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第20話 マウスの巣

 無線が入る。

『四時だ。四時にマウスの巣に侵入する。今36名あと4名を待つ』


 もう学者部隊は数に入ってないみたいだ。中国でもいなかった。とてもこの速度にはついてこれないんだろう。


 四時になった。来たのは二名だけだった。

『時間だ。これからマウスの巣に侵入する。砂嵐が吹く中の戦闘となる事を覚悟の上行って欲しい。では出撃』

 砂嵐か。それで見えなかったのか今まで150年以上。そして、正規戦闘員からさらに上のものだけ選別したのはこの為だったんだ。砂嵐の中機体を水平に保ちさらにマウスを撃ち落とす。難易度マックスな荒技だ。

 見えてきた。砂嵐が。一見自然のようだけどずっとあそこが吹き荒れている。時々自然の砂嵐がよぎる為に言われないと気づかない。

 視察部隊も報告がここだったから中を見にいったんだろう。何もなければ通り過ぎる。


 先頭が砂嵐の前まで来た。

 無線だ。


『全員無事で帰れよ。機体のカメラとヘルメットのカメラ共にスイッチを入れろ。では、突撃!』


 即席につけられたカメラをオンにする。この映像は世界中に伝わっているはずである。砂嵐の中に入る。だからヘルメットにもつけたのか。砂嵐では視界が悪いから。下を確認しながら下降する。先頭の部隊だろう、マウスを撃ち落とす音が聞こえる。いったい何体のマウスがいるか不明だ。まだ見えない。下で先行部隊がマウスを撃ち落としてくれてるからだろう。


 あ、マウスだ。すぐに撃ち落とす。

 次から次にマウスを撃ち落とすが、何だか違和感がある。マウスが攻撃してこない。どういう事だ? いつもならマウスの攻撃をよける為に動き回り、盾は余程の時用にととっておかないといけないのに。

「すみません。東出です」

『どうした?』

「マウスの様子がおかしいです。攻撃してきません。さっきからマウス一機と対峙しているんですが、全く攻撃してきません」

 ……。

 そうさっき攻撃をやめてみた。攻撃はいつでもかわせる状態でいるが、マウスの方は全く素通りだ。こっちに気づいている様子もない。

『南です。こちらも攻撃されてません』

 この南の無線を機会にみんなが報告する。


『攻撃やめ!』

 桜田さんには意を決する決断だろう。攻撃の音が止む。ただ砂嵐の音がするだけだ。もちろんマウスはいる。そこらじゅうに。

『攻撃されてもかわせるようにして、このまま下降するぞ!』

『はい』

 みんなの声が飛ぶ。

 下を見ると地面が見える。ここは砂漠の地下なのか盛り上がった山を掘ったものなのか、大きな円筒状になって上は砂嵐で守られてるようだ。

 先頭の隊員たちは皆着陸している。俺も習い着陸する。


 無線が入る。

『後続で来ている学者班。マウスの攻撃は一切ない。そのまま下降してください』

 どうやら科学者班もここまで来れたらしい。

『桜田先におりて様子を見るので他のものはいつでも攻撃に入れるように』

『了解』

 降りて着陸している者が答える。あれ? さっきの戦闘で落としたマウスがいない。周りを見回して気づいた。トラックを改造したような無人ロボットがマウスを拾い運んで行く。先を見るとバリバリと砕いて何か壊している機械に運んで来たマウスを放り込んでいる。バリバリと砕かれていた何かは落ちてたマウスか。あと一機いるマウスにトラックは向かって行く。トラックはマウスにしか反応しないのか。

 桜田さんはあたりを見て回っている。そろそろ全員着陸したようだ。

 39機の戦闘機セイヴァーが全て着陸してもまだ余裕がある。こんな広さいるんだろうか。

 写真で見たよりも鮮明に見えるここはまるでマウス工場だ。マウスがどんどんと作られて行く。多分古くなったか欠陥のあるマウスが落ちて来た用にあのマウス解体機があるんだろう。


 そこに無線。

『学者班下降開始します』

 今着いたのか。

 桜田さんの無線。

『危険はないようだ。撮影班の二人も降りて撮影を頼む』

『はい』

『了解』

 二人も降りる。俺も見たい! ここまで来たんだ。


『学者班着陸します』

『了解。すぐに降りて見て欲しい』

 桜田隊長がすぐに答える。早く何か知りたいんだろう。

 すぐに学者達の姿が見える。マザーコンピューターだうか巨大な機械を見ている者、さっきのマウス解体機を見るもの、もう落ちているマウスがいないからか動きを止めたトラックを見るもの、爆弾だと思われる緑色の物を見ている者、そして最大の関心はこのマウス製造機だろう。巨大な銀色に輝く筒が二本ならんでいてその間を結んでいる筒から弾け出るようにマウスが出てくる。このペースでは最初ここはマウスだらけだったはずだ。

 だからか、ここがやたらに広いのは。マウスを貯蔵しておくためにだだっ広いのか。ここは大量のマウスの貯蔵庫だったんだ。

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