レベッカの心眼とルシアの想い
「エリーナ姫がどうしてこないな所におるんよ?」
レベッカの疑問もごもっともだと僕も思うけど、さすがにこれ以上は隠し通せない気がする。
「実は僕ら結婚してるんだ!」
「……なっ……何やてぇーっ!?」
頭の回転が早いレベッカですら状況がまるで飲み込めていないようで暫くの間は放心状態だった。
「ほな…二人は結婚してノルさんはノルウェルに嫁いだってこと?」
「いいや、エリーナが嫁いだって形だよ。
実はエリーナのお父さんとお母さんから家名を新しく名乗りなさいと言われてね…正式に家名を新しくして今はノル・アルフォードと名乗っているんだ」
「私はエリーナ・アルフォードにございますわ!」
「家名が変わる……?ノルの方に姫が嫁ぐ……何やそれ……ホンマに面白いことしよるやん!」
「ノルって……何人くらいまでならお嫁さんOKなんかな?あの硬派なエリーナ姫を口説き落としてる所に加えてこの街を短期間で発展させ…その上、こないにも沢山の人材に恵まれてるんは才能よ?」
僕の力だけではここまでの街にはならなかったと思う……色んな人が支えてくれたのも大きい。
それにエリーナが妻になったのだって奇跡みたいなものだし、全てのことに感謝しないとバチが当たりそうだ!
「そんなに妻はいりませんから!」
「そうなんか?女はアドバンテージやで?どんな女を娶るかで舐められへんくできるし!」
「それはそうだろうけど……僕はそこまで器用ではないんだ。一人を幸せにするので精一杯さ。」
「なら、そこのメイドはどうなん?彼女の顔……寂しい目をしとるやないの……自覚はないん?」
「私ですか……私は気にしないで下さい。ノル様の従者であり、盾にございます!」
レベッカに言われてルシアを見ると確かに切なそうな表情をしている…今までルシアは世話係であり、大事な……
「エリーナ姫は見ていて好きが分かり易いけど、そちらのメイドさんはちょい隠すのが上手い感じやから気づかんのも分かるけど…鈍感ほど失うもんはデカいと思うで?」
「ゴメンなルシア…気づかなくて。僕は本当に鈍感でダメな男だ……。」
「違うんです!確かにずっと側で過ごして来たので他の女性がいる環境に慣れていないだけです。
好きだとしても身分差がありますから……」
その言葉に思わずレベッカがツッコミを入れた…
「その身分差って…今はノルは王でも無いし、王子でもなければ、貴族も違うんやろ?やったら身分差なんてもんは今は無いやん!」
すると、ルシアはその答えがあまりにも的を射た発言に思わず顔を真っ赤にして崩れ込んだ。
僕はルシアに対して昔から恋心を抱いていたが、それがまさかの両思いであることにようやく気付かされた。それもこれもレベッカのフォローあってこそかもしれない。
しかし……僕は大事なエリーナを傷つけるかもしれない。それでも、真剣に向き合うことをノルは決意したのだった。




