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レベッカと皇帝ザリオン

「剣を抜きはったけど…ええの?」

「覚悟なくして剣は持たぬわ!」


 はぁ……この程度の揺さぶりに頭に血を上らせて戦だったら軍の指揮官にはなれないわね。まともな男なら結婚はしなくても帝国の繁栄に貢献してあげるつもりだったけど……帝国も終わりね。


「覚悟はあるようやね。敬意を払い名乗るのは礼儀やな!私の名はレベッカ・シャフタール。」


 レベッカはお供に剣を渡す様に指示をすると真紅のような赤い刀を受け取り、鞘から剣を抜いた。


「私が相手してあげるわ!」

「痛い目を見せてやる。覚悟しろよ…レベッカ!」


 両者が構えた時だった。別の男性の大きな声によって剣をぶつけ合う前に止まった。


「静まらぬかっ!」

「ち…父上!?」


「どうして見合いに来ている姫と斬り合おうしておるのか…レオン…説明せよ。」


 レオンは父ザリオンにことの経緯を説明し始めると、レベッカも剣を従者に渡して席に戻る。


「ほう。バカもんがっ!冷静さを欠いてどうするのだ…獣王国と敵対するのは愚策だと知れ!」

「しかし、父上……この女は俺の誇りを汚した。

侮辱されて笑顔で居られるほど腑抜けておりません!」


「アンタがこの国の皇帝ザリオンさんですかぁ?」


 話に割り込む形で国のトップに話しかける度胸に周りの従者は『またか…』って顔で諦めモードになっていた。


「礼儀をわきまえぬ姫よ。そうだ、我がこの帝国の王ザリオン・ラスタードだ。本来ならば処刑されても致し方ないと肝に銘じよ!」


「ホンマに私を(ぎょ)せるとお思いなん?それやったら親子揃ってお花畑やわぁ。」

「小娘よ。何を狙っておるのだ?人を焚きつける意図が読めない…そもそもお見合いはそちらからの申し出じゃったはずだが?」


 勘の鋭い皇帝を前に顔色一つ変えずにレベッカは答える。その真意と目的について……。


 

 

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