第51話:講和条約と平和への歩み
今までご拝読及び支援してくださった方々ありがとうございます!無事にseason1を終えられました!長い文章は後回しにして、本編をお楽しみください!
そんな仕事がキリがない中でも2ヶ月はあっという間だった。
だがその間に自分と陛下は連邦の紅の城へと足を運んだ。
紅の城の通り、紅色の城でそのまま通され、国家来賓室という札がある部屋に入れられる。香りが凄くいい紅茶が出され、自分も陛下はこの先を待つ。
30分ほど待つと長く、綺麗なロングストレート金髪の女性……恐らくは鮮血の歌姫アイレアス・ノストリターンと国家首相が入ってくる。
「待たせたな」
「あぁ、かなり待った。このまま全軍に出撃命令を出すところだった」
陛下と総書記のバチバチとしたやり取りに首相も自分も冷や汗をかく。
「で、そちらの望む物は?」
「要塞線全域接収と10年間の不可侵条約……賠償金も要求したいが払えないだろ?」
「なんだ、我が連邦の財政状況も把握済みか……要塞線全域接収となると次の戦争が起きればいきなり本土決戦だな」
「じゃあ、レイヴァス。お前がやりたいことを伝えてやれ」
鮮血の歌姫は一瞬身構えるが、自分は優しく要求する。
「連邦の生産能力、国民インフラが回復するまで帝国が指導することです。前書記長の事です。食事も電気も水道も管理する人はいないのでは?」
鮮血の歌姫はその通りとため息を吐き出すように答える。
「だが、なぜ我が連邦の支援にこだわる」
「自分にも戦争の責任があるからです。誰も死なない戦争そんなものは現実的では無いです。だからこそ講和条約の後は助け合うのが道義かと」
「そこまで言われたら仕方ない。願ってもない言葉だ。受けようではないか。首相構わんな?」
「はい、わがくにの現状では受けるの最善策かと」
その後、陛下とアイレアスは犬猿の仲だと知り、ジョークだと分かりつつもバチバチしていた。無論自分と首相は不安で仕方なかった。
だが別れ際には……
「アイレアス。お前も一国を統べる者だ、民を守れよ」
「ミスレイアこそ、その可愛い侍従長に籠絡されるなよ」
そして、帰りの車では陛下は眠ってしまい、自分寄り添ってくる。
「陛下、お疲れ様です」
難航するかに思えた講和条約は想定以上に上手く行った。
1ヶ月後
帝国成立祭1500周年、帝国城も帝都も大賑わいを極めており、交通整理やら晩餐食の民間吸血鬼の手配などを済ませながら、自分は陛下と2人っきりだった。
「まさか、連邦が講和条約を飲むとは……」
「労働人口の半数近くが溶けたんだ。継戦能力は無いに等しい。さて、レイヴァスよ」
「はい、なんでしょう?」
「お前の血が吸いたい」
正直驚いた。あれほど不幸顔だから血は吸いたくないと言っていたのに……
「不幸顔治ってないですけど、いいんですか?」
「不幸顔は治ってないかもしれんが……お前は世界一幸せな侍従長であり、私も世界一幸せな吸血姫だ。さぁ、首を出せ」
そのままカプっと牙が刺さると優しさと温もり、快楽を感じて、陛下を抱きしめながら、頭を撫でる。そのまま2分ほどがすぎる。
「よし、レイヴァス!成立祭の主役の1人はお前だ!張り切って行け!」
「かしこまりました!女王陛下!」
すると陛下の私室のドアが開き、ヘルシア閣下も顔を出す。
「私だって主役だからね!」
まとめ役の陛下が最後に一言。
「我々3人の家族であり、王族が主役だ!そして平和の為に尽くした全ての者も主役だ!」
大広間へ、ゆっくりと姉妹2人の手を繋ぎ、エスコートしながら向かう。
1年近く前までは苦しくて仕方なかった。誰も信頼できない時もあった。今は違う。2人の姉妹と帝国の全てが自分の信頼の、責任の証だ。
吸血姫の執事は夜勤込みです season1 完結
こんばんは!黒井冥斗です!ついに、ついに処女作のseason1が完結しました!相変わらず日数とページ管理はガバガバでしたが…
さて、season2の予定では人間との戦争も始まるかも?みたいな構想くらいです。
そして黒井冥斗の次回作、「この少女、僕が買います」は明日の夜7時前後に投稿予定です!少年兵スリザイアの父から遺された技術と武器で様々な依頼や出会いに巡り会い、困ってる少女やお姉さんを助ける作品となっております。依頼人の大半は男性が多いですが成り行きで、精鋭ハーレム部隊を築いていきます!結構マニアックな銃や仕掛け付きの爆弾など自分が思いつくあらゆる内容を組み込んだ物になります。宣伝が長くなり、申し訳ございません。本当に本当に読んでくださってありがとうございます!今後とも黒井冥斗をよろしくお願いいたします!




