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第32話:1ヶ月で100個師団を教育の命令

レイヴァス戦闘軍、それは現在我々帝国と猛烈に仲が悪い連邦の要塞線を海上から先回りして、逆上陸して挟み撃ちにする超重要な部隊だ。

そして今、駄メイドだが優秀という何とも言い難いミラエスメイド次長に一服盛られ、目が覚めたら、このほとんど倉庫のようなレイヴァス戦闘軍会議室におり、6名の指揮官にアドリブで演説をして、各部隊からの報告を聴き終わった直後だった。

「「「では、我々は訓練閲覧のため失礼します!!」」」

6名は徹底的な軍事戦略学を叩き込まれたエリート連中だ。そんな人員がいるなら自分は不要だろうと思わずを得ない。

「はぁ、陛下に会いたい……」

すると木のドアがガチャと開く。

「呼んだか?」

「ハハッ……幻覚が見えてる……」

陛下はお気に入りのナックルを握り、拳を見せる。

「なら、治療せんとな」

「陛下だ!もう何ヶ月もお会いできないと思ってましたよ!というよりここはかなり危険な地域なのでは?」

陛下は今ひとつ話が通じてないようだった。

「お前……ここがどこだがわかってるのか?帝国城の元物置だぞ」

ミラエス……まさかお前……薬盛った理由の一つが……

「ププフ……クスクス……レイヴァス閣下は素直なので上手く遠くに来れたと錯覚できるとハーハッハッハッハー」

ミラエスはこれまで見たことないくらいに楽しく笑ってる。

陛下も釣られて笑っており、「やるではないかミラエス!ハハッ」と賞賛までしている。

あまりの羞恥と怒りで、ヤケクソで陛下を抱きしめる。

「おい!貴様!」

「本当に……本当に会えないと思ったんですよ……」

抱きしめていたら、涙が出てきた。

「陛下ぁ……もう意地悪しないでください……」

陛下は自分の顔を見ると本当に寂しくて苦しかった事を察してくれた。

「ミラエス、当分この不敬者に優しくしてやれ」

「かしこまりました」

自分は陛下を離せなかった。多分自分は陛下の事が好きだ。どんなに無茶ぶりをされてもそばに居たい。そんな大切な存在今までいなかった。だからこそ脳が混乱しているのだろう。

「よしよし、すまなかった。私も反省しているから離してはくれないか?」

「もう……離れないと約束してください……」

「無理だ」

心の中でなんで!?という言葉が出たが、落ち着いてきたので陛下を離して、理由を尋ねる。

「明日から人鬼トップ7会合に参加する。国家元首しか入れないからお前は連れて行けない」

「どこで開催を?」

「今はどこの領土でもない旧カルイア王国の中立地帯だ」

自分は胸を撫で下ろし、息を深く吐き出す。

するとヘルシア閣下もこの部屋を覗いてくる。

「レイヴァスお兄ちゃんこんにちは!お姉ちゃんが居ない間は私が女王代行だからよろしくね!」

あぁ、愛らしく、健気で素直なヘルシア閣下が可愛らしい。

「私が代行の間に新兵訓練終わらせてね!期間は2週間!お兄ちゃんの頑張ってるところしっかり見るからね」

ハハッ……ヘルシア閣下は姉以上の鬼かもしれない……

「夜勤確定だなぁ……」

「ヘルシア、無理を言うものではない。1ヶ月は執行猶予を持たせてやれ」

ヘルシア閣下はお姉ちゃんには逆らわず、純粋にうん!と答える。

「1ヶ月でも間に合わなかったらレイヴァスお兄ちゃんの血を全部吸っていい?」

は?この妹様は何を仰ってるんだ?

「いいぞ〜私も飲むからな」

そして何故、女王陛下も認めてしまうんだ?

「余った血は私の方で加工します」

メイド次長も何言ってんの!?

「うむ、決まりだな。練兵期間は明日から1ヶ月期待しているぞ。レイヴァス侍従長兼特務中将閣下」

王族の悪魔姉妹が去ると自分は頭を抱える。1ヶ月で新兵訓練なんて前代未聞だぞ……なんなら新兵訓練なんて……待てよ、この前のヴァルツ閣下の言葉を思い出せ……ゴースト・イーグル連隊戦闘団も指揮下だ。彼らと正規兵で訓練すればもしかしたら間に合うのでは!?

「閣下は顔に出るタイプですね。ポーカーしたら大損しますよ」

「顔に出るって言うことは裏を返せば誠実の証さ。とりあえず新兵訓練の計画表を作ってくるから執務室まで来てくれ!」

「承知しました」

自分は侍従長執務室というもう帰る事は無いと思ってた部屋に入り、早速各戦闘団団員の編成と正規兵の数を調整しながら100個師団という莫大な民間人の訓練計画を練る。

5時間ぶっ通しで計画を立てて、ミラエスに各部隊長に伝えるように報告。

そして寝る……わけにはいかない。次の仕事は侍従長としてだ。なんだか久しぶりに感じる侍従本部に軽々しくドアを開けるとハレルオン副侍従長を始め、カリーナ警護兼侍従も皆笑顔で迎えてくれる。

「閣下、レイヴァス戦闘軍の件聞きましたよ!凄いじゃないですか!」

ハレルオンがワクワクキラキラ顔で尋ねてくる。

「だいぶ酷いことされたけどね」

「閣下は戦争自体反対派ですもんね。何なら城内の者の大半が戦争を嫌ってます」

当たり前だよ、あんな非生産的な行為。と自分が言った瞬間だった。外交省との連絡係の侍従が血相を変えて扉を開ける。

「急報です!ヴァルンデッド連邦の書記長が亡くなり、総書記として鮮血の歌姫アイレアスが着任したと!!」

鮮血の歌姫……学校で習った通りなら覇権戦争時代に人類軍最強の大隊を単独で殲滅したという……まさに殺戮の姫様だ。もはや一刻の余地もない。新兵訓練計画が上手くいくことを切に祈るばかりだ。

こんばんは!黒井冥斗です!ついに週末!そして晩御飯はハンバーグ!いっぱい食べて元気な身体を作りたいものです。

最近執筆のし過ぎで脳が疲れ切って、寝ていると途中で目覚めるという少し危険なラインに入ったので今日は2話投稿とさせていただきます。

自分がレイヴァスならこのめちゃくちゃな師団の錬成なんて嫌すぎますね。血を吸ってもらって楽になります。

さて、このレイヴァス戦闘軍は今後も出てくるのでしっかり覚えてください!ちなみに次の話では彼らの軍事能力が明らかになります!それではご拝読お疲れ様でした!

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