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第37話:レイヴァス戦闘軍と呼ばれた精鋭部隊

開戦予定日

年末年始の休憩などは無く、小雪が舞う中で帝国軍統合参謀本部の大会議室では、自分がレイヴァス戦闘軍司令官として、海軍からはヴァルツ海軍元帥とラインルート准将、陸軍からはドルヴォーフ陸軍元帥と、初顔の陸軍作戦研究団団長ジーニア少将がおり、軍務省からは作戦局の幹部と戦争大臣、そしてドレイク参謀元帥が集まり、陛下はよほどの事がない限り口出しはしないつもりでいるという条件のもとで参加した。吸血鬼は基本寒さを気にしないらしいが自分はほぼ人間なのでコートを着てでの参加で温かいコーヒーを頂く。

「……以上の通り、我々海軍は速やかに連邦の補給拠点を対地砲撃後、最大船速で工業地帯を踏みにじります。と同時に輸送艦の護衛に3隻出来た白桜級の1隻と駆逐艦6隻を護衛につけて、レイヴァス戦闘軍の支援に回り、援護する覚悟であります」

ドレイク閣下は頷き、視線をドルヴォーフ閣下に向ける。

「陸軍としては現在260個師団計270万名が戦闘可能水準まで引き上げれました。しかし……正規兵と比べたら質は落ちます。要塞線付近に張り付け、向かってくる連邦兵を狙い撃ちにするのが得策なレベルかと。レイヴァス戦闘軍指揮官レイヴァス特務中将、そちらの練度は?」

いよいよ、自分の番か緊張で震えながら、久しぶりに飲む普通のコーヒーで心を落ち着かせる。

「ハッキリと申し上げますレイヴァス戦闘軍は地上作戦部隊の中でもつい数ヶ月前まで新聞記者や野菜売りだった者達が……単独で小さな塹壕に乗り込み、制圧出来るほど練度まで上げられました。さらに聖夜祭で各財閥とのコネクションも確立し、塹壕制圧散弾銃や持ち運び可能な軽機関銃など最新型の兵器を多く揃えれました。100個師団の戦力ですが正規軍と比較すれば150個師団並の戦力を発揮できるかと、そして訓練もろくに出来てない連邦軍と比べれば300個師団近い兵力差をつけれるかと。ご質問があればどうぞ」

やっぱりと言うべきか作戦局が書類を投げ捨て、怒鳴り散らかす。

「そんな夢物語があるか!誇張表現で100個師団を失えば大損だろ!!さらに言えばそれだけの最新兵器も……」

自分は気にせず、腕時計を見つめている。あと3、2、1……

突然窓ガラスが割られ、同時に素早く全てのドアが蹴破れ、銃を持った民間人だった兵士たちが窓とドアからの同時突入を行い、その動き、その技量を作戦局に示した。彼らが持つ武器も無骨さはあれど、確実に動き、殺ろうと思えば殺れるのは見た目だけでわかる上質さだった。

陛下には事前に伝えてあったので陛下は楽しそうに笑っていた。

「さて、作戦局諸君。レイヴァスの部下がどれだけ優秀か分かっただろう?彼が望めばさらにこの統合参謀本部を数十名で制圧も出来る」

最近顔に泥を塗られてばかりの作戦局もここまでされたら、もはや反論の余地すらない。

「勝手にしろ!大臣、行きますよ!」

大臣はこの状況でも葉巻を吸いながら自分の部下たちに目をやる。その目には希望の光や部下を褒める余韻など無かった。

「俺はここに残るよ。お前らでも帰れ」

「は?大臣何を!?」

大臣はまたしても葉巻に火をつけようとするが窓ガラスが破られ、ライターの火がつかず、舌打ちしながら答える。

「この戦争の最大の責任者の1人の俺が、レイヴァス戦闘軍の訓練をを見てなかったと本気で思ってるなら人事部は見る目がなかったな。レイヴァス戦闘軍は事実上我が国の戦略的最重要部隊の一つだ。俺としてもレイヴァス特務中将に依頼されれば可能な限り気持ちに答えるつもりだ」

そう、自分は開戦予定日のこの日まで、吸血鬼の身体の成長や効率的な軍事訓練をヘルシア閣下と帝国最精鋭の特殊部隊ゴースト・イーグル戦闘団の幹部と共に、夜勤どころが徹夜で訓練プランを考え、吸血鬼の心を揺さぶる言葉を見つけ、現場に叩き込んだ。「愛する者の血が飲めなくなってもいいのかと」その言葉を聞いた兵士たちは、風邪をひきながらも訓練に励み、10名ほど離脱したがほぼ全員が正規軍より強い力を得た。

するとジーニア少将が質問する。

「レイヴァス閣下恐れ入ります。まさかこの短期間でこれほどの部隊を作れるのははっきり言って才能です。だから問います、要塞は制圧しますか?」

この質問も想定済みだった。これの答えを得るため、ヘルシア閣下にお兄ちゃん頑張って!と言われながら駒を動かし、戦略学……それも最新の物を見て学んだ結論だ。

「塹壕制圧散弾銃と軽機関銃部隊を中心とした軽歩兵精鋭師団20個、でこちらの面から攻めて、制圧できなければ諦めます。撤退ラインは6割損です」

またもや作戦局が文句を言い出す。うるさい連中だと思いながらコーヒーを啜る。

「そんな優秀な戦力を6割損させて撤退など言語道断!せめて2割損程度にするべきじゃないかね?お前の大切な優秀な兵士ならそれくらい当然だろう!」

その時だった。自分が反論しようとしたら、窓から突入した実際に要塞制圧実行する隊員が語る。

「作戦局幹部殿、私もその要塞戦に行く一人です。6割損は中程度の危険度と高い利益を得るためにやむを得ないと我々は確信しております。恐らく3割は溶けるでしょう。私もその1人かもしれません。ですが我々には愛すべき存在の為に命を賭ける覚悟があります!」

「下っ端の兵士が言う事では……!」

「もういい。作戦局局長。お前にはガッカリだ。現場を見ない典型的な無能上司、それがお前の新しい役職だ。さっさと帰れ」

大臣はかなりキレており、周りが怯える中で陛下だけが楽しそうにしていた。

「はっはっはっはー!流石だな戦争大臣、いや、戦略大臣に改名すべきか?」

「陛下、俺はただこの国でのんびりと酒とタバコを楽しめればそれでいい」

陛下も健康には気をつけろと優しく付け加えた上で最後にヴァルツの1番弟子のラインルート准将に意見を求める。

「この作戦は必ず成功します。いや……させてみせます。戦力差4倍以上を覆す歴史的戦争になるのは間違いありません。そしてその戦場に不滅の金字塔と共に、我が国の国旗が立てられるのは時間の問題であります!」

「よく言った!それじゃあ諸君、民の命を差し出して行う大戦争である以上こちらも脱水死するくらいの汗を流し、指揮官としての務めを果たせ!」

「「「はっ!」」」

そのまま自分は陛下と共に港まで送ってもらい、陛下に1つ頼み事をする。

「あの、生きて帰るつもりですが、帰ったら血を飲んでもいいですか……?」

すると陛下は笑顔で応える。

「あぁ、当然だ!」

最後にすごく身長差のある抱き合いをしてから自分は白桜級決戦戦艦「白桜」に乗る。いよいよ、開戦か……世界はどう見ているのか気になる中での戦争に、自分は勝機を勝ち取らなくてはならない。

ご拝読お疲れ様です!黒井冥斗です!

最近ラー油がマイブームで何にでもかけます炒飯に、野菜炒めに、生姜焼きまで。辛党化したのかストレス影響下なのかは判別不能です笑

さて、いよいよ、吸血姫の執事シリーズシーズン1はついにルビコンは超えたと言っていいでしょう。レイヴァス戦闘軍の練兵訓練は設定的には短期間での合法的な薬品や栄養源、高度なトレーニングと恐怖で無理やり、鍛え上げた感じですね。

さて、要塞線と連邦軍との戦いはどこに向くのか。乞うご期待!そして面白ければブックマークと評価は大変励みになります!それではまた、白桜級で

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