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ぼちぼち生活の糧を・その1

「悪いことは言わん。ひとりで出歩くのはやめておけ。よそ者だというなら、なおさらだ」


 外に出ようとしたら、止められた。


 なんてことだ。


 チート商売をしてない俺は、戦わなければ生き残れない。


 おいこら門番このやろう!


 こちとら転生者さまだ、道をあけろぉッ!


 ……なんてね。


 やめろというからには理由があるんだべ?


「自信満々でひとりで出ていったヤツの大半が救助待ちに。あとは帰ってこない。もちろん、全員が失敗するワケじゃないが……」


 なるほどねー。


 ちなみに、後日に残念な姿で発見されるのはクラスSハンターも含まれるらしい。


 大自然の驚異の前では、人間など無力か。


 こわいなー。わりとマジで。




 しかし。


 だからといって出ないワケには。


 どうしようかな。


 せっかくの忠告を無視するのも勿体ない。


 だからといって護衛依頼を出すのもなぁ。


 目的地があるならともかく、狩りの護衛とか面倒になりそう。


 主に魔獣素材の取り分で。


「なら、とりあえず近くの温水湖なんてどうだ? クラスEの駆け出しハンターたちの稼ぎ場だが、そこが目的地なら護衛依頼でも高くはならんだろう」




 ……。




「では、このような内容でどうでしょうか?」


 もろもろ含めて受付嬢に相談して。


 差し出された依頼書を確認中。


 やはり、こういうのはプロに頼むのが1番だな。


 あっという間に作ってくれたよ。


 ふむ。


 対象はクラスDのハンターで。


 俺が支払うお代金は良心的。


 これなら特には……おや? ギルドの職員が同行するとな?


「クラスDの上位ハンター向けに発行する予定でして。クラスCへの昇級試験の練習も兼ねて……ですね。こちらの都合をお願いする代わりに、依頼中にデュラン様に発生した損失はこちらで負担させていただきます。もちろん、ハンターたちの不手際が理由ならば、ですが」


 なるほど。


 うん、いいんじゃない?


 ハンターたちの昇級試験のための依頼、実はフィンブルムでも何度かあったし。




 で。


 昇級試験の練習。


 つまり俺は手出し無用ってことか。


 なら魔獣素材はハンター総取りだな。


「ご協力、感謝します。護衛依頼について、商人組合の皆様も積極的に協力してくださるのですが、やはり依頼の数には限りがありますので……それだけ中堅以上のハンターが育っているのですから、ギルドとしては喜ぶべきなんでしょうけどね」


 困ったように笑う受付嬢。可愛い。


 いわゆる、嬉しい悲鳴ってヤツかな。




 ハンターについて、今日中に手配してくれるとのこと。


 出発は明日の朝。


 んー、仕方ない。


 何か……そうだな、パンの実とやらでも買って帰るか。


 チーズと合わせてなんちゃってピザでも作ろうかな。

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