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お祭りバトル! コルキュアス中央区ハンターギルド

「戦闘用意ッ! 対象をカテゴリークラスB以上、小型軍勢種と判断する! さぁさぁ皆の衆、配置につけぇいッ!!」


 誰だろうか、ちょっと年齢を感じる渋い声。


 パッと見てすぐ動けてるのはクラスCの上位ハンターから。




「お手並み拝見と……いきますよッ! “鳳閃花”ッ!!」


 うぉッ!?


 ザグリアさん、その槍エーテルウェポンかよッ!!


「ほう。咄嗟にナイフで軌道を逸らしましたか。やはりひとりで世界を巡っていただけあって、よい反応です」


 クルクルと槍を回して構えなおす紳士。


 カッコいい。……じゃなくて。


 早速問題点。


 エーテルウェポンの力を使える相手にはまだ、妖精たちは反応できてないな。


 とはいえ。


「うぉッ!? コイツら、小さいわりに力が強ぇぞッ!!」


「連携も悪くないですね! まったく厄介ですよッ!」


 防御よりも攻撃にステータス寄らせてるからね。


 うん、悪くない。




「―――ふぅッ! なるほど、氷の盾ですか。正面から受けずに流すという点では、氷は優秀な素材でしょうな」


 槍の連撃を全て避けるのは難しい。


 俺の能力に問題があるのは大前提。


 そうではなく、祝福による自動回避を使い過ぎるのは危険かもしれないと思ったから。


 動きで仮面付けてるときの俺との関係、疑われるかもしれん。


 なので。


 あくまで術師らしく、氷の盾を展開して受け流す!




 ―――と、とッ! とォッ!?


「チッ、外したか」


 ……ガスト。お前さんもエーテル持ちですか。


 分裂する霊気の光の矢とはやってくれるねぇ!


「悪いな。俺もお前に興味があったんだ。こんな形になったのは残念だが、せっかくだからな。どうせお前のことだ、切り札はひとつやふたつじゃないんだろう?」


 ガストの合図で遠距離攻撃の雨あられ。


 うひょ~!


 これは氷の盾だけでは厳しいかな。


 ならば!




「風ッ!? 上方向かッ!!」


「さすが、ですわね。見事に勢いを殺されてしまいました」


 思い付きにしては悪くないな。


 下手に横方向に弾くと街並みやギャラリーに当たるかもだし。




 ……。




 そろそろ、かな?


 指パッチ~ン。


 で。


 妖精たちの氷の剣が砕け散り、周囲に霧のようなものが。


 さぁ、こっからはイヤらしくいくぜぇ?


「この霧は……? ―――ッ!? 皆さん、離脱してくださいッ!!」


 んー。


 やっぱり何かしらを感付くんだな。


 さてさて、どれだけ逃げ遅れたかな?


 ……ふむ。3割くらいは眠ったかな?


 夢見心地、しかも霊気の回復効果もございます。


 治癒術式として作ってみたバッドステータス付与。


 なんでそんな面倒くさいことしたかって?


 そら、システムの穴を利用するためよ。


 状態異常の術式に耐性持ちの装備でも、回復の術式なら反応しないだろう?




 何人かのハンターから、色とりどりの別れの言葉。


 娼婦たちに挨拶できなかったのは心残りかな。


 ドタバタしちゃったけど、新しい旅にレッツゴ~!




 ……の、前に。


「なッ……は、あ……ッ!?」


 戦いを他人に押し付け参加しなかったゴールドナイツ。


 ダメじゃないか、油断してボーッとしてちゃさぁ?




 ―――妖精たちよ、貫け。




「がぁぁぁッ!?」


「きゃぁぁぁッ!?」


「うわぁぁッ! ……あ、あぁ? 痛く、ねぇ……」


 驚いたかな。


 氷の剣はたしかに体を貫いた。


 しかし体にはかすり傷ひとつなく。


 もちろん、何もしてないワケがない。


「―――ッ!? 腕が……腕が動かねえ……ッ!! 俺の、腕が……あぁッ!?」


 自分の手を汚すよがそんなに面倒ならさ。


 その腕、無くても困らないだろ?


 ま。


 実際には動いてない、ように見えるだけ。


 超が付くほどゆ~~~~~っくり動いている。


 制圧用に作っておいた術式。実験、成功であります!


 クックック……。


 連中のこれからの生活はどうなるかな?




 ……ふむ。


 もう少しおどかしておくか。


 ゴールドナイツは、完全に敵として理解したと。


 フィンブルム王国は、デュラン・ダールの敵であると。


 守護者を名乗るお前たちには手加減をする理由が無くなったと。




 ゴールドナイツのハンターたちの息を飲む音。


 多少は大人しく……なるかなぁ。


 こういうのってさ、けっきょく俺とかいなくなると再発するかもだしな。


 そうならないよう祈りつつ。




 さらば、フィンブルム王国。


 ここでの経験は俺にとって、転生者の俺にとってはいい具合のチュートリアルになったよ。

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