どきどき探索、氷の精霊遺跡・その1
説明!
過去にここで起きた出来事。
そして精霊と、侵略者が残した……かもしれないお土産の話。
精霊使いとやらと、ルジャナ帝国の兵士たちが協力しても止められなかった何者か。何物か?
まぁ、とにかく遺跡の中は他とは違う危険がいっぱいという話。
「はッ! 二千年も前の話なんだろ? それがなんだろうと、どうせとっくに朽ち果ててんだろうが」
「まったくだ。そもそも二千年前というのも、その精霊に関する話も本当かどうだか……」
勇ましいね、若者ってば。
でもそれが普通の反応だと思うよ。
んー。
そうだな、ここで別れちゃうか。
「「えッ?」」
俺の目的は精霊探しに変わっちゃったからね。
遺跡そのものは……まぁ、いいかな。うん。
興味はあるけど優先順位は精霊ちゃん。
「へぇ。いいねぇロマンだねぇ。よし! 俺はデュランに付いていくぜ。精霊の遺跡で精霊探そうってんだ、どうせ奥へ進まないとダメだろ? なら、レンジャーはいたほうがいいよな!」
「術師と斥候だけでは前衛がおらんな。剣士も必要だろう?」
「攻撃一辺倒では……困るでしょう? 何事もバランスは大事……ですもの。ディフェンスは任せて、ね?」
物好きどもめ。
でもパーティーとしては悪くないね。
「なにを勝手なこと言ってんだテメェ!」
おや。
「ダンジョンではお互いにフォローできるよう、固まって行動すんのは基本中の基本だろうが!」
「アンタのワガママのせいで全員に迷惑がかかるんだ。そんなことすらわからないのか?」
クラスDのおふたりさんからのお説教。
ごもっとも。
「俺たちゃ遊びで来てるんじゃねぇんだぞッ! ったく、こんなことすらわざわざ言わなきゃわからねぇならよ、テメェ、ハンターなんて辞めたほうが身のためだぜ?」
「身のため、というよりは周囲のためだろう? 巻き添えを食らうほうがいい迷惑だ」
なんだ。
この子ら、ちゃんとプロ意識あるじゃん。
たしかに気にかける必要なかったな。
ただ。
前提が間違ってるんだよね。
俺はハンターじゃないし、ここには依頼ではなく遊びで来てるんだよね。
「「はぁッ!?」」
だからハンターとしての心得なんて知ったこっちゃない。
んで。
お三方はどうする?
「もちろん行くともよ。俺も依頼じゃないからな」
「同じく。ふたりの言い分も理解できるがな、今の私には関係ないことだ」
「フフ……サラちゃん、残念だったわね? ホークアイくんも。ふたりはあの子たちのいう通り、勝手な行動はできないものね?」
付いてくる気マンマンでしたとさ。
サラ、舌打ちしないの。まったくもう。
「むぅ……精霊も気になるが、ワシも頼まれ事があるからのぅ。依頼でなくとも不義理はできんし」
どうやらネルガさんもなにか用事があるらしい。
遊びに行こうと誘ってきたわりに、真面目に調査に来てたってことかな?
「……いやぁ~、ネルガのジイさんはどうだろうなぁ~? 不真面目とは言わねぇがよ、あれでなかなかテキトーなとこあるぜ?」
まぁね。いい意味でお茶目なとこあんのは俺もわかってきたとこだよ。
と、いうわけで。
俺、ジンガー、キルシア、ラムステラの4人パーティー。
精霊に会いに行くとしましょう!




