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第3話:任命式ってなんだっけ?そして迫る影の聖騎士達

任命式当日、昨日の疲労が全く取れない中で、着たことの無い燕尾服と勲章を着けられて、ミスレイア陛下に忠誠を誓う。

それが本当の流れなのだが……

「あのぉ……?陛下?何故自分の膝にお座りになってお食事を?」

陛下は不思議そうな顔で答える。

「私がお腹すいてるから食事しながらの任命式よ」

「でも自分食べれないのですが……」

またしても不思議そうな顔で陛下はとんでもない事を言い出す。

「主役は最後に登場って言うでしょ?だから皆が食べ終わったら食べてちょうだいね」

超絶意味不解釈だったがまぁ、食べれるならいいやと思い、陛下が膝に座っているとその温かさと柔らかさに心無しか落ち着く。

30分ほどで任命式という名の会食が終わり、陛下から一言頂戴した。

「これからもよろしくね。あと近いうちに服を見ようと思うから予算の確保お願い。じゃあね〜」

「……はい……」

一人で食事をしていると、美味しさのあまり、感動してしまい、肉料理や魚料理、計10種類を心ゆくまで楽しんだ。人間の来賓もあるとの事で人間の料理専門のシェフも居るらしく、暇を見つけては教えてもらおうと思った。

するとドアが開き、やつれ顔の侍従達が食事に来た。

「侍従長……凄い大雨ですね……しかも雷まで……ハハッ……」

「侍従長ぉ……雪って暖かいんですね……」

疲れで皆おかしくなっている。侍従長として部下を慰労せねば!部下の信頼を勝ち取る事が上司の必勝法だと本で学んだ事がある。そしてそれを実現させるのも上司の務め。

すぐに厨房に入り、血液を用いた料理は作ったことがなかったが血液ドレッシングのサラダや血と肉汁たっぷりハンバーグ等を作り、部下達は目を輝かせて食べ終わる。

口に合うか不安だったがとっても美味しかったようだ。その証拠に……

「あれ?天気変わってますね」

「そう言えば雪が暖かいわけないよな」

どうやら正常に戻ったらしい。ちなみに今は快晴で夏だ。

そして定時の侍従長会議が開かれ、自分を含めた計11名が会議をする。と言っても侍従達は物腰が柔らかく、人間で突然侍従長になった自分をすぐに受け入れてくれた。

「では、ミスレイア陛下から服の予算の確保が依頼されているのでそこをまず解決しよう」

副侍従長のハレルオンが挙手し、発言を求める。

「その点はご心配なく、憲法上陛下が現在私的にご使用できる金額は100億リレンになります。侍従長の住まわれた国のルビアで例えるなら今の為替だと200億ルビア程度ですね」

え……羨ましい。そんな金があったら……でもそんな金がなかったからここでの出会いがあったわけだ。まだ本当に3日しか経ってないが大変だが居心地は良い。

「私からもよろしいでしょうか?」

警護侍従のラミーナ隊長が質問する。自分は構わないよと言うと僭越ながらと付け加えて……

「私ファッションに疎いので侍従長閣下に陛下のお召し物選びに行ってもらいたいのです!」

可愛らしい女の子のラミーナ隊長だが服に疎いとは意外だった。

すると他の侍従達も頷く。

「え?そんな酷いの?」

自分の質問にハレルオン副侍従長がため息混じりに答える。

「酷いってレベルじゃないです……あの服装でデートされたらドタキャンしますよ」

「ラミーナ隊長、それは比喩とかでは……」

「過去に4回ほど……」

なるほど。ラミーナ隊長は顔は良いが、あと髪も良いがファッションが壊滅的らしい。逆に見たくなるがラミーナ隊長への心を考え、抑える事にする。

「分かった。お召し物選びには自分が。他に課題とかは?」

急に顔が変わったラミーナ隊長が「重要案件です」と付け加えて言ったので、自分は部屋の入室禁止のランプを付けて会議する。予め図書館で勉強しといて良かったと心から思った。

「帝国国家保安局対外諜報部によると反吸血鬼派勢力通称パラディンズと呼ばれる勢力が人間領域内で増えており、国内でも数名確保しました。捜査には非協力的でした。侍従長のお住まいの地域ではどうでしたか?」

思い返せば、村に来てはパラディンズに入って裕福になろう!という言葉を宣伝してたな。

「農村にいた頃に集団でパラディンズに入って裕福になろう!とかって言ってたくらいしか……」

何故裕福になれるのかが分からない。推測だが吸血鬼達の奴隷化を進める方針なのはなんとなくだが分かる。

「パラディンって確か聖騎士という意味でしたか……我々を悪魔か何かと勘違いしてる可能性もありそうですね」

副侍従長がボヤっと呟く。

少なくとも自分の中ではミスレイア陛下は小悪魔認定している。

「とりあえず他に報告が無ければ、各自仕事に戻って大丈夫。ラミーナ隊長は帝国国家保安局との情報交流を引き続き進めてくれ」

そして蜘蛛の子を散らすよう全員が机に座り、仕事を行う。印鑑を押すか押さないかがほとんどの仕事だが……


第3話になります!パラディンズ、なかなか不穏な要素が出て参りましたね。パラディンという言葉聖騎士を意味すると知ったのはお恥ずかしながらつい最近の事で、イラストの練習資料に書いてあったので覚えました。

2話分のペースで投稿するのもありかなと正直思ってますが読む量が増えるのも考えものなので少し検討させてもらいます。軍事戦略に期待してる方はもう少しお待ちください!あと数話くらいで本格的な軍事戦略が始まります!

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