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天才アルファ博士の発明品。

アルファ博士が発明した鳥ロボットの効果とは?

「こんにちは、アルファ博士。何か発明されました?」

「これは、これは、良いところに来てくれた。実はこんなモノを発明したんだが。」

それは、ちょっと見た目は悪いが、恐らくは鳥ロボットで、十数種類のラインナップが揃えられていた。

ペットショップを経営しているデルタ氏は、博士に尋ねた。

「いったい、それは何ですか?」

「良く聞いてくれた。最近、鳥の売れ行きが悪いって、君が言っていたじゃないか。」

「それはそうですが、その鳥のようなロボットと、どういう関係があるんです?」

「実は、このロボットから発せられる鳴き声を人間が聴くと、直ぐに、鳥を飼いたい気分になるという、まあ、ペットショップの君たちには実用的な発明品なのだが、、、」

「いや~、博士。すごい発明じゃないですか。できれば、ひとつ譲ってもらえませんか?」

「そうしたいのは山々だが、、、」

「だめなんですか?」

「いやぁ~、そういうわけじゃないんだが。」

「1台、いくらぐらいするんですか?払いますので、ぜひ譲ってください。」

「まちまちですね。でも開発費があるので、一番高いのは「ウグイス」で50万円ほど。一番安いので、「スズメ」は1万円もいただければ良いのですが。」

「それじゃ、スズメを1台譲ってください。」

「良いんですか?スズメで。」

「はい、結構です。」

「本当に良いんですね。」

博士は念押しした。

「ええ、良いですよ。」

デルタ氏は1万円を払った後、心の中で思った。

『まったく、博士は天然なのか、ポーカーフェイスなのか。今回分かったのは、天才でも人間という生き物は、こと商売となると少しでも高いモノを売りつけようとすることだ。博士は違うと思っていたのに、残念だな。』

デルタ氏は、購入したその鳥ロボットをペットショップの10メートル手前の木にセットして、ペットショップの中で、ニコニコ顔で「獲物」のお客様を待った。

たまたまそこに通りがかった青年が、ロボットから発せられる鳴き声を聴いたとたん、そこのペットショップに駆け込んで来た。

デルタ氏は、元気よく叫んだ。

「いらっしゃいませっ!」

その青年から発せられた言葉は、

「あの~、この店に素晴らしい鳴き声の・・・」

『ほら、来た。やはり安くても博士が作った発明品だ。効果のほどは確かだなぁ~。』

デルタ氏の顔がさらにほころんだ。

「そのぉ~、スズメを一羽、ください。」

「・・・・・・・・」

本作品は、第4回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞に応募した1,000文字以下のオリジナル超短編小説となります。この作品は、個人サイト「もっちゃんの3S。」にも掲載しています。

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