第1話 風の子、授業を受ける
僕の名前はウィル、5歳。フリード家次男。
家は街外れの森の近くにあるが、いわゆる貴族の息子だ。
10歳になるまで外に出てはいけないらしく、今日も家で家庭教師の先生に勉強を教えてもらう。
今日の授業は待ちに待った魔法の授業!
5歳年上のお兄ちゃんは火属性の魔法が得意で、よく分からないけど凄いらしい。
先生によるとトップクラスの才能を持っているとか。
俺も同じように火属性の才能があると良いなーなんて思ったりして。
「それでは授業を始めます。今日から魔法の授業。この部屋には暖炉がありますし、まずは火属性魔法から教えましょうか。」
早速、火属性魔法を教えてくれるらしい。
めちゃくちゃ嬉しい。これでお兄ちゃんと同じだ。
「まずは神経を集中して、精霊を感じましょう。そうしてから火を手のひらに集めるようなイメージです。」
僕は目を閉じて神経を研ぎ澄ませる。
暖炉のあたりで火属性の精霊がはしゃいでいる。
火を手のひらに集めるように手のひらを上に向け、精霊に寄って来いと念じる。
精霊は困ったような表情をした。そのあとすぐ飛び跳ねるようにはしゃぎ始めた。
「頼むよ。。こっちは真面目なのに。。」
一時間が経った。
まだ精霊は僕に力を貸してくれない。
「上手くいかないみたいですね。ウィル君に火属性の才能が全くないということはないと思うのですが。。」
それはそうだ。人に向き不向きがあるとはいえ、それでも使えないなんてことは滅多にない。
というか使えないなんてことになったらお兄ちゃんになんて言おう。
焦りを感じながらも再度強く念じる。
すると精霊は困り果てて溜め息をつき始めた。
どうやら僕は火属性の才能がないらしかった。
しょんぼりだ。。
初投稿です。3日に1話ほど更新していけたら良いなと思ってます。
俺TUEEEするのにちょっとだけ時間が掛かります。