不満つのりたい
もううんざりだ!
どいつもこいつもなんでこうなんだ。だいたいなんなんだ、あの態度。いくら年上とはいえ言っていいことと悪いことあるだろう。だいたいおまえが愛を振りかざすのだって虚栄心のあらわれでおまえが誰かのためを理由にするのだって自分に自信がないからでおまえが言葉だけはまともなこと言って満足していられるのだっておまえが井の中の蛙だからなんだよ。それに気が付かないで今日ものうのうと生きているおまえにそんなこと言われる筋合いなんかないんだ。
こっちの苦しみに共感しようとしないで自分だけを見つめている。すがってくる人も求めてくる人も置き去りにして一人で進んで行ってしまう。なんでおまえみたいな奴がへらへらのうのうと生きているのか俺には理解出来ない。世界はもっと誠実な人間の手に渡るべきだと思っている。
見返してやりたい、誰に? このどろどろしたわだかまりを消すために必死になっている。何かを見せつけないといけない。何かを出さないといけない。そうしないと誰にも認めてもらえない、誰にも見てもらえない。自分だって自分のプライドにこだわって、あったはずのチャンスをいくつもなくして。結局自分がされたことを仕返しているだけなんだ。自分の欲求を満たせるのは自分だけなのにそれを相手に押し付けて。ほんとにやっかいだ。わかっていないんだ、ほんとに。
へらへら頭を下げて、それで許してもらえると思っている。それで勘弁してもらえると思っている。頭が砂糖で出来てるみたいだ。甘さにおぼれていっている。
誰もみちゃいないんだ。誰もおまえのことなんてみていない。大して気にかけてもいない。
だからなんだ? だからどうしろって?
そんなの関係あるのか? 気にしろって? 構えって?
だいたい頼んでないんだ。産んでくれなんて頼んでない。押し付けがましいんだよ。その押し付けがましさは一体どこに身に着けたんだ? 胎内で自然培養されたのか?
生まれた環境は大事だってよく言うよな。
自由だって言ったはずなのに。なのにおまえは言った、おまえの人生は自由じゃないって。おまえと一緒にするな。頼むから一緒にしないでくれ。おまえとは違うんだよ。
世界は自由で人生は自由のはずだ。そういわれて育ってきたんだ。なのになんなんだ。
いざ社会に出るってなった時に実はそうじゃありませんでしたって。
しょせん言葉だけの綺麗ごと。優しい世界でふわふわ生きてきたやつの世迷言。
彼女が言った。
お願い、連れて行って。
行った先が天国だなんて思うなよ。逃げた先でうまくいくと思うな。絶望の先には絶望しかない。
それしかない。
大事なのは今この瞬間なのだと身をもって知ったね。今幸せならこの先も幸せなんだ、きっと。未来に期待しすぎるなんてただのバカだ。未来はそんなにいいものじゃない。
へらへらへらへら、その笑うを止めろよ。
睨み付けろ。睨みながら生きて行けよ。その方がうまくいくんじゃないのか?
きちんと立てよ、今のじゃまるでかかしだ。そんなんじゃちょっとぶつかられただけで倒れてしまう。
以上だ。