婚前パレードは恥ずかしい！
目を覚ますといつもの部屋と違った天井を眺めながら起きた。
「もう……朝か。」
今日はノルウェルの街並みを練り歩きながら僕とエリーナのお披露目を兼ねてのパレードが催すことになっていた。
「ちょっと緊張……」
緊張感を感じながら今日の衣装に着替える。
お披露目と言うこともあり、結婚式を彷彿とさせるような真っ白なスーツに身を包む。
昨日の時点でお付きを準備されそうになったから慌てて断って自分の事は自分でします！と言った手前…頼りにくいのもまた事実なんだよね。
このくらいなら一人で十分だけど。
ちょうど着替え終わったタイミングでコンコン…っと扉をノックする音が聞こえ、外からエリーナの声がした。
「ノル様…エリーナです。」
「ん？どうしたのエリーナ？」
僕は直ぐにドアを開けるとそこには純白のドレスに身を包むお姫様がそこにいた。
「きれいだ……」
正直な感想が声に出てしまっていて、言った本人も赤裸々だが、言われた側も真っ赤になっていた。
「ノル様ったら…♡」
「あの……」
二人のムードに割って入って来たのはグラリオスと言う執事だった。
「失礼…時間が圧していますのでお早めにお願いします……」
「準備できているので直ぐに行けます！」
「では、参りましょうね！」
城門まで移動すると王の馬と呼ばれる王族専用の馬車が用意されていた。
外装もとにかく豪華な装飾に彩られ、中もフカフカな椅子は座っていると……落ち着くなぁ〜♪
グラリオスは全員が馬車に乗り込むのを確認すると馬車は動き始めた。
王様、王妃様が正面の席に座り、僕とエリーナは反対側に座る構図だ。
馬車の中で王様から聞いた話によるとスタートは町の外側から順に周りながら内側に移動して最後は町の中心にある大広場でゴールとの事だった。
「今日の仕事は笑顔で民達に手を振り返すのが仕事じゃぁ……まぁ、気楽にやってくれ！」
「分かりました…頑張ります！」
「リラックスよぉ〜元は王族なのだから自信を持って民を喜ばせましょう♪」
「ハイ！やってみます♪」
王様と王妃様の言葉を受けて僕は少しリラックスできた。
沿道では数多くの民達が大歓声の中……手を振ってくれていた。
僕に送られる声援はあまり無かったけれど、王族が決めた結婚と言うことで期待が向けられていた。
「あの方がノル……さまか？」
「あのエリーナ様が認めた殿方…」
「確かエリーナ様は全てのプロポーズを断ったってオレは聞いたけど……どうなんだ？」
民達にのうわさ話が薄らと聞こえながら馬車はゆっくりと進み…何の問題もなく中央広場に到着して僕達は馬車を降りて会場のステージに立った。
「皆、よく集まってくれた！皆も知っての通り、我が娘に好いた男が居ったのじゃが…今回はこうして皆に伝えれる日が訪れたぁ！」
民のボルテージは最高潮になっていた頃、再び僕らは王のサプライズを受けることになってしまうのだった。
