表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

91/306

わくわく冒険タイム、遺跡ダンジョン・その5

 よさげな建物で小休止。


 晴れていても雪景色、風は冷たいので壁はありがたい。




 さて。


 俺もゆっくりコーヒーでも飲みたいけれど、そうも言ってられない。


 祝福メガネを装備して、建物を調べる。


 言葉には説得力が必要。そのための材料探しだ。




 石造りの大きめの平屋。


 木造のテーブルにランプらしきもの。


 羽ペンに、たぶんインクが入っていたであろう植物性の容器。


 本棚。


 どれもこれも劣化が激しいが、期待できる。


 これが原始人的な野性味溢れる集落だったら大変だったかな。


「わたくしたちも、遺跡の側に転移門を置いて管理いたしますが……そういうフンイキとは違いますねぇ。なんと申しますか、こぅ……生活の残り香を感じますねぇ」


 ハンターたちもダンジョンの側に拠点を作るのは知っている。


 だが、それと比べると生活感が段違い。


 つまりはここで暮らしていた人たちが……うん? サラ、休んでなくていいの?


「問題ありません。それに、デュランさんが何をなさるのか気になりましてぇ。異変、あるんですよねぇ?」


 うーん、この鋭さよ。


 やっぱ祝福を控えたのは正解だな。




「わたくしたちを呼ぶモノと拒むモノ、その両方が存在する……ですか。それはそれは……ますます、えぇ、わたくしの知る範囲でありますが、ますます普通ではありませんねぇ」


 そしてそれが気のせいかそうでないかを確かめるために調査中……と言ってみる。


 なにかないかな~……っと。


 おや。おやおや?


「机の上にペンと雑記帳。別に不審な点はございませんが……ええ、殴り書きが、ページが破れるほど力を込めたのですね。そしてこの黒いのは……血痕でしょうかねぇ。それらがなければ特には気になりませんでしたねぇ?」


 いかにも、緊急事態感。


 ざっくり鑑定。


 ……。


 紙質、インクの劣化、その他もろもろ。


 少なくとも二千年前後。


 よくまぁ原型保ってんな?


 それも含めて異常なナニかが発生したのかもしれないね。


「二千年前後、ですかぁ。そうですねぇ……聞いた話では、ルジャナ帝国の現在の国土の基盤が出来上がったころ、でしたかねぇ。現代との大きな違いは―――」




「精霊信仰が最も盛んであったころじゃな!」


 おや、ネルガさん。


「つれないのぅ。ワシも混ぜてくれたまえよ。それで……ふむ、これまた古い言語で書かれておる、な……うむ……むぅ……」


「………。」


 ………。


「ふむ。なるほどな。……デュラン君、任せた」


 おぉ~い?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ