わくわくお料理タイム・の、前に
ギルドに帰還。
クラスDパーティーたち、もちろん説教。
ランク18へ降格だって。
もちろん不満ブーブー。
だが減点理由を読み上げられては黙ってしまう。
……リーダーを除いて。
「そいつ、マジシャンなんだろ! 戦えるんなら別にいいじゃねえかよ! 練習なんだろッ!」
「依頼通り温水湖には行ったし、無傷で帰ってきたんだし、成功は成功じゃないかッ!」
俺は別にそれでもいいけど。
ハンター的にはどうなのさ?
「そりゃアウトに決まってる。練習ってのはギルド側の、ハンター側の都合だからな。デュランは部外者だろ? なら、これは正真正銘、正式な依頼だ。信用問題アリアリだよ。それにな―――」
ギルドに出入りするのはハンターだけじゃない。
依頼人はもちろん、納品された素材の取引にと、色んな人が出入りする。
そんな場所で、依頼者を蔑ろにする発言。
しかも大声。
こりゃ、後々まで響くかも?
とはいえ。
依頼は成功。
つまり報酬は払わねばなるまい。
もともと渋るつもりはないけれど。
で。まぁ。払ったんだけど。
「チッ!!」
「………。」
ひとりは思いっきり舌打ちして。
ひとりは思いっきり睨んでいった。
うん。
気持ちはわかる。
失敗してイライラしてるんだもんな。
彼らにしてみれば、俺のことがムカつくだろうさ。
ただ気になるのはメンバーとの温度差。
リーダー以外は申し訳なさそうに頭を下げて出ていったからなぁ。
少し心配……え? あんまり気にしないほうがいい?
いやぁ、まぁ、そうなんだけどさ。
……。
気持ち、切り替えよう。
エビ。
しかもかなり大きめ。
これは食べごたえありますよ?
「おぅ。どんな味なのか楽しみだな!」
……。
ジンガー、依頼終わったから帰ってもいいのよ?
「なんだよ、つれないこと言うなって! そりゃ、湖では驚いたけどさ。やっぱ気になるんだよ。他の国では食べるんだろ?」
好奇心に負けたか。
ハンターらしいな。
それで……そちらのお嬢さんは?
「先ほどは、いえ、本日はご迷惑をおかけしまして、まことに申し訳ありませんでした」
ペコリと頭を下げるのは今日の護衛のひとり。
魔人族のアーチャー娘、アールヴューレ。
シャルミールと同じくらいの年頃っぽい。
今日の出来事について一通り謝罪を済ませると。
「私にも温水エビ、食べさせてはいただけないでしょうか?」
気になる?
気になっちゃう?
やはり好奇心か。
もちろん断る理由はない。
一応、祝福眼鏡を使って軽く鑑定してある。
なので毒の類いは問題ない。
が、エビをゲットしたときの反応がね。
可哀想なヤツを見るようなリアクションだったからね。
「温水エビは食べられない……いんや、食べないものって小さいときからなんとな~く聞いてたからな。でも、よく考えてみたら理由なんてなんにも知らねぇし」
「私もですね。食べてどうにかなってしまった、なんて話も聞いたことはありませんし。別に食べてはいけないという決まり事もないはずです」
本当は美味しい食材が目の前にあるのに放置していたかもしれない。
そんな期待を込めて、か。
これでクッソ不味かったら笑えるなぁ。




