真っ白な箱
周りの景色全てが吸い込まれると先ほど死んでしまった彼女が動き出した。
少女「あーーーーーーーしんじゃった!」
少女はそう叫ぶと真っ白なベッドに倒れこみ天井を見た。
一面真っ白、家具はベッドと部屋の真ん中にある大きな箱とその周りに散らかる文房具やらおもちゃ。
部屋の角には開くかどうかもわからない、ただの絵で書かれたドア。
少女はきれいな黒髪だった。
整った顔立ちはまるで人形の様。
目は大きくクリクリとしている
身長は低く150前後だろうか。
服は汚れ1つない真っ白なワンピース
少女「うまく行ってたと思ったのになー」
少女はその手に箱から出したと思われる[テニスボール]を持って眺めていた
少女「まぁお腹すいたし何か食べようかな♪」
[テニスボール]を箱に放り込み絵のドアに手をかざし念じる少女。
少女「・・・・・・」
絵のドアは本物となり開く。
するとそこには食卓が、そして、すでに湯気の立つご飯が並べられていた。
少女「いっただきまーす♪」
~~~~~~~~~~~~~
あなたの人生、本物ですか?
そう言われて戸惑うかもしれません。
でもあなたがつくられた存在で決められた役を演じるだけの存在だとしたら?
何者かの意思で存在してるだけの人と言う[人形]だとしたら。
あなたはたえられますか?
~~~~~~~~~~~~~
少女「あー、お腹一杯。」
少女「食べる必要がないって言っても食べたくなるよぉ♪」
きれいに食事を食べ終わった少女は真っ白な部屋に戻る。
するとかってにドアが閉まり元の絵になった。
少女「さて、また[ガジェット]で遊ぼうかな♪」
少女が箱に手を伸ばす・・・・
ビー!!ビー!!
無機質な警告音が鳴る。
箱「[ガジェット]の使用についての説明を開始します」
少女「この説明毎回めんどくさいなぁ・・・」
箱「この箱の中にある道具はすべて[ガジェット]と呼ばれる物です」
箱「使用することでありとあらゆる人生を形成し体験することができます」
箱「体験中は[ガジェット]を外部から強制的に停止することはできません」
箱「また一度使用した[ガジェット]は一定期間再使用することはできません」
箱「もう一度聞きますか?」
すると箱の前に謎の選択肢が現れ、はい/いいえ、を押せるようになる。
少女は迷いなく[いいえ]を選択し箱をあさり始める。
箱「了解、よい人生を」
少女「よい人生。・・・」
少女「あははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!」
少女は腹を抱えて笑う。
少女「人生か!あははははははははは!!!」
少女「たかだか箱ごときが[神]によい人生をだと?あはははははははははは」
少女は生まれて間もない[神]だった。
八百万の神々の一人、[神]の少女
少女「[ガジェット]の中にある[世界]は全部全部私の物!私の人生!」
少女「誰にも干渉できない、逃げられない!」
少女「さぁ!今日もはじめましょう![ガジェット]によって紡がれた[世界]へ」
少女「たのしいたのしい人生の始まりだよ!!」
少女はそう言うと箱から[ナイフ]を取りだし高くかかがる。
すると少女の手にした[ナイフ]からあらゆる物があふれ出ていく・・・
まるで[ナイフ]から世界が出てくるような・・・




