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第15戦 VS大蟹



 フロッグマンの国からバイオンが帰還した、その次の日の朝。

 夏の暑さが本格的になってきた六月も後半。

 ラフターはドワーフ兄弟にある命令をした。


「つまり今日、センターナ王国から駐在の兵士が来るから、適当に誤魔化せと?」

「ああ」

 眠たげな目のラフターは、髭の兄弟に対して頷いた。

「フィーナ村の村長には、村人に対して緘口令を出すように言っている。後はお前達が私の存在を隠してくれれば、それでいい」

 黒い長髪に黒いローブを着た漆黒の魔女は、ドワーフ達を見下ろして告げる。

「私の存在がバレると確実に面倒になる。正体不明の魔女がいるなら怪しまれ、もしこの国の守護神であった元女神だと知られれば、どんなリアクションを取られるかわからない」

「知られたくないのですか、ラフター様?」

「女神は廃業した、甘えるな、自分の身は自分で守れ、守れないなら死ね」

「うわ」

 淡々と冷酷な事を言うラフターに、ドン引きするドワーフ兄弟。

「ともかくバレない様に言い訳してくれ。もしバレたら兵士の記憶を書き換えないとならない」

「最初から記憶を弄れば良いのでは?」

「記憶の書き換えとは結構面倒でな。消し切れないと部分的な記憶から思い出す可能性もあるし、消し過ぎると周りからおかしく思われる。最後の手段にしたい」


 二人に告げた後、ラフターはバイオンを連れて魔法陣からワープして去って行った。

 残された二人のドワーフの兄妹は、とりあえず口裏合わせとしての言い訳を考える事にした。






 その日の昼、センターナ王国から二人の男の兵士が訪れる。彼らは軽鎧に兵士とわかる鉄兜、そして鉄槍を所持していた。

 彼らは村長の家の一部屋を借りて、話し合いをしていた。

「怪しいです」

「ああ、怪しい」

 二人の兵士はセンターナ王国に直接来て、住居願いを出していったドワーフ兄弟について調査していたのだった。


 まず直接会わずに、村の人々に聞き込みをした。

 村人達は「よく知らない」という答えを、目を泳がせながら言う。

 子供にも聞いたが、村外れには危険だから行かない様に村人達に言われているらしい。

「万事屋はドワーフの鍛冶のおかげで儲かっているので、村から出られると困ると答えた」

「他の村人やここの村長も、モンスター退治などを手伝ってくれるので助かっていると言いました」

「しかし、それ以上は答えない。聞いても知らないとしか言わない」

「普通なら小さな事でも、とりあえずは答えると思うのですがね」

 先輩である中年の兵士と、後輩である若手の兵士は頭をひねる。

「そもそもどうして、建物が五つある? そしてあの大きな物体は何だ?」

 先輩である中年の兵士は、遠くから遠視用眼鏡でドワーフ達の住居を覗く。すると五つの建物と立てられた大きな長方形の物体が見えた。

 長方形の物体は、布を被せられた大鏡である。

「事前に報告されたのはドワーフの兄弟のガーラルとフィアラル、そしてバーバリアンのバイオンという男だったらしいですが……」

「そのメンツも気になる。どうして村の側に生活圏を作った? 情報や道具の入手など利点も多いが、争いにもなるだろう。もっと離れた場所に住居を構える事も出来たと思うが?」

「住み始めたのは先月からだという事です。異種族がよく村人達と摩擦を起こさずに、住む事を認めてもらえましたね」

「個人の付き合いならともかく、集団が異物を受け入れるのは難しい。どんな手を使ったのか……?」

 二人の兵士は話合い、考えを纏めようとしていた。しかし一向にまとまらない。

 ちなみにラフターが村の側で拠点を作ったのは、バイオンの道具や武具をそろえやすくする為である。

 ドワーフの兄弟が来たので、あまり意味の無い状態になっていたが。


 いくら話し合っても結論は出ないと、二人の兵士は立ち上がり部屋を出る。

 部屋の扉の前に立っていた村長(聞き耳を立てていた)を、少し不信に思いながらも、兵士達はドワーフ達に会いに行く事にしたのだった。






 昼もいくらか過ぎた頃、二人の兵士はドワーフ達を訪ねた。

 鍛冶場にいたドワーフは声をかけられて、外に出る。

 そして青空の下、作られていた四つの椅子に座り、兵士は色々と二人の髭の小男に話を尋ねた。ドワーフの兄弟は交互に答えた。


「はい、あっしらは旅をするドワーフですが、最近はモンスターも多く野宿も難しくなり、この村にお世話になっております」

「軋轢は無かったかですか? はい、とてもこの村の人々は親切で、揉め事は大して起こりませんでした」

「バーバリアンのバイオンですか? あいつなら森で狩りをしています。いつ帰ってくるかはちょっとわかりませんね。場合によっては深夜になるかもしれません」

「建物が多いのは、この村を訪ねてきた魔法使いの少女の、プレゼンという名前なのですが、一軒借りたいと申しまして。貸した後にもう一軒作ったのですよ。金は払われております」

「話を聞きたい? 今は魔法の研究で面会謝絶状態ですので、ご容赦を」

「建物が五つある理由? 鍛冶場、バイオンの家、プレゼンの家、そして我ら兄弟ガラールとフィアラルの家。丁度五つですが? ええ、兄弟で別々ですよ?」

「建物の内部が見たい? 構いませんが、一軒だけお断りさせていただきます。ドワーフの秘密の工場とでもいえばいいのですかね。すみませんが」

「あの立方体は何か? ああ、鏡です。ちょっと鍛冶の気持ちがノリで作ってみました。見てみますか?」

「あのあたりの、土で埋め立てられた場所は何か? いえ、ちょっと沼があったので、嵌らない様に埋め立てたんですよ」



 こうして話し合いを終えた兵士二人とドワーフ。

 兵士の先輩と後輩は考える。

(怪しい!)

 なぜドワーフが旅をしてこの村の側に生活をするのか。今はいないバーバリアンの存在。

 本当にいるのかもわからない、プレゼンという魔法使いの少女。入れない建物。

 立てられた大鏡に、埋め立てられたばかりだろう広い地面。

 どれもが兵士達に疑いの気持ちを大きくさせていた。

 ちなみに土は転移用の魔法陣を隠しすための物である。



 二人の兵士は互いに目を動かして、アイコンタクトする。

(どうする?)

(どうしましょうか、先輩?)

 無理矢理に調べようかとも考える先輩の兵士。 

 しかし目の前のドワーフ二人は、背は低いが筋骨隆々で腕っぷしが強そうである。

 また村人達は確かにこのドワーフ達を受け入れていたのも、事実であった。


 中年の兵士は考える。

(怪しい所はいくつもあるが、しかし具体的に何をしているかという証拠はない。噂の教団との関連性も見えない。ここは一度、首都に戻り報告するべきか……?)

 悩む兵士に、汗を掻きながら見上げるドワーフ兄弟。



 その時、大声が四人の耳に刺さる。

「できたぁあああ!!」

 五つの建物のうち、一つの建物の扉が大きな音を立てて開いた。

 目にクマをつけた赤い少女が、玄関で大声を出す。

「師匠! バイオンさん! ガラールさん! フィアラルさん! ついに出来ましたよっ!!」

 赤髪の少女は、家を飛び出し駆け出す。

 ドワーフ兄弟の下へと、満面の笑顔で走り込んできた。

「ガラールさん、フィアラルさん! ありがとうございます! それもこれも二人が私のお願いで色々と壺とか道具を作ってくれたおかげです!!」

「ああ、あのプレゼン?」

「今はちょっと……」

 焦りながら、声をかけるドワーフ兄弟。

 その時、プレゼンは向かって座っていた二人の兵士に気づいた。

「兵士さんですか? こんにちは! 私、ラフター師匠の弟子のプレゼンと言います、よろしくおねがいします!」

「え、プレゼン?」

「本当にいたのか?」

 突然の少女の登場に、驚く二人の兵士。

 にっこり笑顔で少女は、ドワーフ達が止めるのも聞こえず話し続ける。

 三日間の徹夜と、念願の物が完成した喜びにより、プレゼンは興奮状態だった。

「はい、プレゼンです! もうすぐ強力な回復薬を販売いたしますので、その時はご贔屓に!」

「えっと、プレゼンさん? 師匠というのは?」

 兵士が質問する。プレゼンはハイテンションで答えた。


「ラフター師匠は私の師匠で、凄い魔女で、元女神なんですよ! この辺りの元守護神だったとか!」

 驚く二人の兵士。

 ドワーフの兄弟は頭を抱えた。






 そんな状況になっているとは知らない、ラフターとバイオン。

 彼らは夏の海岸にいた。


「げほっ、ごほっ! がほっ、くそぉ!?」

「いや、本当に泳げないな、お前は」

 右腕に鎖を巻きつけた、厳つい顔の半裸の巨体が、浅い浜辺で苦しんでいた。

 それを黒い傘を差した黒いローブの女が、涼しげな薄目の顔で見ている。



 ここはコースト海岸と呼ばれる、センターナ王国の南、サウシャの国にある場所である。

 彼らはワープ魔法で、昼間からこの海岸に来ていた。

 暑い六月の日差しの中、バイオンが海辺の砂浜で苦しんでいた。


「鎖がよ、鎖が重いんだよ!」

「いや、そこに浮上の魔法を使っても、お前は溺れていただろ?」

「仕方ねえだろ! 俺は泳ぐこと自体、初めてなんだよ!?」


 バイオンは生まれてからずっと、荒野に住んでいたバーバリアン。

 海どころか、湖にすらバイオンは行った事が無かった。

 ゆえにバイオンは泳ぎを知らない。


 呆れた様子でラフターがそんなバイオンを見る。

「昨夜のフロッグマンの城。お前は少し動きが悪かったが、湖が怖かったのか?」

「怖いんじゃねえよ! 落ちたらどうしようかと思ってただけだ!!」

「それを怖いっていうんだ」


 初めての果てなき塩水に、バイオンはまるで勝ち目がない。 

 バイオンは果敢にも海に突撃する。

 しかし泳いだ事も無い経験が、重たい筋肉の体が、右手の鎖が邪魔をし、彼を沈め続けた。

 呼吸が出来ずにもがき、すぐに水際に戻ってきた。

「ごほっ、ごほっ! くそっ! ちくしょう!?」

 塩水塗れで、砂の上で悔しがるバイオン。それを見て悩むラフター。

「ここまで泳ぎが苦手だと、予定していた海辺の敵は外したほうがいいか?」




 そんな二人に、海から何かが突撃してきた。

「あ?」

「ん?」

 波打つ海の水を跳ね飛ばしながら現れたのは、まるで黒い鉄の兜を思わせるような見た目の生物。

 それは巨漢のバイオンよりも少し大きい蟹だった。



 六本の足で砂浜に立ち、大きな二つの鋏をカチカチと鳴らす。

 塩水で濡れた黒い甲殻が、太陽の光を反射する。

 複眼のある触覚がバイオンとラフターを見た。


 六本脚を使った、素早い動きで大蟹は砂浜を移動。バイオンを迂回する。

 砂を蹴り飛ばしながら、大蟹はラフターに向かって突攻する。

 バイオンではなくラフターを狙ったのは、より鈍そうだと判断したからである。


 その巨体から想像だにしない、早い横移動で魔女に迫る。

 そして黒い傘の女を、その大きな鋏で断ち切った。

「……?」

 だが蟹が断ち切ったはずの女はいなかった。

 蟹より少し離れた浜辺で、傘を差したラフターは欠伸をしていた。

「バイオン、昼の私は力が落ちる。頑張れ」

 ラフターの声など聞かず、バーバリアンの男は鎖を投げていた。


 鎖が大蟹の黒い甲殻に叩きつけられる。

 しかし硬い蟹の甲殻は、少し傷ついただけで鎖をはじき返した。

「かてえ」

 蟹は複眼を向ける相手を、ラフターからバイオンへと切り替えた。

 またもや素早い動きで横移動する大蟹。

 砂を蹴りつつバイオンへと走り寄り、鋏を振り上げた。


 大きな鋏によるハンマーを、バイオンは横に跳びのいて避ける。

 そして鎖を蟹に向かってバイオンは投げた。横殴りに投げた鎖は、六本の移動用の足の一本に絡まった。



 蟹は種類にもよるが、基本的に横にしか移動できない。

 それは人間のような球体関節とは違い、間接が横にしか向いていないからである。

 前にもゆっくりならば動けるが、足が前を向くわけではない。

 ゆえに前に引っ張られると、足が折れかねない。


 だから蟹はその鎖を大きな鋏でつかんだ。

 そして、その鎖を逆に引っ張ったのである。


 砂浜ではうまく踏ん張る事が出来ず、前に転倒するバイオン。

「下手に伸ばしたら駄目だと、知ってたのによお!?」

 砂まみれで立ちあがろうとするバイオン。

 その間に、蟹は足の鎖を外す事に成功した。

 そして素早い横移動で、バイオンへと大蟹は向かう。


「……確かにお前は硬いが、鉄ほどじゃない」

 ぎらついた目で、バーバリアンは蟹を睨む。

 突撃してきた大蟹を見ながら、バイオンも軽く拳に鎖を巻く。


 そして大蟹の振り下ろしてきた大ハサミに、バイオンは鎖の右拳を下から突きあげた。

 ぶつかり合う二人の手。

 大蟹の右手の鋏にヒビが入った。

 驚き下がる大蟹。それをバイオンが追撃する。


 痛む右手に無理をさせ、鎖を足払いの形で、地面すれすれで振り回す。

 三本の足に絡みついた鎖、さらにバイオンは鎖を両腕で引っ張った。

 もつれた足で砂浜に倒れ込む大蟹。

 バイオンは飛び上がり、蟹の右目に対して左拳を叩きつけた。


 潰れた触覚の右目。もがいていた大蟹が動かなくなる。

 口から泡を吹き出していた。

「……気絶したのか?」

 倒したと思い、止めを刺そうと痺れた自身の右腕に鎖を巻きなおす。



 蟹は本来エラ呼吸である。

 蟹が泡を吹くのは、体内の水で呼吸しているからである。

 つまりこの大蟹は、気絶している訳でなく、呼吸をしているだけである。


 死んだふりをしていた大蟹は、すぐに立ち直し左の大ハサミをバイオンに突きつける。

 驚きながらもバイオンもまた、鋏に対して痛めた右拳を叩きつけようとした。





 大蟹が吹っ飛んだ。


「なに!?」

「!?」

 突然の事に驚きの声を出すバイオン、見ていたラフターも動揺した。


 海からその者は現れた。

「悪い悪い」

 楽し気な声で、その存在はバイオンに声をかけた。

「いやあ、海底で狩りをしていたら逃げられてよ。その大蟹をここに追い込んだのは俺だ。悪いな」



 そいつは人型であった。

 しかし顔は魚であり、体も魚の鱗や鰭が見える。

 半魚人と呼ばれる存在だった。


「驚かせてすまんな、だからそう睨まないでくれ」

 海から歩いてきた魚顔の男を、バイオンは鋭い目で睨んでいた。

 バイオンは半魚人を警戒していた。大蟹への攻撃が、わからなかったからである。


「……いま何をした? 魔法か?」

 不気味な魚の顔で笑いながら、友好的に半魚人はバイオンの問いに答える。

「違うぜ、今のは体術だ」


 砂浜に起き上がろうとする大蟹。

 だが大蟹が動く前に、素早く半魚人はその上に乗った。

 そしてその水かきの着いた腕で、黒い甲殻に触れる。


 大蟹は内側から、はじけるように砕け散った。




 粉々になった大蟹。その横に降り立つ半魚人は、魚の目を見開いた。

「しまった! 今夜の飯にするつもりだったのに、壊し過ぎた!」

 額に手を当て、半魚人はため息を吐いた。


「体術だ? それが技だって言いたいのかよ!?」

 砂浜を歩いて半魚人の近くに歩み寄るバイオン。

 近づけばバイオンに比べ、半魚人は体も細く小さい。

「おう、そうだぞ」

 半魚人は聞かれたので、普通に答えた。

「空気を殴って叩きつける『空圧波』。相手の体内から超振動を与える『振動波』。どっちも格闘の技だ」

 腰に手を当て、魚頭は得意気に言う。

「俺が編み出した技だ、凄いだろ?」


 それを聞いたバイオンはラフターを見る。

 ラフターは首を振った。

「……魔力は感知できなかった。そいつが言っているのは本当だ」

 ラフターの答えに、バイオンは口角を広げて笑う。


「おい、魚野郎! その技を俺に教えろ!」

 半魚人に詰め寄り、バイオンは怒鳴りつける様に頼む。

 しかし半魚人は無視して背中を向け、大蟹のバラバラ死骸をどうやって運ぶかを考えていた。

「おい! 聞けよ!」

 無理矢理こちらを振り向かせようと、バイオンは半魚人の体に触れた。



 バイオンの体が一回転し、砂浜に叩きつけられる。

「……教えてください、オアンネス様だろう?」

 倒れたバイオンを見下し、魚頭は笑う。

 その魚の口の奥に、人間の様な顔が、バイオンには一瞬見えた。



 バイオンは泳げない事を理解した!


オアンネス:バビロニアの伝説に現れる魚人。頭に大きな魚を被った人間の姿で示される。集まったバビロニアの人々はいまだに獣のような生活をしていた。そこに海と大地の神エアがオアンネスを遣わせる。オアンネスは人々に文字に建築、農業に美術などのあらゆる文明と言われる物を伝えた。七日間で伝えたオアンネスは、その後に海に帰った。

自分の作品では人にも魚にも半魚人にもなれる設定。


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