どきどき探索、氷の精霊遺跡・その2
「こりゃあ、いかにも裏口って感じの裏口だな」
日記から得た情報。
正面からはネルガさんたちにお任せ。
我らは裏手から侵入。
特に意味はない。面白そうだからだ!
では、いざ突入! の、前に。
「これは……指輪か? またなにか仕込んで……ほう。精神汚染対策、ときたか。精神汚染。初めて耳にする単語だな」
「そうね。言葉の響きからして、穏やかではないわね?」
できることはなんでも予防。
毒やマヒのような、身体的な、物理的な問題は対処も楽。
だけど混乱とか催眠とか、そういう精神系は難しいだろう。
見た目でワカランからね。
がっつり祝福術式を組み込んでるけど、みんな術師ではないから。
たぶん、大丈夫。ばれない。
もっとも、大丈夫じゃなくても見殺しにするくらいならソッコーで祝福使うつもりだけど。
「トラップとお友達な斥候役としてはありがてぇな。さて、扉の下はどうなってますかねぇ~っと」
横向きではなく下にある扉。
コンコンとノックして、音の響きを確かめている。
「空間はちゃんとあるな。案の定というか、生物の気配は感じねぇ。魔獣もな。もっとも、他の遺跡ダンジョンでの経験が通用するのかどうか」
そもそもたどり着くまでの氷剣吹雪がイレギュラーらしいからね。
扉、おーぺん。
これ、素材……なんだろう、石でもないし鉄でもない。
木材とも違う、けど軽い。
鑑定! ……錬金素材?
錬金術。錬金術式か。そういうのもあるのか。
「デュラン、どうした? その扉になにか変なところでもあるのか?」
おっと。ごめんちゃい。
グローインド王国で買い漁ってきた術式指南書には錬金なんて項目なかったからさ。
ついね、つい。
こうゆうのいいよね。歴史とかを感じてさ。
二千年の間に失われた技術なのか、それともグローインド王国には無く、ルジャナ帝国ならではの術式なのか。
うん。
だから考え事してるタイミングちゃうねん。
扉の下は階段でした。
ありがたいね。飛び降りる系だと面倒だもの。
一応、祝福メガネも鑑定モードで。
「どれ……足元は……大丈夫そうだな。ちゃんと踏んだ感触はしっかりしてる。ただ、匂いっつーか、流れてくる空気はかなりイヤな感じだぜ?」
「そうねぇ。これ、血の匂いというか……えぇ、生物の死体の匂い。嗅ぎ慣れたモノと、そうでないモノと。両方よ?」




