心強い同士。
「お久しゅうございます。ノル様。」
「え……っ?エェーッ!?すまない。」
「只今、戻りましたノル様。」
自分のスキルで驚き疲れているタイミングで今日一番の驚きにつぃ、声を上げてしまったよ。
この人は……
「レイチャード殿、本人が来るとはビックリしましたよ。」
経済学や文明学といった知識を教えてくれた師であり、僕に国のあり方をコッソリと教えてくれた人がわざわざ……ってレイチャード殿は普通に領主だから離れて来るなど中々に無茶をなさる。
「えっと…こんな辺境の森の中へとご足労頂いて申し訳ありません!」
「いえいえ……死んだと聞いていたので……」
そういうと涙を流しながら僕を見つめる。
「すみません……無礼を承知で失礼します。」
「はい……はい?」
ギューっとノルを抱きしめるとしばらくの間、泣き崩れてしまった。
「すみませんね。あっ!我、甥っ子であり、今後はノル様に仕える娘とそのパーティを紹介してもよろしいでしょうか?」
情報量が急に増えて僕はどうすれば……
「分かった。許可しよう……じゃなくてお願いしますね レイチャードさん。」
「ハッ!さぁ、入ってくれ。」
外から3人の男女が中へ入って来るとレイチャードさんはそれぞれに自己紹介をさせた。
「これが私の娘で名をロールと言います。」
「ロールよご挨拶せい。」
「はい、お父様。紹介に預かったロールと申します。ノル様……よくご無事でした…」
お父さんと同様の綺麗な金髪の長い髪を後ろ手に結んで赤いリボンが可愛らしい……が、どうしてなのか彼女の服装は全身が銀の鎧を着ているのが不思議に思いつつもロールの心配してくれていたという気持ちが嬉しかった。
「ありがとうロールさん。宜しく頼みます。」
「ハイ!こちらの2人は私から紹介させてください!」
ロールは2人をチラッと見ながら僕に説明する許可を取りに一度下がると3人でヒソヒソと密談を始め……直ぐに結論が出たのか戻ってきた。
「こちらはゼノビア……魔法士です。」
「お初にお目に掛かります…ノル・ラスタード様」
(へぇ〜ちゃんとした礼儀作法を心得ているな。)
「堅苦しいのは嫌いなんだ!ゼノビアさんもこれからの計画の事は聞いた?」
「はい。ルシアさんから少し聞いてます。」
さすがはルシアだね!ちゃんと皆んなに今後の話をしてくれているなら計画も進め易い。
「帝国を滅ぼしてラスタード帝国の領地を手に入れて国を建国するまでが、ノル様の計画ですよね?」
えっと……待て……かなり飛躍してないか!?
ルシアには確か邪魔させないように策を考えるから
『知恵を持つ人を知らない?』って聞いたはずだけど……いつ頃から滅ぼす前提の話になった!?
その頃……帝国では……