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まったり共同生活開始・その5

 堪能しました。ハイ。


 まさかの刺身。美味でした。


 あの……大根の細切りみたいなのはなかったけれど、代わりにキャベツの千切りが敷かれてたのは面白かった。


 口直しに添えられていたライムのようなものも酸味と甘味がナイスでした。


 あと、スープ料理やフライ料理が発展してるのは、やっぱり気候によるものだそうな。


 と、店にいた商人さんが教えてくれました。




 で。


 街の案内のほうはというと。


「うぇ~、く、食い過ぎた~」


「にいちゃんがソリを出してくんなかったら帰れなかったなぁ~。ゲッフ」


 子どもたち、見事な食いっぷりでした。


 女の子たちはともかく。


 男の子たちは肉を食べること食べること。


 今、俺が氷で作ったソリに絨毯を敷いてその上で呻いている。


 もちろん女の子たちも乗ってますよ?


 仲間外れはイカンばい!




 術式で組んだソリを霊気で動かしている。


 なので、やはり目立ちまくり。


 もっとも、飛んでくる視線は好奇心と、あと微笑ましい何か。


 やんちゃ坊主どもが食い過ぎた~と腹をさすってるのを見て察したかな?


 あと。


「世界は広いんですねぇ。わたくし、感動してますよぉ。なるほどなるほど、これなら荷物を運ぶのも楽ですねぇ」


 隣を歩くのは、初日に洞窟で出会った術師のひとり。


 クラスBマジシャンのサラステリース。


 マジシャンってより、陰陽師って格好。


 鬼人族だからなおさら。


 呼ぶときはサラと呼べ、だってさ。


 俺の術式に興味津々。


「わたくし、戦闘術式ばかり学んでいましたものでぇ。なかなか、サポート系はほらぁ、効果が目で見えないでしょぉ?」


 うん。わかる。


 俺も昔はそうだった。


 ゲームの話だけどね。


 やっぱわかりやすい攻撃系のが使いやすいと思う。


 ただ。


 そんな力押しが通用する相手は対等以下、もとい、対等未満の連中だけ。


 同じくらい、それ以上の相手にはムリ。


 ゲームの話だけどね!


「あ、デュランさん、そこの角を左にお願いします。ミルクを買うなら、いいお店がありますよ!」




 ミルク。


 やっぱり凍った状態で売ってんのね。


 長いのが牛乳パックと同じくらい。


 たぶん1リットル。


 半分のもある。500mlかな?


 これはこれで管理しやすいし使いやすいな。




 3本ほど、1リットルのを購入。


 厚手のタオルのようなもので包んでお持ち帰り。


 さて。


 ミルクの他には……おぉ、チーズとバターも!


 バターは3種類ほど。


 色合いからして濃さとかの違い……で、あってると。


 チーズは……多いなぁ。


「香草、刻んだ野菜、あとは燻製肉を刻んだもの。そのまま酒に合わせてもいいし、パンに乗せて焼けば一品料理に早変りさ! どうだい、ひとつ味見してみるかい?」


 どれどれ……ふむ。


 んー。


 ベースのミルクの味が濃いからか、チーズも濃厚。


 しかし混ざってる食材の味も感じる絶妙さ。


 これもまた美味い。


 そうだな、手頃なサイズのをいくつか買って……。


 手頃なサイズ……。


 ……。




 おばさん、それぞれ一番大きい塊のヤツ、ちょうだい。


「あっはっは! アンタも大変だねぇ! ちょいとオマケしといてやるよ!」


「あなたたち……はぁ、まったくもう」


「ふふふ……面倒見がよいのですねぇ?」


 ソリに乗った子どもたちの無言の訴え。


 女神チート持ちの転生者だけど勝てなかったよ。

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