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第46話:星の運命と連邦の秘策

帝国城 女王陛下私室にて

やっぱり、星の運命はレイヴァスの命を尽きるのを意味している。私は涙がぽつりぽつりと垂れていたら、知らないうちに小雨くらいの涙を流し、嗚咽声を出しながら、泣いていた。

その時魔導通信機が鳴る。レイヴァス専用のコールだ。

「レイヴァス!大丈夫!?怪我とかしてない!?」

「陛下……落ち着いてください。大丈夫ですよ。実はその……えーともしかしたら死ぬかもしれないです……」

こやつは何を言ってるんだ?生きて帰ると約束しただろ。

「お前、私との約束を破るような突撃でもするのか?」

「自分にしか対応できない使命があります。精霊の聖者が要塞深部にいるとの報告を受けました。いくら精鋭部隊の民間人でも対応はできません……」

精霊の聖者……下位の神の存在とも言われ、今でこそ自然現象という言葉が生まれたがその前までは精霊のお陰だと思われていた。そして精霊は実在した。

人類と吸血鬼覇権戦争において精霊術を行使する人間が燃え盛る剣で次々と吸血鬼を焼き殺したと。

「レイヴァス……お前……お前にしか勝てない相手だとは分かっている。だがエルメンド騎士団長でも対抗出来るはずだ!なんなら私でも!」

「陛下……精霊の聖者は精霊王の力を有する事をお忘れですか……?」

「んなっ……なぜお前がそれを……」

精霊王、吸血鬼を喰らい、自らの魔力とする吸血鬼の悪夢の象徴だ。

「自分が図書館通いという事を陛下がお忘れだったとは……意外でした」

「わかった……カルイア王族の血を引くお前なら乗り越えれる。いいか?信じているぞ!死んだら冥界に私1人でも迎えに行くからな!」

と私は怒りと理性の狭間で通信を切る。

「バカっ……あの大バカ侍従長!1人で戦う必要は無いと言ったのは誰よ!……」

落ち着くために深呼吸を数回する。もはやこの手しかあるまい。

「あれも手配しておかねばな」

陛下は私室の金庫を開けると青色の液体の入った瓶を取り出す。そして、部屋のドアを開けて、警備のエルメンド騎士団長に声をかける。

「おい、エルメンド聞いていたな」

「はい、事情は把握済みです」

「これをあの大バカ侍従長に届けろ」

「こ、これは……!?」

「鬼王の執念だ。代々各国の王になった吸血鬼の血液を入れて混ぜた物なのは知っているな?」

騎士団長は知っていますが、効力に関しては……と引き気味に答える。

「吸血鬼の王族の血を引く者なら誰でも身体能力を大幅に上げ、英霊の加護をもたらす。これなら蘇生は出来なくても精霊王の本気の一撃なら耐えれるはずだ。軽い攻撃なら無限に回復できるだろう。レイヴァスには必ず戦闘前に使えと伝えておけ、いいか?」

「かしこまりました!」

すぐにエルメンド騎士団長は魔導通信機で配達要員に連絡し、準備を整える。

同時刻連邦軍要塞線深部では

「この要塞が陥落するのも時間の問題ですかねぇ?議長」

薄暗く、節電中の灯りは本当に戦時下を想起させる。彼らは本当はシガレットや葉巻を吸いたいのが本音だが、それすらも無い。補給線が地下通路1本に限定されるとこういう弊害もあるのだ。

「議長の私としては精霊の聖者殿、貴女のお力をお借りしたいです」

白い高位な修道服に身を包んだ女性は顔を隠し、灰色の髪だけを見せて答える。

「ふふっ、精霊達が魂を欲しがってる。死んだ者の魂を好きに使ってもいいならカルイアの王族くらい大したことないですわ」

「好きに使ってもらって構わない。それで作戦本部長は何故足を机の上に置いて、陽気口調なんだ?」

「だってさぁ、精霊の聖者と言えば単独で戦局をひっくり返すんですよ?我々が何百師団投じても叶わない願いを叶えられる。面白くないですか?」

議長は頭を抱えながら、兵站参謀長にも問い合わせる。

「現在我が軍の残存戦力は300師団ほど。明日追加で10師団来ます。まともな武器や機甲兵器を持つ師団は3個ほどで要塞内の司令部系統の護衛付かせてます。食料や水に関してはある程度は持ちますが……厳しいのも事実。弾薬はあれど、銃器は先ほどの3個師団以外は1/3の値段でも誰も買わないでしょうね」

議長は本当ならコーヒーが飲みたかったが、水しかなく、水を飲みながら、コップをドンッと叩きつける。

「本国からの支援援助はどうなっている!?」

兵站参謀長は落ち着きながら答える。

「鮮血の歌姫総書記がなんとか手筈を整えてます。なんでもトラント連合国に武力行使の警告を立てて、貿易するらしいです」

議長はもう水を飲む気力も無くなり、めんどくさそうに答える。

「国内総生産の8割を兵器に回してるのに貿易なんて無理だろ」

「同意です」

兵站参謀長も諦めながら絞り出す。

すると作戦本部長が精霊の聖者に声をかける。

「ねぇ、聖者さんって彼氏とかいるの?」

場の空気が凍りつく。議長はこいつを不敬罪で射殺しようしたが聖者はクスクス笑いながら答える。

「死者が彼氏よ」

「じゃあさ……俺の力使ってみる?」

周りが困惑する。するとまた聖者はクスクスと笑いながら答える。

「あなたの趣味でやってる死霊魔術?そしてその結果の死霊集め?」

「そうそう〜流石オカルトさんだね。あともう1つ……人間の絶対的殺戮『ヒューマンオブマーダー』の力もあげてもいいよ」

議長が何の話だ!とキレてる中で2人だけで最期の言葉を交わす。

「聖者さんさぁ、俺の命と研究結果の代わりに……妻を聖霊として生き返らせてよ」

「愛妻家なのねぇ〜。あら、あなたの周りに寄ってるわよ」

彼は当然、僕の心を変えた存在だからねとしか言わない。

「じゃあ実行するわよ。……精霊王に銘ず、精霊の聖者アイリオーンの名において彼の命、そして成したことと引き替えに妻リアーヌを愛の精霊として蘇生せよ」

「ハハッ!妻が見える!愛してるよ……俺の嫁……」

彼は息を絶えるように力が無くなり、椅子から転げ落ちる。

兵站参謀長も議長も驚きの言葉しかなかった。

「さて、まずは……レイヴァスというカルイアの王族の魂……欲しいわね」

彼女の瞳を見た議長と参謀長は確信した。こいつはヤバい。怒らせたり、調子に乗らせれば命はないと。精霊の聖者が去った後2人は兵站参謀長のスキットルに入ってた蒸留酒を二人でやけ飲みをして必死に忘れようとした。


こんばんは!黒井冥斗です!まずはご拝読ありがとうございます!

ついに精霊の聖者が本格的に出てきましたね。この絶望的な戦況と強敵の中でレイヴァス本人を含む、レイヴァス戦闘軍がどうなるか乞うご期待!

あと今晩早めに投稿したのはゲームしたい方もいるかなと思って早めに投稿させてもらいました!もし会話のネタにでもなれば幸いです!

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