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story1
「ああ、...つまらないな」
その言葉は、俺の口癖だった。それは無意識に口から溢れ出てしまう。
何がそんなにつまらないかって、一言でいえばすべて。つまり人生。
そう、俺の人生はつまらない。
ナーガレット家。
ナーガレット家は、この国の医療関係の会社など、それらすべてのトップの存在。貴族だ。
この国の医療といえばナーガレット家、ナーガレット家といえば医療、だ。
俺は、そのナーガレット家の次期当主だった。
決められた将来。
定められた人生。
将来が安定しているのに、わがままなんて言っていられない。
言うつもりもない。
だが俺がしたいのはこんなことなのか?
否、そうではない...と思う。
つまらない、と言っているわりには自分のしたいことも分からない。
自分の考えを持っていないことを知らされるようで、これを考えるのは辛い。
...まあ、あったとしても自分の人生からは逃れられないのだが。
それでも、この人生に何か刺激を与えてくれるものはないのかと、
期待せずにはいられないのだった。
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閲覧ありがとうございました。




