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【結婚式】

 こんなステージをいつから準備して……それよりもギャラリーが多い気がする。

 確かにこの国のお姫様だから無理もない。


「ちょっと…」


 王様が僕に小声で話しかけられ、振り向くと何かを手渡しで受け取った。


「これ……!?」


 王様はニコニコしながら(うなず)いてみせると民の方に向き直した。


「この箱は……指輪!?」


(普通は僕が準備するのでは…ってまさか……)


「皆、聞いてくれ!」


 急に王様が全員に向けて話し出すと民は静まり返っていた。


「さぁ…前へ。」


 王様が僕とエリーナをステージの前に出すとこれから起きるサプライズの全容を話し出した。


「これより結婚式を開催する!」


 響めく……関係者達と王妃様…。

 それと、エリーナも呆気に取られていた。


「エッ!?」

「エーッ!?」


 王妃とエリーナが大声で驚きを表現すると続ける感じで民達も驚きと歓喜に包まれた。


「あれ?結婚式って明後日じゃなかった?」

「そうよね…今日は婚前パレードでお終いよね?」

「まぁ…王様だしな……」

「そうね…あの王様だし、サプライズ多いし!」


(マジか……慣れてるの!?)


 いつものことって感じで

 

 

 まぁ、事前に僕は例の指輪を受け取った時点で何となくは予想ついてたけど…まさかこのタイミングでするなんてね〜驚いた。


「お父様!ちょっと……」

「あなた…ちょっと……」


 二人が王様に詰め寄るとこの状況の説明を求めていた。


「今日はパレードだけじゃないの?私にも言わないなんてサプライズ過ぎよぉ〜!」

「私にだって言って欲しかったです!事前に準備とか……心の準備とかありますわ。」

「ほれほれ、民は結婚式ムードになっとるぞ?」


 仕組んだ貴方が言うのですか……王様よ。


「牧師も呼んでおるから安心しなさい。」

「安心のイミ……」

(ついツッコんでしまったけど…やるしかない!)


「エリーナ…やるよ!結婚式。」

「はい。ノル様と一日でも早く結婚できるなら私は幸せでございます。」


 牧師が壇上に上がると僕は一度、指輪のケースを手渡した。

 奇遇なことか……意図なのか……お互いに白いドレスとスーツを着せられていたから着替えることも無く、淡々と結婚式は進んでいった。


「辞める時も健やかなる時も…愛を誓いますか?」

「誓います!」

「はい、誓いますわ!」


 牧師から僕とエリーナに指輪を渡されるとお互いに指輪を交換し合った。


「では、誓いの口付けを……」


(緊張とサプライズが効いて逆に落ち着いたかも)


 お互いに口付けを交わし、お互いに初キッスとかなりピュアな初々しい雰囲気が会場に立ち込めると皆んなから盛大な歓声と祝福を送られた。


 それにしても百歩譲ってエリーナの指のサイズが分かったとして、僕の指のサイズはどうやって分かった!?

 それよりもあの短時間で指輪を作ったのか……最大のミステリーだ。

 

 

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