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そろそろ新たな旅立ちを・その1

 新しい依頼を出した。


 相手は森の牙。


 内容はクラスCの昇級試験の合格。


 報酬は俺の作った術式を刻んだ指輪。


 備考。報酬先払い。


 前に渡した物よりちょっとパワーアップしてみた。


 少し、イヤな未来の可能性も考えたけど……。


 奪われた経験があるなら。


 道を踏み外すことも……まぁ、自制してくれないかな?


 と。


 淡い期待を込めて。




 んで。


 祝福結界と転移術式で王都と北方中央区を往復したワケだが。


 昨日の王都の事件が今日にはギルドに届いている。


 早くね?


「ギルド同士は儀礼道具を使って情報交換ができるんです。面白いんですよ? 水晶玉から相手の声が聞こえて、目の前で直接喋っているようで。フフッ、凄いでしょう!」


 受付のお姉さんの渾身のドヤァッ!


 可愛い。


 そうか、通信技術あるのか。




 公式の記録や発表をどうするかは別として。


 英雄の剣がひとりの正体不明の男にボコられた事実。


 それはコッソリここまで報せが届いた、と。


 周囲の反応?


 ザマァッ!! ってなもんで喜んでましたよ?


 うーむ。


 ちょっとだけ、事情を知ってしまったからな。


 ボルバンは複雑な思いだろうなぁ。


 あのオッサン、面倒見が良さそうだったしさ。




 ま……一般人の皆さんに悪影響がないなら……うーん。


「ナニナニ~? 難しい顔しちゃってどうしたの~?」


 ふわりと甘い香り。


 出たな狐娘。


「デュラン、ナニか悩み事? よろしい、ミスアお姉さんが相談にのってやろうではないか!」


 なにキャラ?


 悩み、つーか。


「お前が心配することでもないだろうが、問題ない、と言っておこう」


 来たな猫娘。


「むぅ……」


「フッ……」


 んー、やっぱり突っかかるのね。


 この二人あんまり相性よくないっぽいんだよな。




 んで?


「簡単な話だ。ゴールドナイツにトラブルが起きて困るのは、ヤツらのパトロンである貴族くらいしかいない」


 この国の貴族の派閥はふたつ。


 国王を中心としたファンタジー定番、民衆を道具か家畜かくらいにしか考えていない権威派。


 これがゴールドナイツ他、色んな組織を私物化してるとかなんとか。


 もうひとつは、民衆の豊かな暮らしを保証するのが義務だと頑張ってる貴族たち。


 こちらはハンターギルド、商人組合、術師協会を支援しつつ国を守るために戦ったりしてるのだとか。


「だから~、そんなに心配しなくてもダイジョブ~ってこと。貴族サマたちが上手にやりくりするんじゃな~い?」


 ふむ。


 そう言われると大丈夫そうな気もする。


 やっぱりさ、俺が狙われるのは別に困らないんだけどね。


 よそ様に実害が広がっちゃうと……ねぇ?




 ……。




 数日後。


「デュラン・ダールはどこだッ! ブルム帝国のスパイ、デュラン・ダールの身柄は我々ゴールドナイツが預かるッ!!」


 ……まぁ、無関係の一般人に飛び火するよりは。

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