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『 本の冊一 』

作者: 音澤 煙管
掲載日:2018/11/01

入院した病院で古書を見つける…謎だらけの本を。




何の因果がこの歳で

持病の肝炎患って

仕事も休んで暫く入院…

ジッとして寝ていると

床ズレ起こして長引きそうだと

毎日廊下を往ったり来たり

自主リハビリの毎日送る。


往き来途中の憩いの場

待合室で一休み

常連先輩寛ぐ中

テレビ台の下ふと見ると

一冊の本が無造作に

古びて誰も読まない本

埃や手垢で薄汚れ

気になり手に取り拭ってみる

どれくらい前のだろう?

印字がとても古めかしく

題名現れ右から左…

『 本の冊一 』… と書いてある。


著者名探して裏表紙

丁度其処だけ切り取られ

誰が書いたかわからない

年代すらもわからない

謎だらけの本を手に

病室戻って開けてみる

何が書いてあるのかな?

恐る恐る捲ってみると…


"この一冊の本は、あなたの命繋ぎます…

どうしても迷った時は下の階の売店まで。"


これだけしか記して居ない…


その日の夜中に

日付がもう直ぐ変わる時間

気になり闇の中歩き

下の階の売店へ

当然店は閉まってる

格子越しに覗いてみると

二冊、三冊、四冊の本…と

ズラズラ並んだ古びた本

売店なのに古本屋?


考えても不思議な光景

悩んだ挙句に何もせず

諦め明日の朝を待つ…


翌朝下の階の売店へ

昨日の場所に店が…無い?!

不思議に思い慌てると

すれ違った看護師さんに

お店の事を聞いてみる。


「ここには昔、霊安室がありました。

最も出所不明の火災で、著名な方が火葬前に数人そのまま焼かれたと言う話です… 。」


著名な人が誰か尋ねると…


「作家で、日本で古本屋の第一人者である方と他数名。不思議な話ですよねー…

本を焼かれたようなそんな事故の様です。

当時、ここの初代院長も執筆なさって居たそうで、霊安室の隣には小さな倉庫で院長の執筆場所でお気に入りだったそうで、其処で執筆して居た最中にそのまま眠ってしまい煙に巻かれてお亡くなりになったそうです。

わたくしの祖母も当時の看護婦で、院長とは親しくしておりました…その時に執筆して居たのが、本離れの若者たちへ書いていた…


" 一冊の本 -命を繋ぐ言葉たち- "


と言う題名の完筆間近だったとよく聞かされました…とても残念な話しですよね。」



明治初期のこの病院

初代院長と本との出来事の

不思議な話しを聞かされた…


ぼくの手にしたあの本は

その日を境に無くなっていた 。




終わり




過去を知った時、その本は消えた…そしてまた誰かが知ることになるだろう。

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