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第11話 わかったことは

 翌朝、授業を二時限受けて、体育館に集まった。正規戦闘員だけではなく戦闘員も含めるのでかなりの数になる。残りの非戦闘員は教室で自習している。

 教師も青山先生以外にもたくさんいる。みんな戦闘員だから。


 ピー


 放送がはじまる。


『正規戦闘員、戦闘員、今日は昨日のマウスの襲撃の変化について報告がある。昨日のようなマウスの攻撃の変化は我が国だけでなく他国も受けた。被害を受けた国は我が日本を含めた二十三カ国で、いずれもその国の首都をマウスの襲撃と爆発で襲っている。我が国も首都の東京が襲われた。我が国は早い段階での爆発予想により正規戦闘員の被害が少なくて済んだ』

 ここでみんなが俺を見る。俺の司令部への無線を聞いていたんだろう。恥ずかしいなあ。

『だが、他の国は大きな被害を受けた国がほとんどである。しかし、この襲撃でいつもより多数のマウスが移動していたので、ある場所までのマウスの移動が観測出来た。今までどこから出現するかわからなかったマウスの拠点がわかればマウスを完全消滅させる日も来るだろう。受けた被害も大きいが得られた……ピー


 ん? なんだ?


 体育館がざわつく。


 体育館での放送が変わる。


 ウー! ウー!


 警報に。


 マジで連続過ぎるだろ。この襲撃!


『正規戦闘員ただちに戦闘準備をして下さい。今回は他の部隊の応援です。一部隊の応援ですが、マウスの数が昨日よりも増えています。東京都の全部隊に招集がかかっています。できる限り迅速に行動してください』


 この放送を聞きながら走って校庭に向かう。

 いつもと違う放送。昨日の襲撃時には他の区域にはこれが流れてたんだな。一部隊の区域はここからかなり遠い。なのに、いきなりの招集命令だ。昨日は段階を踏んで招集だったのに。それだけの数のマウスが来てるんだ。


 セイヴァーに乗り込み、上空へ。一時待機する。

 やっぱり遅い。戦闘員の多数の加入によりいつもの動きが出来ない。通常は訓練所だけでなく実技の訓練で乗り込んだりと正規戦闘員になったら訓練もより実技へ重点がおかれる。だけど、昨日追加されてまだ正規戦闘員として何も訓練を受けてない戦闘員がいるんだ、もたつくものしかたないが、そうは言ってられない。無線では一部隊の到着を告げている。

 ようやく全員上空へ上がったようだ。


『昨日正規戦闘員になった者! シュミレーションと変わりはほとんどない! 訓練通りやってくれ!』

 青山先生いつもにはない気迫だ。戦闘員上がりを多数率いているんだ、気合入れないとやってけないんだろう。

『元戦闘員は後ろからついてくるように! では一部隊の区域へ向かう』


 青山先生の機体のラインは隊長なので赤で、僕らは青色である。個々それぞれに区物がつくようになってはいるがすぐ見てわかるのは部隊長だけだ。今日の陣営はただ元戦闘員、つまり正規戦闘員に上がってきた者は後ろにいるって言う簡単な陣営だけど、今は仕方ない。練習も陣形の話もする前に襲撃が来たのだから。


 無線で次々に到着が告げられるがまだ開戦しない。どれほどの数のマウスなんだろう?


『マウスの数確認中ですが、予測は昨日の二倍。十五部隊揃い次第戦闘に入ってください。こちらで熱観測しています。変化があれば報告します』


 昨日の二倍だって! 十五部隊で囲い込めるのか? その場にいる部隊と接近真近な部隊長が囲い込みの作戦を練っている。部隊の数が近いところがその部隊の近い区域なので昨日と同じ北から一から順に並べると相談が決まった。


 俺たちはまだ到着しそうにない。

 そろそろ揃ってきている。開戦真近だ。


『21部隊焦るな。他は追撃部隊となる。着き次第逃げたマウスを追ってくれ。司令部の指示があり次第すぐにマウスの集団から離れるように』

 青山先生が無線をいれてくる。焦るな……か。先生が一番焦ってるんだろう。みんなの焦りがわかって焦ってる。この部隊で何ができるのかと。ただ追撃だったのはついている。陣形も何も関係ない。マウスをただ追いかけて撃ち落とすだけなんだから。

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