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第126戦 VS犬神



 ティターニアは妖精の女王であり、その魔力はかなりの物であった。

 そして彼女の支配する妖精の国の妖精の数が増えるにつれ、その能力が強化されていく。

 戦闘経験が無いという弱点を有してはいるが、最近は毎日エルフの若者と戦闘訓練を行っていた。

 まだ訓練を始めて二十日ほどであったが、それでも当初に比べれば戦闘技能は随分マシとなっている。


 夜の森、横に広い石階段の上で、白いドレスの女王は飛び回りながら矢を放つ。

 相手は僧衣を着た蛇の怪物のトウビョウ。

 蛇は術を用いてティターニアの矢を防ぎ、逆に魔力の塊を撃ち出す。


 使役する者が敵意を向けた相手に対し、害をなす憑き物の妖怪トウビョウ。

 戦闘経験は無い物の、ティターニアに比べればずっと他者を害する事に秀でていた。

 その蛇の周囲に浮かぶ、魔力の弾が、次々と妖精の女王へと解き放たれる。

 

「このっ!」

 金色の髪を振り乱し、花をあしらった弓で魔力の弾を叩き落す。

 夜空を飛び回りながら、トウビョウの攻撃を避け続けていた。

 しかしそれも長く続かず、魔力の弾の一撃がティターニアの左手に当たった。

「いつっ!?」 

 衝撃が夜空を舞う花の女王の左手を襲う。


 しかしそれだけであった。

 ティターニアの魔力の障壁に減衰しきった害の弾丸は、少し痛いだけにしか過ぎず。

 反撃にティターニアは矢を放つ。



 魔力のこもった矢を、人間サイズの蛇は紙一重で横に避ける。

 しかし矢は通り過ぎずに近距離で爆発。その頭を吹き飛ばした。

「!? グガァ! ガァ……」

 頭のほとんどを吹き飛ばされた蛇は、そのまま石階段を転がって、動かなくなったのだった。


 ティターニアとトウビョウ。

 攻撃にしろ防御にしろ、その間には圧倒的な差があった。

 簡単に終わった戦い、しかしティターニアは気を緩めない。

 石階段の先にある大きな門を、美麗なるその目で睨みつけた。



「ふむ」「さすがさすが」「貴様が何の神かは知らぬが、どうやら儂より強者の様だ」「これは厄介」「果たしてどうするか?」「勝てぬ」「はてさて」「やるよりほかない」

 それを観戦し、戦い方を計る百以上の蛇の目。


 門の前に、その横に、その屋根に、残り七十四匹のトウビョウが待ち受けていた。

 ティターニアはその状況に呻くように呟いた。

「……分身、というわけじゃなさそうね」

「いかにも」「ここにいる肉体は別であっても」「魂は一つ」「我らは一人なり」「儂の様な憑き物筋とは、七十五匹いるのが常識」「一塊で一人のトウビョウなり」


 ティターニアは矢を三発放つ。

 鏃に花を咲かせた矢が、次々と門に飛んでいき、爆発する。


 だがトウビョウの集団が張ったバリアが、その爆撃から門を防いだのであった。

 トウビョウ達は門の先の儀式の場を中心に、円を描くように結界を張っており、回り込む事もできない。


 ティターニアはその状況に、唇をかみしめた。

(プレゼンちゃん達が来る前に何とかしようと思ったんだけど、無理かなぁ?)

 蛇の群れから放たれる害意の魔法を、ティターニアは夜の森の空を飛び回り避けながら、矢を撃ち続けた。

(私も妖精の国から応援を呼ぶ? いやほとんど足手まといばかりで、守りながらだと余計に戦えないし。本当どうしよう)

 弾幕の如き魔法の弾丸に、ティターニアは二度三度当たるものの、バリアを強化すればダメージは無い。

 長期戦になれば勝てるだろうが、それでは生贄が死んでしまうとティターニアは悩む。

(どうしようかねえ、ラフターちゃん?)

 誰かの前では絶対にしない、ちゃん付けを呟きながら、夜空に舞うティターニアは悩んでいた。








 そこより数百メートル石階段を下りた所で二匹の犬が争っていた。

 一匹は黒い毛並み赤い目の墓守犬、チャーチグリムことプレゼンの使い魔であるエルジョイ。

 もう一匹は顔が犬で首から下が人間である、ワードックともいうべき怪物の犬神であった。


「この畜生が、やるじゃねえか!?」

「ワン!」(お前も畜生だろうが!)

 互いに飛び掛かり、牙と爪が何度も交差する。

 犬神の服が破れて体毛の濃い上半身をあらわにし、下半身に布が巻かれた状態だった。

 二匹の犬の影が、石階段に並ぶ篝火によって動き回っていた。


 爪の伸びた犬神の手が切り裂かんと延びるが、石階段を蹴ったエルジョイは高く飛び、その犬神の背に乗る。

 しかし犬神は首を屈めて、その噛みつきを避けつつ、体を回転させて、エルジョイを振り落とした。

 石階段の下段へと落ちたエルジョイに、すかさず飛び掛かる犬神。

 間一髪、飛びのいたエルジョイ。先ほどまでの場所の石が、犬神の一撃によって砕けて飛び散る。


 犬神は石の塊を、その犬の口にくわえて噛み砕き吐き捨てた。

「ああ、くそう、噛み殺してえ!」

 石を容易く砕く、牙と爪。さすがにその威力は無いエルジョイは、少しだけ怖気て下段へと降り、犬神から距離を取る。


 そのエルジョイの足元の石階段に、銃弾が当たる。

 エルジョイが振り向けば、青いマスクの教徒が篝火の横で猟銃を構えていた。

 他にも数人の青マスクの集団が、石階段の横の木々から姿を見せる。


 左右と上を囲まれた状態のエルジョイ。

 しかし、そんな状況よりも教徒達の様子がおかしい事に気付いた。

「グゥゥゥ」

「グルルルゥ」

「わぉん!」

 教徒の男達は、まるで犬の様に唸り、吠えていたのである。


「俺の能力だ」

 狼狽えていた黒い犬に対し、犬神は説明するように犬の口を開く。

「俺は白児しらちごと呼ばれる子犬の霊を操り、人にとり憑かせられ操れる。こいつらは俺の操り人形となった!」

 犬神の奴隷となった人間達は、それぞれの武器を手にエルジョイの側に寄る。

「わぉおん!」

 一斉に吠えて、エルジョイへと飛び掛かる青マスク達。

 エルジョイは迎え撃たんと構えた。


 その頭上で手榴弾が爆発した。

「キャン!?」

「キャウン!?」

 青マスクの集団と、エルジョイは、頭上から響く爆音と衝撃に身を竦ませて石階段の上で動きを止める。

 そこに右手にハルバード、左手に斧を持った、全身鎧の巨漢が走って下段から登ってきた。

 そして動きを止めた教徒達を、ハルバードで薙ぎ払っていった。


「おう、ようやく戦えそうな敵かよ」

 巨漢の男はバイオン。人形神によって麓までワープさせられていたが、ここまで登って来たのであった。


 新たな敵の登場。匂いによって理解していた犬神は、爆発の衝撃からも咄嗟にその顔を隠して避けていた。

 しかし頭の上で衝撃を浴びたエルジョイは、聴覚などがやられてフラフラとなる。

「クォオオン……」

 怒っているような顔で、バイオンに対して唸るエルジョイ。

「邪魔だ、どいてろ」

 意に介した様子も無く、バイオンはエルジョイに視線も送らない。

 渋々と、石階段の横の木の影へとエルジョイは逃げて行った。



 一言も無く、犬神がバイオンへと飛び掛かる。

 バイオンはハルバードを振り回して迎撃する。

 しかし犬神はその攻撃を瞬時に避けて、バイオンの後方の石階段の下段へと降りた。

 そこにバイオンの背中の籠に座った、金髪の少年アジニスが火炎の弾の魔法を放つ。

 犬神は横に跳び避けた。

 さらにバイオンが振り向き、左手の斧を投げつける。

 しかしそれも犬神は容易く、跳び避けた。


 爪と牙をとがらせて、標的の二人を見る犬神。

 バイオンはすぐに、背中から大剣を引っ張り出して左手に持った。


「ほう」

 相手を確認して、バイオンは余裕そうな声を出した。

 それに対して涎を垂らし、口を開けて荒い呼吸をしながら犬神は声を出す。

「鎖で繋がった、大男とガキ。テメエらがバイオンとアジニスだな?」

「ああ?」

 犬は口角を釣り上げて人間の様に笑う。

「お前らは確実に殺して置けと、教祖様が言っていた。悪いが死んでもらうぜ?」


 犬神の側に、子犬の幽霊の集団が飛び回る。

 それを見て、バイオンが鉄仮面の奥で驚愕の顔をする。

「とり憑き殺せ、白児!」

「ちい!?」

 バイオンは左手の大剣を捨てて、石階段横の篝火を右手に持った。


 子犬の幽霊達がじゃれつくように、バイオンの周囲を飛び回る。

 バイオンは、燭台の火を振り回して幽霊を攻撃する。

 さらにアジニスも火の玉を放って一匹ずつ、物理攻撃の効かない霊を焼き殺していった。



 そこに犬神がとびかかる。

「くそっ!?」

 バイオンはハルバードを振り上げるが、しかしまるで犬神の姿を捕らえる事が出来ない。

「どこを狙っている?」

 犬神は石階段に降りると、俊足で一気に振り向いたバイオンのその後ろへと走り回る。

 そしてその背中のアジニスに対して、犬神は鋭い爪を振り下ろさんとした。



 あっさりとバイオンは振り向き、犬神の攻撃を右腕の鎖で防いだ。

「!?」

 さらにバイオンは左手の篝火を捨てて、左腕のガントレットに装着された魔法石を念じて魔法を発動。

 火炎と電撃が、子犬の幽霊を砕いた。


 魔法攻撃に驚き、上段にへと跳び退いて逃げんとする犬神。

 それに合わせるように、ジャンプしてバイオンは犬神に追いつく。

「!?」

 左腕の拳が、驚く犬神の胴体を打ち砕いた。


「ぐぼぁ!!?」

 血を吐き出す、犬の顔。

(こ、こいつ、最初から俺の動きについてきて、いたのを!?)

 バイオンからすれば、犬神の速度は普通に追いつける速度であった。

 今はラフターの魔法によって身体が強化されているので、なおさらである。


 致命的な一撃を胴体に喰らった犬神。

 しかし、犬神はそこで終わらない。


 首を引きちぎり、犬の頭だけが空中を浮いたのである。

 その様子に驚いた顔のバイオン。

(貴様は、どうにも俺の牙が鉄の塊に傷を与えないと思っているようだな?)

 最初の緩慢な動きや隙、だまし討ちの意味もあるが、犬神の攻撃に対してダメージは無いとバイオンが判断しているように犬神は思えた。

 犬神の攻撃に対しては驚きはせず、子犬の幽霊を出した事に驚愕の顔をしていたのがその理由である。

(悪いが俺は、俺の呪詛のこもった牙は……)

「鋼鉄すら、噛み砕く!」


 頭だけで飛び掛かった犬神は、そのままバイオンの鉄仮面に噛みつく。

 そしてその牙を鋼鉄に突き刺して、顎に力を入れた。

 バイオンの兜にヒビが入り、鉄片が砕け落ちた。



 犬神の牙がへし折れた。

「な、が?」

「へえ?」

 バイオンは感心したように言う。

「アンフィスなんとかの骨は、本当に丈夫なんだな?」


 今バイオンが被っている鉄仮面の素材は、かつて倒したアンフィスバエナの骨と鱗で作られていた。

 竜の骨で出来上がった鉄仮面は鋼鉄よりも硬く軽く、そして熱や冷却にも強い優れた防具だった。


 だがそれゆえに加工難易度も高い。溶かして形を整える事も、製鉄も上手く行かなかった。

 熟練の鍛冶師であるドワーフ兄弟もこれに対して頭を抱え、しかし鍛冶屋としての意地を見せて兜を作り上げたのである。

 出来が無骨だったので、外装として鋼鉄で見た目を整えた。

 ちなみに現在、ようやく今朝に兜が作り上げられたのであって、鎧の部分はまだ鋼鉄である。竜の骨の兜が出来た事をガラールは今朝に伝えに行き、ついでにボレーガンを見せていたのだった。


 その外装の鉄の部分だけを砕いた犬神の牙は、しかし内部の竜の骨は噛み砕けなかった。

 驚きと痛みで崩れ落ちた犬神の頭を、胴体から引き抜いた左拳でバイオンは殴り飛ばした。



 石階段を砕き飛礫をまき散らしながら、犬の頭が夜の階段を転げる。

(な、なんだ、こいつは?)

 白目をむき、折れた鼻と口から血を垂らしながら、犬神は相手をした巨漢について考えていた。

(最初は俺の姿を見て余裕の表情をし、次に霊を見てわざとらしく驚き、俺の速度に着いて行けない様な動き方をして、俺が首だけ飛んだ事に驚いて見せて……)

 バイオンの動きは、全て芝居であった。

 余裕の表情で油断をしていると思わせ、驚愕で動きを止めたように見せかけ、わざと遅い動きと視線で着いて行けない様に見せかけた。

(デカい見た目に反して、なんて小賢しいんだ!?)

 そんなバイオンを、ただ犬神は不快に思う事しかできなかった。


 首だけとなっても生きている犬神。

 その側に斧と剣を拾い直して背中に取り付けたバイオンが、近づいてくる。

 止めを刺されると犬神は覚悟した。




 しかしバイオンは、その横を通り過ぎて、階段を上って行った。


「止めを刺さないでいいのか?」

 どうでも良さげに、背中のアジニスがバイオンに問いかける。

「そいつとの訓練は終わった」

 どうでも良さげに、バイオンも答えた。


(……訓練?)

 その言葉に、意識を失いかけていた犬の頭は思考を取り戻す。

 そして折れた奥歯を噛みしめて、眉間にしわを寄せて、血管を浮かび上がらせた。

(俺との、殺し合いを、訓練??)


 バイオンにとって目的の相手以外の戦いは全て、倒したい相手を倒す為の訓練である。

 その在り方と言葉に、戦う為に呼び出された犬神は憤りを感じた。

「……ふっざけんなぁあああ!!」


 犬の頭だけが空を飛び、血をまき散らしながら砕けた牙で、再度、巨漢へと襲い掛かる。

 しかし、目的は果たせず、次の瞬間には氷漬けとなった。



「バイオンさん! アジニス君!」

 階段の下から、赤い少女が走り上がってくる。

 魔法使いの少女プレゼンであった。

 犬神の頭を氷漬けにしたのは彼女である。

「すみません、待ってください! 空飛ぶ箒を上の方に落として来てしまったんです! あ、エルジョイもいたんですね、良かった!」

 こうして合流した一同は、また石階段を上り直す。

 そこに人形を手にした、僧衣の女が待ち受けていた。











 山頂の儀式。

 夜を照らす大きな火の前で、木の棒を手に歌い踊る青いマスクの教祖。

 それを崇めるは、意思の無い五十人の青いマスクの教徒達。


 その側には巨大な芋虫が横たわる。

 次々と喰らわされる火の魂により、見るからに苦しんでいる様子だった。


「教祖よ」

「……儀式の最中だぞ、トウビョウ様」

 儀式の祭壇で踊っていた教祖は、唐突に僧衣を着た蛇に話しかけられて動きを止める。

「それはすまなかった」

 蛇は舌をちろちろと動かして、頭を下げた。


「儂が交戦していた、金髪の女人が逃げ出した。儂の半数ほどで追いかけるべきか?」

「……いや、それが相手の狙いだ。守りを減らすのはよくない。儀式が終わるまで放っておけ」

「わかった、門の前で待とう」

 教祖の前から、去ろうとする蛇。しかし教祖はそれを止める。

「それとバイオンとアジニスとやらは、見つけたか?」

「いや、儂は見ていない」

「見つけたら確実に殺して置け、それが魂を準備してくれたアンデッダからの取引条件だ」

「わかった」

 人間サイズの服を着た蛇は、そのまま夜の闇に消える。


 それを見届けた後、教祖は芋虫を見上げた。

「くく、夜明けと思ってたが、もうしばらくで儀式は終わりそうだな」

 苦しそうに蠕動をする火に照らされた芋虫。それを見上げながら教祖は含み笑いする。

「さあ、我らの神の完成だ。人の祈りと呪詛で作り上げられた真実の神様が降臨なされるぞ!」

 男は歓びに身を震わせながら、歌と踊りに戻った。



バイオンの兜にアンフィスバエナの骨と鱗が混ざり、強化された!


 外道:人の道から外れた者。元々は仏教の教えに反する者。転じて犬神や狐神、トウビョウや管狐などの人にとり憑く妖怪を使役する者、憑りつく霊の事を外道と呼んだ。

 犬神:日本に伝わる憑き物。犬神にとり憑かれた人間は、四本足で這いまわり犬のように吠え、取り付けた者の命令通りに動く。犬神の作り方は、犬を首から下を地面に埋めて頭だけだし餌を届かない場所に置く、そして飢え死にする寸前に首を切ると首だけが飛んでいき餌に噛みついたまま絶命し、その霊を使役できるようになる。他にも複数の犬を殺し合わせて、生き残った一匹を殺してその犬の霊を使う等。また過去の犬神は鼠の様な妖怪だったともされる。犬神にとり憑かれた家は子孫が生まれにくくなる為、婚姻を断られるが、祭ると裕福にはなる。

 白児しらちご:過去の犬神の絵とセットで書かれた人間の子供。後に子犬のような姿で描かれるようになり、後付けで犬神が使役する子犬の霊とされた。


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