入学式:1
初投稿です。お手柔らかにお願いします。
人の波に流され、校門を潜った。
『人多すぎだろ!』
と心の中で叫んだ俺、室迅は置かれている現状に迷惑していた。この学校、如月高校はちょうどいい偏差値であるから入学者が多いのだ。迅もそのうちの1人である。とはいえ周りには知らない顔、知らない校舎があり、これから始まる高校生活に少なからず高揚感を覚えていた。入学式は体育館で行われるらしく、席はクラス順で並ぶため、クラス名簿が既に発表されていた。
一年五組
:
:
三五番 室 迅
:
俺は1−5らしい。クラスは普通の進学クラスが七組、スポーツ推薦クラスが一組、そして結構頭がいい連中が集まる特別進学クラスが二組、合計十組ある。俺は、五組と書いてある看板の後ろの席に座り開始を待つ。
「隣いいか?」
そういう声の方向を向くと、the・陽キャみたいなやつがいた。
「ここに座ってるってことは五組のやつだよな?俺は三十番の火笠陸ってんだ。よろしくな!」
そう言って隣に座ってくる陽キャ。まだ俺何も言ってねぇだろと思うもこいつがこのクラスの覇権を担うであろうことを瞬時に察知した俺は
「おう、よろしくー。」
と言う具合に当たり障りにない返事をした。すると、
「一緒に来てたやつがいたんだけどはぐれちゃってね。たまたま同じクラスだったからいると思うんだけどまだいないね。あぁそうだ。君の名前は?」
これが陽キャのコミュ力か、と圧倒されていたところにいきなり名前を聞かれたせいで、
「室迅。」
とぶっきらぼうにこたえてしまった。やってしまったか?と思うも、
「迅ね。これからそう呼ぶけどいいかな?」
と言ってきたので、
「おう、よろしく。」
とさっきと全く同じことを言ってしまった。そう言うやりとりをしていると、
「あっ!りくぅ~!探したんだけどー!」
と後ろから甘ったるい声がした。
「明日香!どこ行ってたんだよ。」
「なんか急に男の子たちに囲まれちゃってねー。」
その明日香と呼ばれた女子生徒は、身長は女子の平均くらいの髪は肩まである美少女であった。この感じは幼馴染みか?美男美女幼馴染みなんてなんのラノベだよと思い、
「こいつが一緒に来たって言ってたやつか?」
と聞くと、
「そう、俺の幼馴染みの新城明日香って言う。明日香、こいつはさっき知り合った同じクラスの室迅って言うやつ。」
「よろしくぅ~。」
「あっうん、よろしく…。」
女子と喋るのが久しぶりだったから声が小さくなった。ってこいつらやっぱ幼馴染みかよ。うちのクラスやべぇ。そうこうしているうちに、
[まもなく入学式を開催致しますので新一年生は席についてください。]
と言う放送が入った。
「始まるって。じゃあ明日香、また後で。」
「うん。陸と室君あとでねー。」
そう言って席にすわる新城さん。それとほぼ同時に
[では、今から如月高等学校第三十二回入学式を行います。]
と言うアナウンスと同時に校長であろう人の話が始まった。
おかしなところがありましたら報告お願いします。