて出会ったのは、いつだっただろう。
夏だったかもしれないし、冬だったかもしれない。
その時のことを、私はあまり覚えていない。
きっかけはなんだったんだろう。
いつの間にか親に捨てられ、いつの間にか
一人になっていた。
そんな私の世界は、常にモノクロだった。
多分、既に生きる事を諦めていたんだと思う。
別に死にたかったわけじゃない。
ただ、生きる理由がなかったんだと思う。
そんな時だっだ、彼に出会ったのは。
彼の最初の言葉には、驚いたなー。
だって
「君といつか、一緒に死んであげる。」
って言って手を差し伸べてきたんだもん。
でも、私は彼の手を取った。
きっと、何かに縋りたいと思う気持ちが、まだどこかにあったんだと思う。
それからの生活に、苦労がなかったと言えば嘘になるけど、それも含めて楽しい生活だった。
いつだったか私は彼の仕事について聞いた。
彼の仕事は殺し屋だということを知った。
でも、別にそんなことはどうでもよかった。
それを知ることで、彼との関係が変わる事は無いし、きっと彼もそう思っていたに違いない。だから話してくれたんだと思う。
しかし、彼がどんな思いで、仕事をしているのかを聞くことはできなかった。
いつも帰ってきた後の表情をみるに、きっとその仕事は、彼にとって辛いことなんだと思った。
最初は、いつもニコニコしていていると思っていたが、最近はそれが作り笑いだったことに気がついていた。
「結局、私からは何もしてあげられなかったけど…」
彼の行動ひとつひとつが私に意味を与えてくれた。
彼が掛けてくれる言葉一言一言が、私の世界に色を与えてくれた。
そんな、彼のことをやっと少し理解し始めたところだったのに。
「ああ…私、1人になっちゃった」
唐突な現実、それは私に、処理しきれない情報量を押し付けた。
「約束…守ってくれるんじゃなかったの?あの時の言葉は、嘘だったの?」
怒り、そして悲しみ。言い表せないような感情が心の中で、渦巻いているのがわかる。
「ねぇ…答えてよ」
世界から色が消えていくのがわかる。彼に出会う前の空っぽの私だ。
「私、これからどうすればいいの?あなたは、私の全てだったんだよ」
怒りは消え今は、悲しみだけが広がっている。しかしそれもだんだん消えていくのだろう。
「あなたが私を助けたんだから、責任、取って欲しかったなぁ…」
次第に閉ざされる思考の中で後悔だけが残っていた。
「でも、私も何もしてあげられなかったなぁ」
最後に、私にできることはなんだろう。
そう思った時、世界に色が戻っていくのを感じた。
部屋の真ん中には、真っ赤な花びらで覆われた男を包むように寝ている少女がいた。
彼女の寝顔は、幸せそのものだった。
読んでいただきありがとうございました。