そろそろ新たな旅立ちを・その2
「貴様がスノール領内に怪しい術式道具をばら蒔き、魔獣を誘導して混乱をもたらそうとしたことはわかっているッ!」
まったく身に覚えがないんだが。
「さらに! 数日前にはブルム帝国の戦闘員の手引きをし、国家の守護者たるゴールドナイツへの妨害工作を行ったこともなッ!!」
まったく身に覚えしかないんだが。
しかし妨害工作なら戦闘員じゃなくて工作員なのでは?
ふーむ。
スノール領の話はともかく、英雄の剣をブッ飛ばした話もここに持ってきたか。
だけど、連中が仮面の正体に気がついたとは考えにくいかな。
というか考えたくないなぁ。
『そんなん、ワシも凹むわい。んー、何かしら思惑があるじゃろうが……そうじゃのぉ~、メンツを保つためかの?』
貴族サマご贔屓のクラスSパーティーがボコられた恥を帳消しにするために?
俺を犯人として捕らえて処分すると。
なるほど。
しかも冤罪じゃなくて正解してるのが笑えるっていうね。
「おやおや。珍しいこともあるものですね。普段は王都に寄生虫の如く居座り離れないあなた方が、わざわざ自分で地方に足を運ぶとは」
紳士ザグリア、スマートに煽る。さすが!
対する連中は……おや、余裕でニヤニヤしてるな。
「フッ…仕方あるまい? なにせ今回は“王命”なものでなぁ?」
懐から取り出したのは、巻物……羊皮紙だっけ?
なにやら豪華な紋章のようなものが。
それを見たザグリアさんも、周囲にいたハンターも―――どころじゃないな。
誰もが渋~い表情。
なんとなく、理解しちゃったけどさ。
「……いくら連中がクラスSクランだとしても、所属外のハンターに命令する権利などない。だが、国からの依頼となれば話は別だ……」
あの羊皮紙が、天下御免の印籠代り。
今の連中は国レベルの権力者。
つまり、ハンターたちが協力を拒むようなマネをすれば。
ニヤニヤが止まらないゴールドナイツ。
心底イヤそうな顔で俺を見るハンターたち。
ふむ。
ぶっちゃけ、興味はあったんだよね。
「「………えッ?」」
何度か護衛依頼やら採取依頼なんかで一緒に出たけども。
戦い方とか見ててさ。
一回くらい、手合わせをお願いしてみたいな……と。
やっぱね~対人戦の経験値がさ~。
最近やたらと強いオッサンたちと戦ってね、やっぱ根本的に足りないものあるよねって。
なので。
逃げる前にさ、試したいじゃない?
「ふむ。ふむふむ。デュラン君らしい考え方ですな。しかし……先のトラブルでクラスSハンターたちが王都に呼ばれて不在とはいえ、私たちを相手に一戦交えようとは。少々……侮り過ぎなのでは?」
そう思う?
まぁ、普通はそう思うよね。
うん。
まぁ、こういうのは語って聞かせるより一発見せ付けたほうが早いからね!
―――さぁ踊れッ! 氷剣の妖精たちよッ!!
「「なッ!?」」
作ったけれど出番がなかなかまわってこなかった召喚系の術式。
せっかくなので試しに使わせていただきましょ。
フフフ。
伊達や酔狂で世界を巡っていたワケではないのだよ、ってね!
『まぁ伊達でも酔狂でもなくキャラ設定だがの』
イヤンッ!
それは言っちゃダメなんだゼ☆




