実現への第一歩。
国を建てる前に一軒家からってのも現実的で良いかもしれない。
コツコツと成果を伸ばせばきっと辿り着けると信じている……。
まぁ…金要らず、資材は今は現地調達、雇う人間も今の所は必要ない……建築する上で『チート』だよね……この能力!?
(より良いのは資材や備品が掛かるかもだけど…)
「ノル様…じゃない!ノル……まだ建ってないけど大丈夫かな……失敗したの?」
「違うよルシア。これは…こうすると……」
僕は建設予定地のパネルに手を触れると『完了』のマークが出てきた。
それをタッチすると3Dプリンターの様に下から順に仕上がっていく?
二人はその不思議な光景にガン見しながらその様子を見届けていた。
「こんな感じで出来ていくんだね…圧巻だよ!」
「すごい……としか言い表せないですね。」
猛スピードで出来上がっていき、5分くらいで完成してしまった。
「ノル……早速、中に入りましょうよ!」
待ちかねないのか作った本により先にドアを開けて中へと入っていくルシアを見ながら僕は笑いを堪えていた。
「まるでお子様じゃないか…クスッ♪」
「早く♪早く〜♪」
中は広くて全然、圧迫感を感じさせない作りになっていた。
一階はリビング、トイレ、風呂、キッチン。
二階は寝室が三部屋あった。
トイレとお風呂がそれなりにキレイだったことに驚いているとルシアもまた、驚いていた。
「普通は複数人の専門職で数ヶ月かけて建てる家をたった一人……しかも、数十分で建てるなんて驚きですよノル様!?」
(あまりに驚いて"様"呼びになってるよ…)
「まぁまぁ…僕も驚いてるよ。」
素材……材料さえあればもっとステキな家が建てれるかもしれないと思うと僕の中ではワクワクとドキドキが同時に波を打つようにひしめき合っているようだった。
(♪♪♪)
(何だろ…この音楽……?)
急に明るいポップなリズムの音が頭に流れる。
その後、アナウンスの様な声が聞こえる……
【レベルアップ♪】
レベルアップ!?魔物とか倒してないのに成長した……という事は建築スキルをしようしたから?
だとしたらスキルを使い続けていけば新しいスキルが手に入るかもしれない。
「ん?」
(スキル表示に【新】のマーク?)
「どうかしましたか?」
「何かスキルを覚えたみたいでちょっと確認してみようと思って!」
「レベルアップされたんですか?」
(あれ?さっきの音は聞こえてない?)
「そうなんだよ♪」
この世界ではレベルが存在する…そしてその上限はレベル5までと少ない。
しかし、様々なステータスとスキルが増える為、上限まで上げようとするけれど、レベルアップするのはかなり大変と書物に書いてあった。
「とりあえず確認してみよう!」
僕はそのマークを確認すると確かに新しいスキルを二つ覚えていたのだった。