策士策に溺れない!
あの帝国を妨害しておかないと最終目標……
【自分の国を建国する】って言う夢には到底、到達し得ないだろう。
寝る前にルシアには帝国の探りと大事なお使いを頼む事にした。
次の日の朝。
「ノル様、少しの間……お一人にさせてしまいますが、必ず朗報を持って帰りますので家から出ないようにお願いします。絶対にくれぐれも……」
「分かったから……行ってらっしゃい!」
「行ってきます。夕方には帰ります!」
ルシアは過保護過ぎる一面があるんだから。
よし、村の整備の為に膨大な土地の半分程……帝国がスッポリと収まるくらいのエリアをスキルで丸裸にしていた。
だいぶ……整地できたけど…この森林地帯ってどんだけ広いんだぁーッ!!
広げていって気づいた事が二つある。
一つ……想像よりも数倍は広大過ぎること。
二つ……魔物が居ないってこと。
まぁ、範囲指定の距離がレベルアップした事でかなり広がったのもあって巻き込んでいるらしい。
「やっぱり……」
まだ、魔物だけで確かな事は言えないけど魔物とかは素材に変換して収納され、動物や昆虫と言った生き物は対象外のようで収納を調べても中には見当たらなかった。
「つまり……」
僕のレベルアップは整地のスキルを使用しただけではなくて魔物をスキルによって収穫した事で経験値として大量に得られている……のかも。
【レベルが上がりました!】
・ステータス上昇とスキルの追加、スキルアップしています。確認されますか?
「普通は数年に一回、レベルアップすれば言い方って言われているこの世界でギフトを手にしてから…
二日……レベル3って驚きなんだが……」
それにしても夕方近くになってもルシアは帰って来ない……大丈夫かな?
ブルッカスの街に知り合いが居て話をして来るって言っていたっけ…あそこの領地はレイチャード殿が納める土地。彼は他の国々にも人脈があり、様々な文化を取り込んだという先進派な考えを持つ方…とは言っても下級貴族…ルシアが僕の使いと聞けば危ないかもしれない。
帝国の元第二王子に加担するなど愚の骨頂だろうから硬い考えの人間なら上手くいかないだろうな。
「トントン、トントントン……」
「はーい!今開けるから待って。」
ノック音……誰だろう?僕はドアを開けて外を確認するとそこに立っていたのはルシアともう一人の人物が共にドアが開くのを待っていた。
「ノル・ラスタード様……」
彼の事は知っている。自分に様々な知恵を与えてくれた人だったから。