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短編

作者: (=`ω´=)

 人間の彼はいった。

「夢をみたよ。

 夢のなかでぼくは、一体の巨大な龍であって、黒と銀の光沢をもった奇麗な鱗に包まれ、立派な角と鉤爪を持ち、自由自在に天空を駆け巡るんだ。

 その爽快なことといったらなかったよ。

 そして、目覚めてからこう思ったんだ。

『やけに現実味のある夢だったなあ。

 夢の中の自分と、今、目覚めている時の自分、いったいどちらのほうが本当の自分なんだろうか?』

 ってね」


 龍の彼はいった。

「夢をみたよ。

 夢のなかでおれは、一匹のちっぽけな人間であって、地味な灰色の窮屈な着物を着、首輪のような布を首に締めて、毎日行きたくもない灰色の箱のなかに通うんだ。

 その味気ないことといったらなかったよ。

 そして、目覚めてからこう思ったんだ。

『やけに現実味のある夢だったなあ。

 夢の中の自分と、今、目覚めている時の自分、いったいどちらのほうが本当の自分なんだろうか?』

 とな」


 人間の彼女はいった。

「わたしという存在がいて、毎日やるべき仕事もあって、とりあえずは将来に対する不安もない。

 それでも、そんな問いを真面目に追求する必要があるかしら?」


 龍の彼女はいった。

「わたしという存在がいて、毎日やるべき仕事もあって、とりあえずは将来に対する不安もない。

 それでも、そんな問いを真面目に追求する必要があるかしら?」


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