白昼夢と現実
少女「ここはどこだろう・・・」
周りには何もない・・・
真っ白な部屋・・・・
無限に広がっているかのようにも見えるほど真っ白で壁や床などの境界線も見えない・・・
だけど恐怖心はない・・・むしろ懐かしいような・・・
声「こんにちは、[私]♪」
不意に後ろから声が聞こえた・・・
振りかえるとそこには自分がいた・・・
正確には自分とは違う感じがする・・・
ただなんとなく・・・雰囲気だけが違う自分・・・
視覚的な違いは[私]とは違い真っ白なワンピースを着ている
私「あなたはだれ?」
わたし「[わたし]は[私]」
私「?????」
わたし「わからなくてもいいよ、これは夢なんだから♪」
わたし「[私]はなんであんなつらい[世界]で頑張るの?」
私「わからない・・・」
わたし「そうだよね~♪」
わたし「わかるわけないもんね~♪」
[私]は馬鹿にされている気がして少しムカッとした・・・
わたし「だって[私]の人生は[わたし]が暇つぶしのためにやってるんだもんね♪」
[わたし]はそのすぐ後ろにある真っ白な箱に腰掛けながら言葉を続ける。
わたし「本当はもっとじっくり楽しむ予定だったんだけどね」
わたし「もう[道]決まっちゃったみたいだしだったらここらが潮時かなってね♪」
私「[道]って?」
わたし「[私]のこれからの人生という[道]♪」
わたし「未来は自分で切り開くもの!だなんてあの[世界]では言ってるみたいだけど・・・」
わたし「[わたし]から見ればそれは違う」
わたし「[私]は自分で[道]を選んできたの?♪」
私「[私]の人生だもの!自分で選んできたに決まっています!」
わたし「それは嘘。」
わたし「[私]は[道]を間違えていじめられる運命に決まってしまった。」
わたし「もうその[道]は変えられない♪」
わたし「でもそんな未来はつまらない♪」
真っ白な[わたし]は箱の上に立ち上がりクルクルと踊る・・・
まるでお祭りのときに巫女の人が踊る神楽のように・・・
わたし「だから[私]をここに招待したの!!」
わたし「だから[わたし]はあなたに1つの命令を与えます♪」
わたし「それが達成できればいじめられる[世界]から逃げられるんですよ~」
私「あなたが言う[道]を変えられるの?」
私は希望があると心躍らせて[わたし]の言葉を待つ・・・
・・・・・・・・・
わたし「・・・・無理♪」
わたし「だって一度決められた[道]は変えられない♪」
私「じゃぁどうやって?・・・」
にっこりと[わたし]がほほ笑む・・・
わたし「いじめられるあの[世界]飽きちゃったから、もう死んで♪そして次の[ガジェット]で遊びましょう♪」
私「!!!!!」
あまりの言葉に[私]は一瞬意識を失っていたのだろうか・・・・
気がつくと元の部屋に戻ってきていた・・・
脳裏に真っ白な部屋で言われたことが木魂する・・・
自分はいじめられる運命・・・
それはもう変えられない・・・
少女の心はもう限界だった・・・
絶望・・・
朝が来るのが怖い・・・
人に会うのが怖い・・・
みんなの視線が怖い・・・
誰に相談してもいじめは解決しない・・・
言えば逆にひどくなる
逃げ場がない・・・
少女「もう・・・やだよぅ・・・・・」
幻覚だったかもしれない・・・でもかすかに聞こえたあの声・・・
声「死んじゃえば・・・その[世界]から逃げられるよ♪」
少女「・・・・・・」
そしてその夜・・・・
少女はその世界に手紙を残し・・・
マンションの屋上から飛び降りた。
地面に体が着く寸前。
世界が止まり少女の持ち物に世界が吸い込まれていく・・・
あの[テニスボール]と同じように。




