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風の子は世界を渡る  作者: 赤兎
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第2話 風の子、出かける

あれから火属性以外にも水属性、木属性、光属性、闇属性と順に

5属性すべての魔法を試してみた。

結果はダメダメだ。

まさかの全属性で魔法が使えない。


これには先生も慌てていて、いろんな方法で魔法を見せてくれたりもしたが、

結果は同じだった。



その日の夜ご飯、

お父さん、お母さん、お兄ちゃんが揃う食卓。


「それでウィルはどうだったんだ?」

お父さんが期待を持った目で見つめている。

僕は正直に話すしかなかった。

火属性魔法が使えないだけでなく、他の魔法も扱えない事。

その話をした時のお父さんの驚いた顔とお兄ちゃんの少し残念そうな顔は見ていて辛かった。


その後、

「まぁ、それでもウィルは剣術に優れているからな。心配することは無いぞ。」

とお父さんは励ましてくれたが、俺は魔法が使いたかった。



次の日、また授業の時間がやってくる。

「今日は良い天気ですからね。特別に外に出ます。」

先生によると、昨日の結果を聞いたお父さんが特別に外に出る許可をくれたらしい。

外はもっと精霊が溢れていて、魔法が使いやすい。

もちろん人目に触れてはいけないので、街にはいかず、家の周りの森の中での授業だ。


それはともかくとして。

「初めての外だ!!」

初めての外だ!これは重要なことだ。

今まで屋根上から外の様子を見ることはあったが、実際に外に出て、葉っぱや枝を踏みしめながら歩くのは初めてだ。

ずっと外に出たかったんだ。勉強して知ってはいたけど、だからこそ実際に触ってみたかった。

魔法のことなんて忘れて、目的地までの散歩をたくさん楽しんだ。


空から水が降ってくる。

「雨だ!」

家の中と違って屋根がない。濡れる。

「今日は振らないと思っていたのですがね。仕方がありませんから、少しそこで雨宿りしましょうか。」

そうして近くにある大きな樹の下に移動する。

「すぐに晴れるとは思いますから、雨が降っているうちに水属性の魔法を試してみましょうか。」

楽しい散歩の時間は終わりみたいだ。


雨が降っていると水魔法はとても発動しやすい。

周りが水で満たされて、精霊がたくさんいるはずだ。

僕は意識を集中するために目を閉じる。


すると次の瞬間、先生の声が聞こえた。

「逃げて!」

目を開けると黒服を着た人たちが5人ほどいた。

僕と先生は襲われたようだ。




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