第1話 招待
目が覚めると辺りは真っ暗だった地面についている感じもしない。
「ここは....一体?」
「貴方達、人間で言うとこの天国でございます。」
いきなり、うしろから声が聞こえ急いで振り向くと、そこにはサラリーマン風の男性が笑顔で立っていた。
「どうも」
「あっ、ど どうも」
「私、ウスイマサキ申します」
何が起きてるんだ?気が付いたら真っ暗な空間にいるし、いきなり知らない人に自己紹介されるし理解が追い付かない
「佐藤圭太さまでお間違いないですよね?」
「はい、そうですけど此処は?」
「先程申し上げた通り、ここは貴方のいた世界で言うところの天国です」
「天国って以外と何も無いんですね」
周りを見回しながら感想述べると、ふとが1つの疑問が浮かんだ。
「あのー俺って、どうやって死んだんですか?過労死とかですか?」
不思議なことに此処に来る前の記憶だけが抜き取られたかのように全く思い出せない。
「はい、佐藤さまが亡くなられた死因についてですが端的に申し上げますと事故死でございます」
「事故死?確か俺最近は外なんか出てないはずなんですけど」
「ええ、その通りです佐藤さまは本日もご自宅で、いつも通りネットサーフィンをしては「死にたい」と1人何度も呟きになっていらっしゃいました」
そんなことも分かるのかと感心していると
ウスイと名乗る男性は少し言いづらそうな様子で、また話し始めた。
「その後、佐藤さまは縄を天井に掛け自殺なさろうとしたのですが途中で思い留まり机から降りようとした時足を滑らせ倒れた方向にあったタンスの角に頭を直撃し、お亡くなりになりました」
なんだ、そのコントみたいな死に方、自殺しましたとかじゃなく自殺を辞めて直後にタンスで事故死って
ウ「と言うわけで佐藤様にはこの度、異世界に転生していただくことになりました」
ケ「はい?」
ウ「本来なら事故死扱いで神々の元へ旅立って頂くのですが、佐藤様が亡くなられた大本の理由が我々のミスでして」
ケ「ミス?なんかあったんですか?」
ウ「えぇ、話せば長いのですが。まず私共とは別に人間の方々の余命を管理してる部署があるのですが、そちらで佐藤様の余命を誤って短くしてしまったらしく、それが原因で本
来は滑るはずのない机から滑りお亡くなりに
なってしまって」
ケ「そうなんですね」
ウ「お怒りにならないのですか?」
ケ「まぁ実際、死にたいとは思ってたし、不謹慎かもしれないけど丁度良かったっていうか」
あの世界に未練なんかあるわけもない、寧ろ新しい環境でやり直せるならそれほど最高な展開はない。
その後さまざまな説明や話しをウスイさんに教えてもらうことができた。
「それでは、始めさせていただきます」
ウスイさんは聞いたこともない言葉を唱え始めた。
すると真っ暗な空間が一瞬にして真っ白な空間へと変わった。
目の前には扉が見える
「この扉の先が異世界となっています、佐藤様この度は大変申し訳ございませんでした私が言えるようなことではございませんが。貴方のこれからが幸福である事を心から祈っております」
そう言うとウスイさんの姿はゆっくりと消えていった。