議題は村の名前について。
―次の日の昼過ぎ―
「皆さんお疲れ様でした!久々に集まれたので今日は食事をどうぞ召し上がってください♪」
「久々じゃねぇかノル!」
「ファルは元気そうだね!」
「おうよ♪」
「皆さん、食事しながら聞いて下さい!」
「ノルっち……愛の告白かね!?」
「誰ですか?フレアさんに酒を飲ませたの……」
「私は……酔ってないから!シラフだから〜♪」
「ゴホン…簡単に言うと村の名前を皆んなで決めたいんです。皆さんのお陰で順調に計画が進めているからこそ……一緒に決めて欲しいんです!」
それから沢山の意見が飛び交った。
『ノルドラ』、『バレノル』、『グランノル』などとても良い名前が上がってくるけど"ピン"と来ないでいた。
「どれも良い……から困る。」
「私も案を出しても良いですか?」
料理で忙しそうにしていたルシアが僕の近くにやって来るとボソッと【ノルティア】ってのも魅力的だし……『ノルリア』も……
「それだ!」
「えっ!?……どれです?」
「ノルティアだよ!
"ノルティア共和国"ってイイ響きじゃない?」
「「異議なし!!」」
全員が口を揃え、納得した様子で頷いていた。
思ったよりアッサリと決まってしまったけど僕が目指す国は【共和国】だからこのタイトルに相応しいのは『ノルティア共和国』がピッタリだ!
それからは昼間だと言うのに宴会みたく盛り上がり、大人はベロベロに酔っ払っていた。
宴会は結局、夜まで続いて久々に羽を休めれたようで僕は少し安心していた。
僕は一人離れて夜空を眺めながら物思いに耽っていた。
「一人になったと思ったけど……」
ルシアが追って来てくれて、レイチャード殿、ロール、フレア、ファル、ゼノビアが協力してくれて支えになってもらって……仲間の大切さを知った。
それに帝国民は僕を裏切り者だと思っていると思っていたけど実は未だに慕ってくれていると感じられて一層、帝国から民を逃す決意が固まった気がするよ。
「コレから先は勝手に誰からも奪われない最強の国作って全員が幸せな国を目指す!!」
「その為には私達をお使い下さい。ノル様。」
「うわぁっ!!?」
(急にビックリした……な)
後ろを振り返るとそこには全員が片膝を立てて頭を下げて敬服する姿があった。
「皆んな……」
「「我々は貴方様に忠誠を誓います。」」
(僕は幸せ者だな……)
両親に見限られ、兄にも見捨てられ、帝国を追放された僕に残されたのは『建築スキル』だけだったけど……僕にはこんなにも頼れる味方が居てくれるなら…もう、怖いものなど一つもない!
「さぁ、建国するよ!皆んなーッ!!」
「「オォーーーッ!!」」




