がっつりバトル! 幻想種、氷の妖魔・その1
ヤバいと思って引き返したら。
ヤバいと思うしかないヤツがいた。
幻想種。
幻想種ねぇ。
もうね、響きが強そう。
ハンターたちがイヤそうな顔で驚いてるあたり、まぁ、ボスキャラとして相応しい相手なんだろう。
さすがにね。
こうなると女神の加護を使わざるを得ない。
結界に穴あけたりね、ジンガーとキルシアの武器を祝福してみたりとね。
さて、見るからにパワータイプ。
こういうのは動きが遅いのが定番のはずなんだけど。
ナイフ、避けたもんなぁ。
仕方あるめぇ。まずは黙らせるか。
指パッチン!
よし。
ゴーレム少女をリング状の式陣でぐるりと。
加減している場合ではなかろうなので、たっぷりと。
術式“不動の縛鎖”!
からの祝福!
対象、魔獣。
範囲、鎖の内側。
効果、妖気の剥奪。
鎖のグルグル巻きで動きを封じつつ、妖気を奪って完全に無効化を―――
「んーッ! えいッ!! ……ふぅ。お兄さんってば、とても情熱的なんですね。でも、わたし、そういうのもキライじゃないですよ? あはッ♪」
されてないね?
『な―――ッ!? そんなバカなッ!? 女神の力が通じないというのかッ!? そんな、そんなハズは……ッ!!』
珍しく女神さま、驚きまくり。
んー。
でも、俺的にはわからなくもない。
どれだけ女神の加護が最強でも、それを使ってる俺はほら、所詮は人間だからねぇ。
「ふふッ……わたし、とても楽しくなってきちゃいました。もっと。もっと、もっと賑やかに。ねぇ、お兄さん? わたしと楽しく踊りましょう? もちろん、他の皆さんのパートナーもちゃんと用意しますから」
女の子が自分の体を抱きしめる。
妖気が揺らめいて……うわぁ、すっごいイイ笑顔!
「―――舞え。“アイスドール・ダンス”」
RPGとかならまだわかるんだよ。
だけどさぁ、アクションゲームのボス戦でザコが無限に湧くのってさ、ボクぁどうかと思うんだよね?
ワラワラと出てきました。
アイスゴーレムというか、アイスゴリラって感じ。
見るからに腕力に自信がありそうだな!
さて、なんだか優雅さとはかけ離れたダンスの時間になりそうだ。
せめてもの救いはボスの狙いが俺だってこと。
と、いうワケで。ホークアイッ!
「おうッ! へッ、相変わらず器用なヤツだなお前は。だがこれなら戦えそうだ。バルドークとギルザは俺たちに任せなッ!」
ホークアイの双剣にもエンチャント。
うん、ネルガさんやサラには後で尋問されそう。
そんときはそんときだな。
んー。
実際のとこピンチっちゃそうなんだろうけど。
まだまだ試せる祝福はたくさんある。
あるんだけど。
なんだろう?
イヤな感じと……少しだけ。少しだけ俺の背中を押してくれるような、そんな感覚。
霊気とも違う、魔力とも違う。
精霊が……?
ふーん? 面白くなってきたじゃない?




