繋ぐ手はお互いに赤く震えていて、 白い息とはまるで対照的だった。
目を腫らして泣いている
その姿が痛ましくて
僕は悲しくて
そっと羽織っていたコートで
隠してあげることしか出来なかった
通り過ぎていく余所者を遠ざけて
手を引っ張り誰もいない
思いっきり泣き晴らす所を探し求めた
その冬は
タイミング悪く
凍てつくような夜が
帳を下ろしていた
繋ぐ手はお互いに
赤く震えていて
白い息とはまるで対照的
必死になって
訳も分からず
二人迷子になることを承知で
それでも
引き返さなかった
僕はこれが
彼女にとって最悪な夜として定まってしまうことを
どうしても避けたかった